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定年格差 70歳でも自分を活かせる人は何をやっているか?郡山史郎さんの新刊新書が面白い!定年格差を乗り越えるための10の条件

2021年09月22日 | 本と雑誌

面白い新刊本に出合いました。

「定年前後のやってはいけない」「定年前後これだけやればいい」の著者郡山史郎さんの新刊新書です。

定年格差 70歳でも自分を活かせる人は何をやっているか?

郡山史郎著 青春新書 950円+税

 

郡山史郎さんの定年三部作の3作目になります。

帯には、「再就職、再雇用・・・70歳定年で働き方はどう変わるのか」「定年消滅時代を楽しく生きるヒント」とあります。

 

郡山さんは、1935年生まれの86歳。

現役のビジネスパースン・・・人材紹介会社を経営されています。

伊藤忠商事を経てSONYで要職を経て定年。

再就職できないことで、プロ経営幹部を紹介する人材紹介会社を立ち上げました。

これまで、5000人以上の定年退職者をサポートされたとのこと。

まさに、生涯現役・・・すごいビジネスパースンです。

 

目次

序章 定年消滅時代がやってきた!

第1章 知られざる3つの定年

第2章 70歳定年にダマされてはいけない!

第3章 コロナはシニアの転職をどう変えたか

第4章 定年格差を乗り越えるための10の条件

第5章 シニアにも当たり前に働ける社会をつくる

 

著者の言う3つの定年とは、「形式定年」「自然定年」「実質定年」。

形式定年とは、60歳、65歳と年齢的に辞めさせる就業規則に決められた定年。

自然定年とは、45歳前後で体力的、仕事力的にパワーが落ちてくるというフィジカル定年。

そして、実質定年とは、「人生を最後まで幸せに送る、準備のための定年」。

国に頼らず、会社に頼らず、自分の判断で、自分の定年を設定し、マインドセットを変えて、行動に移すこと・・・著者が一押しする「定年」です。

同書のメインディッシュは、第4章の「定年格差を乗り越えるための10の条件」。

納得の10つの助言です。

 

条件1 「働く=幸せ」だと認識する

条件2 過去を捨てる

条件3 痛い目に合う覚悟を持つ

条件4 「何でもやります」を口ぐせにする

条件5 「好き」「得意」を掘り下げる

 

条件6 準備は早ければ早いほどよい

条件7 コミュニケーションとITスキルを磨き続ける

条件8 求人サイト、人材紹介会社をあてにしない

条件9 改めてマナーに気を配る

条件10 働く先を一つに絞らない

 

45歳までは、「高給」「出世」「競争」を目指して、激務をこなす・・・。

マインドセットを変えて、アクションを変えていく・・・。

45歳を過ぎたら・・・難しいことですが、新たな世界へシフトしていくことが求められます。

著者は言います。

「日本は年齢差別の国だ」

「定年は(年齢による)差別である」

「70歳定年は百害あって一利なし」

国は、労働法上、採用等における場面での年齢による差別を禁止しています。

しかしながら、実際は、50歳代、60歳代の年齢層での求人は、ほとんど、ないと著者は指摘します。

会社が、応募や紹介の段階で、年齢でハネてしまうからだそうです。

米国や欧州では定年を年齢による差別としているようですが、実際は入口の部分で除外しているのでしょう。

著者は、改正高齢者雇用安定法が、逆に中高年齢労働者を組織から出したい方向に舵を切らせると指摘します。

45歳を過ぎたモチベーションや仕事力の低下したおじさん、おばさんを65歳や70歳まで雇用するだけの余裕もなければ、雇用し続ければ企業間の競争にも勝てないからです。

 

著者は、言います。

「世の中が変わらないなら、自分が変わろう!」

中高年のサラリーパースン、ビジネスパースンに読んでいただきたい勇気を与えてくれる一冊です。


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