日経ビジネス誌2015.2.16号に、恒例の「2015年度版 働きがいのある会社ランキング」が掲載されています。
手あげ方式とは言え、このランキングは、ブラック企業問題、若手社員のリテンションなどの雇用問題に対する一つの理想型の提言ということが出来ます。
この調査は、GPTWジャパンが参加企業240社に対して行っているもの。
同社の「働きがいのある会社」の定義は、「従業員が勤務している仲間と管理者を信頼し、自分が行っている仕事に誇りを持ち、いっしょに働いている仲間と連帯感を持てる会社」。
キーワードは、次の5つです。
1. 信用(経営と社員の間の信用)
2. 尊敬(経営と社員の間の尊敬)
3. 公正(経営と社員の間の公正)
4. 連帯感
5. 誇り
俗にいうブラック企業とは、まさに、この逆をやっている企業ということが出来ます。
いま、シューカツをされている学生さん、転職を考えているサラリーパースンに、ぜひ目を通していただきたい特集です(大学図書館などで閲覧できますよ)。
就職活動や企業訪問で、上述の5つの観点で聞いたり見たりする・・・有効なスケールだと思います。
大企業部門のランキングは、ほぼ昨年と同じ顔触れです。
外資系の日本法人が多い、ハードよりソフト系が上位を占める、ものづくり企業は少ない・・・といった傾向は変わりません。
働きがいのある会社ランキング2015(大規模部門・従業員1000人以上)
1. グーグル(昨年の中規模部門1位から大規模部門へ)
2. 日本マイクロソフト(昨年1位)
3. アメックス(昨年3位)
4. PLAN・DO・SEE
5. ワークスアプリケーションズ(昨年2位)
6. ディスコ
7. サイバーエージェント
8. 日本イーライリリー
9. DHLジャパン
10.モルガンスタンレー
11.プルデンシャル生命
12.ブラザー工業
13.ヤンセンファーマ
14.良品計画
15.ルネサンス
16.堀場製作所
17.三幸グループ
18.インテリジェンス
19.東京海上日動システムズ
20.野村総合研究所
働きがいのある会社ランキング2015(中規模部門・従業員100人~999人以下)
1. VOYAGE GROUP(東京・インターネットサービス)
2. バリューマネジメント(大阪・コンサルティング)
3. サイボウズ(東京・ソフトウェア)
4. セプテーニ・ホールディングス(東京・情報技術)
5. マースジャパン(東京・食品輸入販売)
ちなみに、昨年のランキングは次のとおりです。
http://blog.goo.ne.jp/tomitomi111/e/104e0a6f7fe316899c4d8ed94f6c7474
この特集では、企業事例も取り上げられており、人事労務管理に携わる人は目を通しておくことをお勧めします。
事例・ボヤージュグループ(中規模部門第一位)「社員交流の場から新規事業を育成」
事例・アクロクエストテクノロジー(小規模部門第一位)「社長への直言OKが営業力強化に効果」
事例・ディスコ(大規模部門第6位)「1000の業務に価格設定しムダを削ぐ」
同特集では、「私ばかり働いている病」「社長が考えがナゾ病」「先輩は絶対なんだ病」といった病状が、若手社員の離職を招いていると指摘しています。
月並みな言い方ですが、そのリテンション対策のポイントは、コミュニケーションや社内の風通し、やりがい、はたらきがいといったことになると思います。
「石の上にも3年」といった言葉も通用しなくなった昨今・・・企業組織もマネジメントの見直しが迫られています。