アジアの国々を旅したいなあ・・・と思っていた時に突如襲ってきたコロナ・ショック!
なんだかなあ。
当分の間、海外旅行は難しそうです。
「巣ごもり」の中、出会った一冊が、その悩ましさを解消してくれました。
世界史・10の「都市」の物語
出口治明著 PHP文庫 1000円+税
文庫本になる前の「都市の世界史」も読んでいたのですが、今回は文庫本で改めて読み直してみました。
著者の出口さんは、立命館アジア太平洋大学(APU)の学長さん。
日生でサラリーマン人生を駆け抜け、60歳でライフネット生命を起業・・・そして、70歳でAPUの学長に就任されます。
そのパワーに脱帽です。
一万冊以上の本を読みこんだ読書家・・・その博覧強記ぶりが、この本にもにじみ出ています。
出口さんのモットーは、「人・本・旅」。
いろいろな人に会い、たくさんの本を読み、世界中を旅すること・・・それが人間を創ると言われています。
ジャバニーズ・ビジネスマンのモットー・・・「めし・ふろ・寝る」・・・それはダメだと指摘します。
同書は、世界中の都市から10の街をピックアップし、歴史的な考察を展開していきます。
この本を読んでいると、世界を旅しているような気分になります。
実にリッチでラグジュアリーな一冊です。
取り上げられた10の街は、次の都市です。
1. 昔も今も永遠の都「ローマ」 古代ローマから続くヨーロッパの憧れと誇り
2. 世界帝国の都「イスタンブール」 古代から1700年間、この都市はずっと世界の主人公だった
3. インドを映し出す都「デリー」 長く複雑な歴史と多民族の文化が今も息づく
4. 英雄たちの夢と挫折の都「カイロ」 様々な民族が入れ替わり支配者として君臨した
5. 草原に輝く青の都「サマルカンド」 草原の英雄たちが多くの物語を残した中央アジアのオアシス
6. 3人の巨人が完成させた都「北京」 安禄山、クビライ、永楽帝が波瀾万丈の歴史を綴った
7. まさに現代の世界の都「ニューヨーク」 世界中から移民が流れ込む自由の天地
8. 商人と議会の都「ロンドン」 都市の歴史が国の知恵と富の源になった
9. 欧州にきらめく花の都「パリ」 ヒトラーの権力をもってしても破壊できなかった美しい町
10. 20世紀を演出した都「ベルリン」 森と川のある片田舎の集落から生まれた
同書は、リベラルアーツの基礎の基礎。
知的好奇心をかきたててくれます。
ぜひ、読んでいただきたい一冊です。