人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラでヴェルディ「オテロ」を聴く~ヴェントレ,ファルノッキア,ストヤノフにブラボーの嵐

2017年04月10日 07時49分33秒 | 日記

10日(月).わが家に来てから今日で923日目を迎え,東京都議選(7月2日投開票)まで3か月を切り,各党の攻防が激しくなる中,小池百合子都知事を中心とする地域政党「都民ファーストの会」が台風の目になっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

                    民進党から都民ファーストの会に移る動きが止まらない  当選のためなら手段を選ばず

 

                     

 

昨日,初台の新国立劇場でヴェルディの歌劇「オテロ」を聴きました 出演は,オテロ=カルロ・ヴェントレ,デズデーモナ=セレーナ・ファルノッキア,イアーゴ=ウラディーミル・ストヤノフ,ロドヴィーコ=妻屋秀和,カッシオ=与儀巧,エミーリア=清水華澄、ロデリーゴ=村上敏明ほか,管弦楽=東京フィル,合唱=新国立劇場合唱団,児童合唱=世田谷ジュニア合唱団,指揮=パオロ・カリニャーニ,演出=マリオ・マルト―ネです

 

       

 

舞台は15世紀末のイタリア.ヴェネツィアの将軍オテロがトルコ艦隊に勝利し,嵐の中をキプロスに帰還する カッシオが副官に昇進するが,それを妬む旗手のイアーゴは,オテロを破滅させるべく謀略を企む 最初にカッシオを失脚させ,オテロへの取りなしを妻デズデーモナに頼むようカッシオに入れ智恵する さらに,デズデーモナの落としたハンカチを手に入れ,カッシオに持たせる.妻とカッシオとの不貞を信じ込んだオテロは嫉妬に狂い,デズデーモナを締め殺すが,真実を知り自害する

 

       

 

私が新国立オペラで「オテロ」を聴くのは2003年,2009年,2012年に次いで今回が4回目で,このうちマリオ・マルト―ネによる演出で観るのは3回目です このオペラは全4幕から成ります

会場が暗転し,指揮者カリニャーニがオーケストラ・ピットの指揮台に上がり,第1幕が開始されます このオペラには序曲がありません.いきなり嵐の場面の激しい音楽が会場を満たします.稲妻が光り雷鳴が轟く中,大波に翻弄される船の様子が音楽で表されます イタリア出身のカリニャーニの指揮はアグレッシブで,オーケストラと合唱団から力強く迫力のある音楽を引き出し,一気に聴衆をオテロの世界に引き込みます カリニャーニは新国立オペラの「ナブッコ」(2013年)を指揮し,史上最低の演出を最高の音楽作りで救った実績があります

 

       

 

オテロを歌ったカルロ・ヴェントレは,ウルグアイ出身のテノールですが,世界中のオペラハウスで活躍しているだけあって,ドラマティックな歌声で申し分ありません かなりの演技派でもあります

デズデーモナを歌ったセレーナ・ファルノッキアはイタリア出身のソプラノですが,とくに高音が美しく,まるでビロードのような声です 第4幕冒頭でデズデーモナが死の予感を漂わせて歌う「柳の歌」は,このオペラの唯一のアリアらしいアリアですが,ファルノッキアは良くコントロールされた声で抒情感豊かに歌い上げました

このオペラを観ていつも思うのは,陰の主役はオテロを失脚させるシナリオを書いて実行するイアーゴではないか,ということです ブルガリア出身のウラディ―ミル・ストヤノフは,狡猾で抜け目のないイアーゴを見事に歌い演じました

エミーリアを歌った清水華澄ほか,日本人歌手陣も健闘していました 中でもロドヴィーゴを演じた妻屋秀和はどんな役を歌っても安心感があります

さて,今回の公演で歌手陣に負けず劣らず素晴らしい活躍を見せたのは,指揮者パオロ・カリニャーニと東京フィル そして新国立劇場合唱団の面々です   カリニャーニは歌手陣に寄り添いながら,彼らの胸の内を音楽で鮮やかに表現していました

