大好きな橘玲さんの新刊新書が出ました。
世の中を一刀両断する橘さん・・・言ってはいけないことを、あえて言う!痛快な橘ワールドです。
世界はなぜ地獄になるのか
橘玲著 小学館新書 980円+税
同書の帯には、次のようなコピーが載っています。
社会正義はめんどくさい。
キャンセルカルチャーという「大衆の狂気」を生き延びる
誰もが自由に生きられる社会は、こんなにも不自由だ。
文化全体にしかけられた地雷
何を言っても怒られる、何かすると袋叩きにあう・・・SNSやインターネットの普及は今まで考えられなかった状況を産み出しています。
どこに地雷が埋まっているか分からない社会になってしまいました。
著者によると「社会正義(ソーシャル・ジャスティス)」の運動は、キャンセルカルチャーという異形のものへ変貌していき、今日もSNSでは罵詈雑言の欧州が続いていると指摘します。
政治、経済、社会から個人まで、よってたかってボコボコにするキャンセルカルチャー。
世の中は、「何だかなあ?」という社会になっています。
目次
Part1 小山田圭吾炎上事件
Part2 ポリコレと言葉づかい
Part3 会田誠キャンセル騒動
Part4 評判格差社会のステイタスゲーム
Part5 社会正義の奇妙な理論
Part6 「大衆の狂気」を生き延びる
差別や偏見・・・あってはならないことです。
同書でも、黒人、LGBTQなどを取り上げ、欧米での動きを丁寧に解説していきます。
夏休みに、ゆっくりと読みたい一冊です。
著者は、リベラルを「自分らしく生きたい」という価値観と定義しています。
また、「リベラル化が生み出した問題を、リベラルが解決することは出来ない」とも指摘します。
そのうえで著者は4つの視点を提供します。
1 リベラル化によって、格差が拡大する
2 リベラル化によって、社会がより複雑になる
3 リベラル化によって、わたしたちは孤独になる
4 リベラル化によって、「自分らしさ(アイデンティティ)」が衝突する
人類が理想としたリベラルな社会・・・。
結構、大変な世界です。
実存主義の哲学者サルトルの言葉を思い出します。
「人間は、自由の刑に処せられている」