同僚の書いた企画書を読んでいて、思わず吹き出しそうになったことがあります。
SWOT、3C、VRIO、5Fなどのフレームワークがふんだんに盛り込まれており、知っている知識を全て投入したのではないか・・・というムリムリ感満載の企画書なのです。
しかも、実行案は超プア。
これでは、何のための企画書か分かりません。
以前勤務していた広告代理店でも、膨大なマーケットリサーチを行い、分析・解析。
分厚い企画書は、凄みを感じさせますが、結論としてのプロモーション案は、駅前でティッシュを配りましょうというもの(笑)。
やめましょうよ(笑)。
フレームワークや各種の経営戦略論は、モレ・ダブリを防ぐには効果的なものかもしれませんが、
それ以上でもそれ以下でもないものだと思います。
「カナヅチを持つと、すべてのものが釘に見える」というビジネス格言がありますが、
本当に気を付けたいところです。
今回のご紹介は、日本橋の丸善で平積みになっていた一冊。
「本当に使える経営戦略・使えない経営戦略」
山田修著 ぱる出版 1575円
著者の山田さんは、「経営者ブートキャンプ」などを主催されている経営コンサルタント。
トム・ピータース「エクセレントカンパニー」以降の各種経営戦略論を独特の視点でぶった切ります。
なかなか爽快感のある一冊です。
「ブルーオーシャン戦略」→青い鳥幻想を広げた最悪のセオリー
「SWOT分析」→強み・弱みは主観だし、脅威・機会は不確かだ
「7Sはマッキンゼーが売り込んだ」→経営者は3Cで十分だ
「フレームワークから経営戦略は出てこない」
「品質戦略は、ドアオープナー」
「使えるランチェスター戦略」
エクセレントカンパニーの多くが、同書刊行後すぐにエクセレントでなくなったという話は有名ですが、今の時代のサクセスストーリーも後付的なものが多いように思います。
帰納法の分析の限界といったところでしょうか?
経営戦略、ストラテジーを学んでいる人(=金槌を手にした人)にぜひ読んでいただきたい一冊です。