能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

ギスギスした職場はなぜ変わらないのか 手塚利男著・・・風土改革の7つのフレームワーク

2013年06月30日 | 本と雑誌

「ギスギスした職場はなぜ変わらないのか」 

手塚利男著 日経ビジネス文庫 750円+税


サブコピー、副題が「たった一人で始められる職場活性化の方法」。

そういえば、あちこちの会社の職場で、ギスギス、無機質、平面的、萎縮的な職場が増えているような気がします。

それでなくても大変な仕事なのに、周囲の同僚、上司、先輩後輩、部下の表情が妙に暗い・・・。

そんな職場で働いていても楽しくないし、ただ生活費を稼ぐためだけに個々が黙々と働く・・・いつから日本のカイシャはそうなってしまったのでしょうか?


バブル経済崩壊後、リーマンショック直撃、東日本大震災・・・。

そんな中で、あがらぬ賃金、成果主義の浸透、学卒新人の就職難、定年延長や再雇用、おかしな目標管理の導入、非正規社員への厳しい対応、上がり続ける税金、増えるプレイングマネジャーなどなど、働く人たちを取り巻く環境はホントーに大変です。


この職場に生命体は存在するのだろうか?という情景を見ると、本当に胸が痛みます。


著者の手塚さんは、スコラコンサルタントのプロセスデザイナーという肩書。

いすゞ自動車で生産技術を担当し、風土改革活動をたずざわってこられた方。い

すゞ自動車復活に向けた経営改革の中で、現場に密着し、その活力を引き出してきた人です。


同書は、「社員一人ひとりの気持ち」「変革の土台となる風土にメス」を土台として、活性化の仕掛けを具体的に提示しています。

「活性化」という言葉も懐かしいのですが、文字通り職場で化学反応がおき1+1が、2にも3にもなるような風土を創り出すということの重要性を説きます。


この中で、風土改革の7つのフレームワークを基本にすえて、さらに「すごい仕掛け」の例示につないでいきます。


風土改革の7つのフレームワーク


1.カベを低くする


2.情報の流れと中身を変える


3.人の見方を変える


4.思いをネットワークで共有する


5.やり取りの方向を変える


6.制約条件を疑ってみる


7.個の主体性を高める


この7つのフレームワークは、今までもデキルると言われたマネジャーは手掛けていましたし、

職場のリーダークラスでも、そのいくつかを実践していたように思います。

そういったマネジャーやリーダーが減ってきたということもあると思います。

そして、第6章では、保存版と題し、職場が活性化するすごい仕掛けを例示していきます。けっこうベタで、実際の職場でも使えそうです。


「自然に会話を取り戻す」


「季節の行事を行う」


「ふるさと名産品パーテイ」


「オフィス ピカピカタイムをもうける」


「リメンバー・ベストスマイル」


「会社の費用で雑談する」


「会議室に名前をつける」


「1日30分でもブラブラ社員になってみる」・・・


管理者、監督者の方々にぜひ一読いただきたい一冊です。


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