話は変わりますが,プログラム冊子に東京経済大学の本橋哲也教授が「『オセロ』を考えるための4つのNOではない」という論考を寄せています その中で,原作者のシェイクスピアの生没年について面白い覚え方を紹介しています

シェイクスピアは1564年に生まれ1616年に没していますが,彼は作品の中で多くの殺人を扱っているので,「人殺し いろいろ」と読める,と言うのです.こういう知識,何かの役に立つでしょうか

なお,今回の公演を聴くに当たり,カルロス・クライバー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団によるCD(オテロ=プラシド・ドミンゴ他.1987年2月5日のライブ録音)で予習しておきました

 

       

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上岡敏之+ヴァレリー・ソコロフ+新日本フィルでブラームス「ヴァイオリン協奏曲」,ドヴォルザーク「交響曲第7番」を聴く~アンコールについて考える

2017年04月09日 08時37分44秒 | 日記

9日(日).昨日の朝日朝刊「文化・文芸」欄に,4月4日付のブログでご紹介したヨーヨー・マの主宰する「シルクロード・アンサンブル」のことが書かれていました  その中に,

「メンバーの出身国は中国,日本,シリア,イラン,スペイン,インド,ロシア,イスラエル,米国など様々だ」「トランプ大統領がイスラム圏の国からの入国禁止の大統領令を出した後は,対象国の音楽を演奏するなど,独自の発信を続けてきた」

とありました そうした中,アメリカは4月6日,シリアにミサイル攻撃を開始しました 彼らはさらに辛い立場に置かれることになりますが,何事にもめげないヨーヨー・マのことですから,よりいっそう対象国の音楽を演奏して世界を回るのでしょう.また,そう信じています

ということで,わが家に来てから今日で922日目を迎え,トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が会談し,北朝鮮の核計画の放棄に向けて協力を強化することで一致し,米中貿易不均衡問題を一定期間内に是正する「100日計画」の策定で合意したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

          貿易は「100日計画」というのは分かったけど  対北朝鮮問題は何日計画なのかな?

 

                      

 

昨日,すみだトリフォニーホールで新日本フィル第572回トパーズ定期演奏会を聴きました プログラムは①ブラームス「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」,②ドヴォルザーク「交響曲第7番ニ短調」です ①のヴァイオリン独奏はヴァレリー・ソコロフ,指揮は新日本フィル音楽監督の上岡敏之です

 

       

 

1曲目のブラームス「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」は1878年に完成しましたが,当時のトップレベルのヴァイオリニスト,ヨーゼフ・ヨアヒムが演奏することを念頭に置いて,彼のアドヴァイスを得ながら書かれたことは周知のとおりです この曲の特徴をひと言で言えば,独奏楽器であるヴァイオリンと管弦楽が交響曲のように対等で緊密に展開していくスケールの大きな曲です

第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」,第2楽章「アダージョ」,第3楽章「アレグロ・ジョコーソ,マ・ノン・トロッポ・ヴィヴァーチェ」の3つの楽章から成ります

1986年ウクライナ生まれのソコロフが上岡敏之とともに登場します がっしりとした体形から,とても今年31歳になる若者とは思えない落ち着いた”中年のオトナ”の雰囲気を醸し出しています

演奏を聴いて感じたのは,演奏に余裕があるように見えたので「パワフル・ヒッター」かと思いきや,かなりきめの細かいニュアンスに富んだ演奏をする人で,第1楽章のカデンツァは力強くも抒情的でした また第2楽章「アダージョ」では,オーボエ首席の古部賢一の名演に支えられながら,ブラームスの心情を切々と訴えるような”聴かせる演奏”を展開しました 一転,第3楽章では喜びを爆発させ,ダイナミックにコーダを締めくくりました

