人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

子供のための定期演奏会~大友直人+東京交響楽団の試み

2012年03月29日 06時15分48秒 | 日記

29日(木)。昨日の日経朝刊・文化欄に東京交響楽団の常任指揮者・大友直人が「子どもに響く定期演奏」と題するエッセイを書いています 大友は「小学校高学年でNHK交響楽団の定期会員になり、生演奏に接してきたが、その頃に聴いた音楽が今の自分の核になっている」と言います

大友と東響はサントリーホールと提携して児童向けの「こども定期演奏会」を年4回開催しており、今年で11年目を迎えたとのことです 目的は、言うまでもなく「幼いうちから音楽に触れる習慣が根付くように」ということです 選曲は「こども向け音楽会」とはいえ、ベートーヴェンの「運命」やドヴォルザークの「新世界」のような超有名曲だけでなく、シェーンベルクやマーラーなども取り上げているといいます 個人的には、シェーンベルクを子どもの時から聴かせるのは、音楽嫌いになる恐れがあるので止めた方がいいと思いますね

長い交響曲は、集中力が続かないので、一つの楽章だけ取り上げるなどの工夫をしているとのことです また、武満徹ら日本人の作曲家だけを取り上げた回は、反応の良さに驚いたそうです。「細川俊夫の響きが良かった」「三善晃が面白かった」などの感想を聞いたといいます

「騒がしくないですか?」と聞かれることもあるが、面白いことに大人よりずっとマナーがいい。静かに集中してくれるーとのことです。そうかもしれません 演奏会に行くと、頭をしきりに左右に動かしたり、身を乗り出して後ろの人の鑑賞を妨げたり、とどめはケータイの着メロを鳴らしたり、いきなり駅弁を食べ始めたり・・・それはないか

大友は「日本には音楽が定着しているのだろうか」と感じ、「こども定期」はその不安に対するひとつの提言だ、と言います オーケストラの定期演奏会に行くたびに感じることは、平均年齢がすこぶる高いということです このままいったら、各オーケストラの定期会員は減少の一途を辿るのではないかと心配になります。そういう意味で、こうした活動は、地道ながら将来の聴衆を育てる観点から、素晴らしい試みだと思います

目を活字文化に転じてみると、「活字離れ」「新聞離れ」が叫ばれて久しくなります いま新聞を読んでいる典型的な読者層は、就職を控えた学生と、仕事上必要とする会社員と、時間が有り余っている高齢者くらいではないかと思います 活字離れ、新聞離れ対策として新聞業界で取り組んでいるのがNIE運動です。NIEとはNewspaper In Educationの略で、「教育に新聞を」と訳されています。新聞業界をあげて未来の読者を育てるべく、学校に新聞を教材として提供して、新聞を通して学習してもらおうという運動です 何とかこの運動が実を結んで、子どもたちが大人になったときに新聞を、本を読んでくれるようになるといいと思います

音楽にしても新聞にしても、子どもの時から将来の聴衆、読者を育てることがいかに重要かということを感じます 電車の中で、いいおとなが漫画本を読んでいたり、ケータイでゲームをやっているのを見ると、マジで張り倒したくなります 文化は子供時代から育むことが大切だ、ということでしょう

 

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