能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

コロナ禍の中でも、学生の売り手市場・・・採用担当者、人事労務担当者の苦難の季節・・・採用のための12の作戦

2022年03月07日 | マネジメント

失われた30年・・・景気が低迷する日本経済、そこにコロナ、そしてウクライナの戦争・・・大変な状況になっています。

コロナ禍の中でも、少子高齢化が急速に進む日本は、学生の売り手市場になりつつあります。

ちょっとバブっている米国経済、中国経済の好調、円安・・・そして、アベノミクス、少子高齢化・・・。

最近お会いする企業の採用担当者、人事担当者からは、ため息ばかり・・・。

少子高齢化とは言え、時代の環境の変化というのは、すごいスピードで進んでいます。

3月に情報解禁、6月から内定出しという協定のもと、企業の採用活動が進められますが、今ではインターンシップやリクルーターの水面下の活動など、ちょっとフライング気味の動きが見え隠れします。

「何か、良い方法はありませんか?」と助言を求められます。

しかしながら、こればかりは、ゴーイングコンサーンとしての企業経営を日々着実にやっていかなければならず、テクニックや広告宣伝で直ぐにどうにかなるものではありません。

学生もネットやSNSで情報武装しており、小手先の対応でイメージづくりをしても、会社の思惑どおりに動いてくれません。

逆に、ちょっとでもブラック気味の噂や人事部の対応があれば、あっという間にSNSで拡散されてしまいます。

「ホワイト企業」であれば・・・そもそも、そういう会社は、ほんの少数のごく一部だと思いますが・・・。

正直に誠心誠意で学生に対応していくことが基本になると思います。

そして、将来の顧客として対応していくことが求められると思います。

この少子化の流れは変わりません。

すくなくとも2025年までは続くわけで、多くの企業が悩むことになると思います。

それを与件とすると、次のような採用促進策が考えられます。

即効性はないのですが、ご参考まで。

1.就職情報メディア、会社案内、ホームページ、SNSの情報発信媒体を、自社の現場で働く若い社員にホンネで作らせる。手作り感を全面に出す。決して、広告エージェンシーに丸投げしない。

2.採用担当者に自社のエース社員をあたらせる。内定を二けた勝ち取る学生もかなりいるのですが、内定から就職に至る過程で採用担当者の存在、対応が最も大きいと言われています。

3.自社の広報部、販促部と連携。消費者、生活者、顧客への情報発信と学生への情報発信、マーケティングを一元化していくことにより、効果性、効率性を高めることが出来ると思います。

4.学生が企業選びする際のポイントは3つ。企業イメージ、福利厚生、教育訓練。きっちりと説明できるよう準備しておく必要があります。真面目に、正直に伝えていくことが基本です。

5.女性社員を採用活動に巻き込む。女性の目は、職場や社員を的確にとらえるチカラをもっています。

6.本当に東京の学卒が必要なのか?を問う。意外に忘れられているのが、地方の大学です。それから、専門学校や専修学校。日本人留学生や外国人留学生という分野もあります。

7.未来に備えて、大学の研究室への助成や自社独自の奨学金の創設を検討する。長い目で見ると、じわじわと成果が出てきます。

8.子会社、関係会社を含めた企業グループ採用を検討してみる。

9.内定者フォローを充実させ、内定者の辞退者を減少させる。内定を出したものの、途中で蹴られることが多い昨今です。

10.営業職と非営業職を分けて採用活動を行う。文系の8割は営業職採用と言われています。

11.会社の現場を、学生に見せる。学卒の約3割が3年以内に離職、転職すると言われています。インターンシップや現場視察などの機会を出来るだけ設定することが求められます。

12.東京一極ではなく、全国の支社支店も採用拠点として機能させる。

小職として大事にしたいのが、企業やトップの持つ理念やビジョン。

「青臭い」「ビジョンやミッション、バリューでは飯が食えない」と言われますが、採用活動の基本は、ここから始めないと、どこかで矛盾や食い違いが出てくる危険性があります。

また、正直でストレートなメッセージを、学生はよく見ています。

それをどう発信していくか?

まさにコピーライター、アートディレクターの能力、スキルが求められます。

 

企業は人なり。

誰を入れるかによって、その企業の明日は大きく変わります。

単に偏差値が高いとか、学生時代の成績が良いとか、といった基準で採用すると、あとあと後悔することになりがちです。

日本では、「就職」ではなく、「就社」と言われています。

日本の企業では、今でも、メンバーシップを大切にするため、「その人といっしょに働けるか、どうか」「仲間に入れていいか、どうか」を採用試験で試すと言われています。

ジョブ型雇用とか専門職採用などが取り入れはじめましたが、多くの日本企業は会社と言う「村社会」に入れるかどうかを見ているわけです。

年功序列、終身雇用が崩れ始めたとはいえ、まだまだ日本人のDNAは変わらないように思います。

就活を頑張っている学生さんにエールを送りたいと思います。


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