大きな拍手に,イザイの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番」から「バラード」を鮮やかに演奏し,拍手喝さいを浴びました

ここで,私はハタと考えてしまいました このアンコールは,本プログラムのブラームスを吹き飛ばすような勢いの超絶技巧の演奏でした 果たしてこれでいいのか?というのが私の疑問です.ブラームスのヴァイオリン協奏曲だって十分演奏が難しい曲に違いありませんが,それを上回る超絶技巧曲を演奏することによって,あとで聴衆の印象に残るのはブラームスではなくイザイになってしまうのではないか,これでは本末転倒ではないか,と思ったのです これがブラームスの曲に対してブラームスの小品をアンコール演奏するのなら,一貫性があるのでまだ理解できるのですが,まったく違う作曲家の,しかも技巧を誇示するための曲を持ってくるのは如何なものだろうか? アンコールの演奏が素晴らしいほどそういう疑問が湧いてきます.しかし,多くの聴衆はそれを求めているのかも知れないな,とも思います しかし私は,それは間違っているのではないかと思います

2016年12月2日付の当ブログで「ピアニストは語る ヴァレリー・アファナシエフ」という本をご紹介しましたが,そのインタビューの中で奇才アファナシエフは次のように語っています

「もちろん,聴衆が,アンコールをしないことに不満なのは知っています.でも,彼らは知らないのです.なぜ私がアンコールをしないのか.みんながやっているから私もやらなくてはならないのでしょうか? でも私は,ただシューベルトの最後のソナタやベートーヴェンの最後のソナタという素晴らしい作品を,その曲の私の演奏を,忘れないで欲しいだけなのです

この日の演奏に即して言えば,演奏者としては本プログラムのブラームスを忘れないで欲しいということだと思います ソコロフの本音は「本当はブラームスよりイザイの超絶技巧を聴いて欲しかった」ということだったのかも知れませんが,多くのアーティストは本プログラムを忘れないで欲しいと思うでしょう.コンサートが終わって「あのアンコールが一番良かったね」というのはある意味 最低のコンサートだったと言えるのではないかとさえ思います

 

       

 

休憩後はドヴォルザーク「交響曲第7番ニ短調」です この曲は第8番,第9番と比べて演奏される機会が極めて少ない曲ですが,今回の演奏会に先立ってNAXOSのCDで予習していて,すごく良い曲だな,と思いました 当ブログの読者でドヴォルザーク大好きの ゆえさんの言葉を借りれば「8,9番ほど注目されないのが残念」です その印象を頭に入れて本番に臨みました

1884年から85年にかけて作曲されたこの曲は4つの楽章から成りますが,上岡敏之+新日本フィルの演奏で聴いていると,名作=第8番の前の第7番で,ドヴォルザークはボヘミアの民族性を強く意識した曲想を交響曲という形式に落とし込んでいるということが分かります 私が特にドヴォルザークらしいな,と思ったのは第3楽章のスケルツォです 解説によると,ボヘミアの舞曲「フリアント」に基づくリズムということらしいのですが,民族色豊かな躍動感あふれる音楽です

オーケストラの定期演奏会では”通常”アンコールはありません が,上岡敏之は定期会員へのサービス精神からか,アンコールを演奏しました ドヴォルザークの「スラブ舞曲作品72-2」をメランコリックに演奏,しかし それでは終わらず,「作品72-1」を賑やかに演奏し大喝采を浴びました 定期演奏会で2曲のアンコールは珍しいのではないかと思います メイン・プログラムがドヴォルザークやブラームスでなかったら あり得なかったことかも知れません ドヴォルザークには16曲のスラブ舞曲,ブラームスには21曲のハンガリー舞曲という絶好のアンコール向きピースがあるからです

個人的にはアンコールは必要ないと思いますが,同じアンコールでもこうした一貫性のあるものは比較的 素直に受け入れることが出来ます 新日本フィルの熱い演奏でした

 

       

 

