能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

マネジメントの発明者「ドラッカーの遺言」日本の次世代に遺した言葉「自らをイノベートせよ!」

2021年01月24日 | マネジメント

2020年に歴史の転換点が来る・・・。

P.F.ドラッカー博士が「ポスト資本主義社会」の中で予測しました。

 

日曜日のステイホーム・・・書斎の書棚の整理をしました。

奥の方から、ドラッカー博士のコーナーを発見。

たぶん25冊以上はあると思います。

トム・ピータースとともに、著者別でトップ3に入るドラッカー博士の蔵書。

「マネジメントの父」「マネジメントの発明者」と呼ばれるドラッカー博士。

若き日、診断士の先輩から言われたことがあります。

「迷ったら、困ったら、ドラッカーを読め。すべて書いてあるから」

それ以来、困ったときには、ドラッカー本を読み続けています。

ドラッカーの遺言 The Last Words

ピーター・F・ドラッカー  窪田恭子訳  講談社刊  1500円+税

 

同書は、講談社BIZ取材班が、2005年7月28日にカリフォルニアでドラッカー博士にインタビューされた内容をまとめたもの。

同年の11月11日にドラッカー博士は逝去されます。享年96歳。

タイトルの「遺言」「The Last Words」は、ここから来ています。

 

目次

第1章 世界はどこへ向かっているのか

第2章 日本の今

第3章 仕事に起こった変化

第4章 日本が進むべき道

第5章 経営とは?リーダーとは?

第6章 個人へのメッセージ

 

その一部を紹介させていただきます。

 

「新しい秩序へと向かう混迷した世界の中で、重要な役割を担う2つの国がある。それは、英国、日本である。」

「日本の危機の嘘・・・日本が直面しているのは危機ではなく、時代の変わり目=移行期にあるということ。」

「日本は、時代が変わったことを認め、その変化に対応していくために意識改革に取り組むべきである。」

→コロナ禍によって、それが5年早まったと思います。

「変化を拒絶してはいけない。」

「知識を生産的にすることが、競争を可能にするただ一つの方策である。」

知識労働者は、絶えずスキルアップを追求すること。」

「定年70歳時代・・・日本の定年は74歳まで上がると私は予測する。」

→生涯現役・・・ボケてる暇はどうやらなさそうです(笑)。

「情報経済が主軸となる新時代の世界経済のもとで、最も苦労するのが日本である。つねにイノベートを追求し、新しい価値を生み出すことでしか、日本が生き残る道はない。」

→今、閉塞感が蔓延するこの国はピンチです。イノベーション国家にならなければ、明日はありません。少子高齢化、デフレ経済・・・逆に言えば、課題山積み国家ならではの「強み」はあります。それを一つひとつ解決していけば世界最先端国家になれるはずです。

「立ちはだかる相手は、インドと中国。」

「問題重視型の思考に囚われるな。機会重視型の発想を持て。」

「成果を得るために、どんな強みを活かして、何をしなければならないのか?経営の本質は、すべてこの一言に言い表されている。」

「生き方は教えられない。自ら未来を切り拓いていけ。つねにスキルアップ!」

「自らの責任で自らを高める。今、何を捨て、何を選択し、自己を高めるために何を学ぶか・・・絶えずこう問い続ける姿勢こそ、個人のイノベーションを促進するものである。」

→吉田松陰の言葉にあります・・・「死して後、やむ」。

死ぬまで、学び、行動し、協働・・・です!

米国の経営学会では、ドラッカーの評価が高くないとのこと。

統計学や経済学などエビデンスや数式で進めるのが、最新の経営学・・・。

ドラッカー博士の書物には、統計学も経済学もエビデンスも数式も出てきません。

理系が産業界引っ張るアメリカ合衆国・・・。

でも、あいまいさ強度の強い文系がいないとバランスが取れません・・・S.ジョブズも文系寄りです。

博士は、自身のことを「社会生態学者」と位置づけています。

社会生態学は実学と述べています。

会社も社会も世界も、ココロを持つ人間の集合体・・・それは単に数字や数式で表せない領域です。

ドラッカー博士が亡くなられて15年・・・。

あの時から、この国はどれだけ変わったのでしょうか?

「日本人よ、しっかりしろ!」・・・ドラッカー博士のお叱りの言葉が聞こえてきます。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 広島は雨・・・河辺の樹々が... | トップ | 雨の日曜日・・・週末の広島... »
最新の画像もっと見る