日経ビジネス誌2024.10.24号の特集記事は、「禅と哲学 NTTはなぜ研究所を立ち上げたのか」。
日経ビジネス誌らしくない特集記事です(笑)。
経営環境の激変、競争激化、VUCAの時代には、ビジネス合理性だけでは乗り越えられない時代に入ったのだと思います。
同特集では、NTTが京都哲学研究所を設立したこと、僧侶や哲学者を社外取締役に任用する企業が出てきたことを紹介しています。
ダイバーシティ&インクルージョンの延長線上ということもできるのでしょうが、澤田NTT会長は「パーバスより前に哲学が必要」と述べています。
Contents
Part1 哲学、宗教者が経営者と地続きに
Part2 視野を広げ、軸をつくる ビジネスに生きる知恵
Part3 稲盛和夫が魂を注いだ1982年経営方針
同特集記事では、経営者が哲学や宗教をどう経営に活かしているかについても取材しています。
山下リコー会長・・・和尚さんと40年交流 会社の常識は非常識と悟る
大坪レンゴー会長・・・現場主義の土台となったハイデッカーと般若心経
出雲ユーグレナ社長・・・「論語」生かし通販の対応強化
堀グロービス経営大学院学長・・・陽明学が大学院開設を支えた
梅原エーワン創業者・・・中国古典でリーダーの姿知る
仏教、哲学、古典、陽明学・・・ジブン自身の軸となるうる尺度になるのだと思います。
米国セールスフォースのベニオフCEOもZEN(禅)に傾倒しているとのことです。
これは、アップル社のスティーブ・ジョブズ氏の時代、シリコンバレーで起こったムーブメントがベースになっているのだと思います。
禅ZENは、米国ではマインドフルネス、瞑想というカタチで独自に進化しています。
GAFAMを中心としたビッグテック、プラットフォーマーの熾烈な仕事環境では、マインドフルネス、瞑想なしではメンタルヘルスが維持できないようです。
この特集では、米国の最新のマインドフルネス、瞑想の実践法も紹介しています。
ご参考まで。
「ぶれない心」は職場で育める 毎日のマインドフルネス、瞑想実践法
・毎日同じ時間に瞑想
・マルチタスクはNG
・会議は呼吸を整えてから
・休み時間は「休憩」に集中
・退屈でもスマホに触らない
・メールに腹がたったら深呼吸
この特集の最後は、茶道。
LIXILの潮田元CEO、及川ポーラ社長、松本マネックス会長、曽我日本郵船社長が「茶の湯」の魅力を語っています。
点前で精神集中、和敬静寂、一座建立・・・茶の湯は会社経営やマネジメントに役立つと主張されています。
禅、東洋哲学、茶道・・・マインドフルネスの分野で、日本は世界最先端を走っています。