日経ビジネス誌の2020.3.16号の「ニュースを突く」のコーナーに面白い記事が出ていました。
書いたのは、日経ビジネス副編集長の尾島島雄さん・・・なかなか鋭い切り口です。
「フラリーマンはここにいた」
フラリーマンとは、会社が終わった後、寄り道をしているサラリーマンのこと。
WLB(ワークライフバランス)、働き方改革のために残業が制限され、いつもより早く退社しなければならないサラリーマンが、家に帰っても、やることがなかったり、家事や育児を手伝わされたり、配偶者の小言などが嫌なため、街を「フラフラ」している人たち・・・フラリーマン。
帰宅恐怖症のサラリーマンや恐妻家よりも広い概念です。
2017年に始まったプリミアムフライデーの時、日経が行った調査では100名中48名が「外食」だったとのこと。
新橋や有楽町の居酒屋、焼鳥屋といった飲み屋さんで、ゆっくり時間を潰したいというのがホンネだったと思います。
でも、今回のコロナショック・・・。
飲食店やスナックなどでの感染の事例も報告されており、全国的に飲食店での客数は過去、例を見ないくらい客数が減少しています。
では、フラリーマンはどこに行っているのか?
ちょっと驚く分析でした。
個人的には、巣篭もり志向で、リカレント教育(自己啓発、読書、スクール通い等)や「家飲み」あたりかなあと考えていたのですが・・・かなり違っていました。
別の調査では、労働時間が短縮されても、自己啓発や自学自習の時間は横ばいだそうです。
では、フラリーマンはどこに行っているのか?
大きく3つ・・・サウナ、キャンプ、ファミリー・・・だそうです。
まずは、サウナ。
健康ランドのサウナやサウナ付の銭湯などで、スーツ姿のサラリーマンが増加しているとのこと。
シニアのみならず、若者の姿も多いそうです・・・ちょっと意外。
最近は、サウナブームで書店でもサウナ本が並び、サウナ愛好家のことは
「サウナー」と呼ばれていますよね。
そして、2つ目は、キャンプ。
「たき火をする冬キャンプ」「オートキャンプ」「一人でソロキャンプ」が人気とのことです。
三つ目は、ファミリー。
かっぱずしでは前年比で8%増、ロイヤルホストも2%増とのこと。
家族で外食しているのか、持ち帰りの仕事をしているのか・・・分析が必要です。
ただ、現在の飲食、サービスの不振ぶりを考えると、たくさん店じまいする所が出てきそうです。
尾島さんは、現在の状況を分析し、「コロナ後」に備えよと提言されています。
コロナ後は、リーマンショックを超える令和大不況が来ると予測するエコノミストも多いです・・・。
コロナによって、景気後退によって、人々の行動、経済活動が変わっていく・・・そこのところをよく見ておく必要があると思います。
この号の特集は、「どうする?働かないおじさん 終身雇用崩壊後のサバイバル」・・・これもなかなか面白い企画でした。次回のプログでご紹介させていただきます。