人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「フランスの情景~小林美恵、萩原麻未と仲間たち~」を聴く♪

2012年03月30日 06時34分06秒 | 日記

30日(金)。昨夕は7時から銀座でのコンサートだったので、時間調整のため地下のOでS監査役、E部長、K君と飲みました 30分ということでしたが、45分でした。6時15分に当ビルを出て、国会通りを銀座方面にほぼまっすぐに進み、銀座界隈の細い路地を突っ切って、ヤマハホールには6時半に着きました。ほぼ計算どおりです

新生ヤマハホールは2回目です。「フランスの情景~小林美恵、萩原麻未と仲間たち~」というホール主催のコンサートを聴きました プログラムは①プーランク「ヴァイオリン・ソナタ」、②ミヨー「屋根の上の牛」、③メシアン「世の終わりのための四重奏」の3曲です。

出演は1990年ロン・ティボー国際コンクール優勝者・小林美恵(ヴァイオリン)、2010年ジュネーヴ国際音楽コンクール優勝者・萩原麻未(ピアノ)、NHK交響楽団首席チェリスト・藤森亮一(チェロ)、同楽団首席クラリネット奏者・松本健司の4人です

自席は1D6で、前から4列目のほぼ中央の通路側。早めにチケットを手配した成果です

プーランクの作曲した唯一のヴァイオリン・ソナタは、スペイン内乱時の政争に巻き込まれ、最後はフランコ派に射殺された悲劇の詩人、ガルシア・ロルカに捧げられました

ヴァイオリンの小林美恵は黒を基調、萩原麻未は白を基調とするドレスで登場します ピアノはもちろんヤマハです。このソナタは3楽章から成りますが、全楽章を通じてエスプリを感じさせる曲想で、ヴァイオリンとピアノが情熱的にせめぎ合います。萩原麻未は何度か聴いているので、情熱的な演奏の魅力はある程度頭に入っているのですが、小林美恵は初めて聴きます。まるで女性版眠狂四郎のような、なかなか鋭い感性の持ち主のようです

2曲目のミヨー「屋根の上の牡牛」は、作曲者が、外交官で詩人のクローデルに随行してブラジルへ渡り、現地の音楽に刺激され、帰国後にこの曲を作曲したとのことです この曲を一言でいえば「統制のとれたカオス(混沌)」とでもいうべきでしょうか。ラテン的な賑やかな音楽で、騒然とした感じがしますが、その中に、秩序があります

小林が、よっぱらいがヴァイオリンを弾いているような様相でメロディーを奏でると、萩原は椅子から腰を浮かせて上から叩き付けるといった調子で、それぞれが勝手に弾いているように見えるのに、統一性が保たれています。これぞフランスのエスプリです

最後はメシアンの「世の終わりのための四重奏曲」です。ピアノをバックに、左からヴァイオリン、チェロ、クラリネットという配置。オリヴィエ・メシアンは1908年に生まれ1992年に死去しているので、つい最近まで生きていた作曲家です。この作品でメシアンが重視したのは「過去や未来といった時間の束縛からの解放、その先にある永遠への憧れ」であったようです、抽象的でよくわかりませんが

8楽章から成りますが、楽章ごとに背景の照明が赤くなったり、青くなったりして、光による演出効果を発揮しています 相変わらず萩原麻未のピアノは緩急自在に冴えわたっています。何度聴いてもすごいピアニストです。小林美恵のヴァイオリンも鋭い切れ味で最弱音から最強音までを美しく再現します 藤森のチェロ独奏部分はなかなか聴かせてくれました。クラリネットの松本は第3楽章「鳥たちの深淵」で、ピアニッシモからフォルティッシモまでを完ぺきなテクニックで表情豊かに表現していました

最後はピアノの弱奏に乗ってヴァイオリンがピアニッシモで天に昇っていくさまを奏で、静かに終わりました

この日の収穫は、萩原麻未の演奏をまた聴けたことと、小林美恵のヴァイオリンの素晴らしさに出会ったことです

 

                  

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