広島市、寒いです。
事務所の近くにある京橋川。
広島では烏は、神さまの使い。
元気で、とりあえず元気で!
広島市、寒いです。
インターネット広告、ビッグデータ、GAFAの隆盛、スマホ・タブレットの普及などなど・・・十年一昔ならぬ1年一昔の時代・・・広告業界にも大きなインパクトをあたえています。
日本の広告界の雄、電通、博報堂も厳しい経営環境に置かれています。
広告マンだった若き日、老舗の広告代理店の万年社倒産、中央宣興倒産といったショッキングな出来事がありました。
小職のいた広告代理店も、当時世界トップだった米国オムニコムグループの参加に入り、外資系になっています。
現在では、当時とは比べ物にならないほどの変化に見舞われている広告業界です。
7年前に出版された広告界の10年後を綴った一冊の本がありました。
「広告マンの8割はいらない」と喝破する同書に驚いたことを覚えています。
広告ビジネス次の10年
横山隆治・栄枝洋文著 翔泳社刊 1800円+税
著者の横山さんはデジタルインテリジェンス代表取締役、栄枝さんは同社の取締役。
アサツーDKに所属されていたアドマン。
そういえば、旭通信社と第一企画が合併してアサツーディケイが出来た時も、かなり衝撃的でした。
一企の人たちはサバイバルできているのでしょうか?
同書のサブタイトルは、「データを制するものがビジネスを制す」。
経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報のうち、「情報」の持つ価値が格段に高まってくるという、アタマの中では分かっていても、現実、何をどうすれば良いか分からない、スピード感が最重視される時代に突入したと指摘しています。
ネット、ビッグデータ、アドテクノロジーを駆使したマーケティングをどう進めるか?
それは、広告代理店のドメイン、カテゴリーを飛び越えています。
昭和の代理店であれば、リーチ、フリークエンシーなどで誤魔化せていたものは今では通用しません。
認知や態度変容、広告効果などを実証データとして、クライアントに提供できなければ、広告代理店の存在価値はありません。
◆目次
第1章 土俵際の広告「代理」店
第2章 データを制するものがビジネスを制す
第3章 データマーケティング時代の広告主
第4章 塗り替わる業界地図
第5章 明暗が分かれる日本の状況
第6章 次世代広告マンに必要なスキル
第7章 近未来予測
第8章 10年後の広告業界
第9章 広告主、メディア側から見た存在価値
以前、日本広告業協会(JAAA)が、広告代理店という名称を「広告会社」に変えようとしていた時期がありました。
タイムブローカー、スペースブローカーからの脱却を目指そうと言う動きでした。
当時、博報堂も「マーケティング・エンジニアリング」というコーポレート方針を打ち出していたこともあります。
ただ、それらの動きは、業界全体に変化をもたらすことはなかったように思います。
これから、デジタル、ビックデータ、マーケティング、メディア、リテール、webを最適化したアドテクノロジー機能がない代理店は、どんどん淘汰されていくことになると指摘します。
同書では、二人の著者が、まえがきでストレートに広告界に意見するが、悪意がないことを前置きします。
痛快な広告代理店批評・・・アドマン、マーケターが読まなければならなかった一冊でした。
お二人の7年前の予測は、8割以上が当たっています。
いや、現状は、GAFAの巨大化により、当時の予測以上の厳しい状況にあります。
当時、同書でラインマーカーを入れたところを抜粋させていただきます。
7年前に、これだけの指摘、予測が出されていることに改めて驚いた次第です。
広告マンの8割はいらない
デジタル音痴の経営判断は会社の死を意味する
マーケティングとは広告販促のことではない。マーケティングとは経営の根幹である。
広告主が素人だったので通用していた御用聞き営業マン
マーケティングの「通貨」はオーディエンスデータ
「総合広告代理店」は消滅した
売上の9割を「日本だけ」で稼ぐ限界
ネット広告の効果指標に、認知、態度変容が加わる
電博以外の広告代理店の衰退
ネット広告代理店という業態からの脱皮
黒船たちが再進出
コンペ形式で得られるアイデアはあくまで個別最適解
広告主の事業や顧客を知り尽くす
個人情報は預金と同じ、コンテンツやサービスを利子として返す
華やかだった広告業界。
4媒体・・・新聞、雑誌、ラジオ、テレビのフィーで食ってきた大手広告代理店。
今では完全に過去のモノになりました。
インターネット広告費がテレビ広告費を超えた今、広告を主たる財源とするGAFAの台頭・・・。
日本の総合広告代理店がサバイバルしていくのは難しいと思います。