ところで,開演に当たりちょっとした出来事がありました 1曲目のブラームスの演奏が始まった時,センターブロック11列目の通路側席の高齢男性がケータイの画面を発光させていたのです 時間にしてほんの10秒ほどだったかも知れませんが「演奏中」です こんな非常識な態度はあり得ません 過去に東京文化会館小ホールで,演奏中にタブレットのバカでかい画面を見ているバカ女が居ましたが,それ以来です.プログラム後半で同じことをやられたら困るので,休憩時間にアテンダントの女性にその男の座席番号とともに気を付けるようにというメッセージを伝えておきました 幸い後半はケータイを開くことはありませんでしたが,まさか定期会員ではないだろうな,と懸念しています

 

  

当ブログの登録読者が1200人を突破しました.いつもご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝しております これからも1日も休まず書いて参りますので 引き続きご購読よろしくお願いいたします

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METライブ「ラ・トラヴィアータ」の指定を取る / ヴェルディ「オテロ」(カルロス・クライバー指揮)のCDを買う / 誉田哲也著「歌舞伎町ダムド」を読む

2017年04月08日 07時54分31秒 | 日記

8日(土).わが家に来てから今日で921日目を迎え,米トランプ政権が 内戦が続くシリアで アサド政権が化学兵器を使用したと断定し,その対抗措置として,アサド政権軍の空軍基地に対してミサイル攻撃を開始した というニュースを見て 感想を述べるモコタロです

 

       

                      北朝鮮とそれを擁護する中国に対する警告だということは明らかだ 危ね~!

 

                       

 

昨日,夕食に「牛肉と大根の煮物」「野菜とシメジとウインナのスープ」「生野菜とタコのサラダ」を作り,大根の葉っぱがもったいないので「お浸し」を作りました.いずれの味は完璧です

 

       

 

                        

 

新宿ピカデリーで,METライブビューイング,ヴェルディ「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」の座席指定を取りました 12日(水)午前10時からの部です.いつものように左ブロック後方の席を取りました MEライブはこの後モーツアルト「イドメネオ」,チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」,R.シュトラウス「ばらの騎士」の3本なので,3枚綴り券(9,300円)も購入しました

 

       

 

                       

 

日曜に新国立オペラでヴェルディ「オテロ」を観ることになっているのですが,予習のCDがありません 新宿に行ったついでにタワーレコードに寄ってカルロス・クライバー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団による2枚組CD(1987年2月5日のライブ録音)を購入しました 税込み1,393円です 家に帰ってさっそく予習しましたが,30年前のドミンゴはさすがに声が若い

 

       

 

                       

 

誉田哲也著「歌舞伎町ダムド」(中公文庫)を読み終わりました 誉田哲也の作品はこのブログで多く取り上げてきましたね 誉田哲也は1969年東京生まれ.2002年「妖の華」で第2回ムー伝奇ノベル大賞を受賞 その後,シリーズ化した「ジウ1.Ⅱ.Ⅲ」,「ストロベリーナイト」に代表される姫川玲子シリーズなど多くの作品を発表しています

 

       

 

伝説的な犯罪者ジウが暴れまくった「歌舞伎町封鎖事件」から7年が経った新宿に,ジウの後継者を名乗る怪物犯罪者ダムドが現れた 7年前にも陰で悪を操っていた「新世界秩序」がまたしても陰謀を巡らせる 7年前に活躍した新宿署の東弘樹警部補は,ダムドらと対決することになるが,四方八方から命を狙われる 彼を救うために現れたのは歌舞伎町の秩序を守るためなら人殺しも辞さない「歌舞伎町セブン」だった

この作品はジウ三部作(①警視庁特殊犯捜査係,②警視庁特殊急襲部隊,③新世界秩序)のシリーズの流れを受けた物語です

誉田哲也の作品を読むときは,読む手が止まりませんが,この作品でもそうでした 440ページを一気読みでした

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「イレブン・ミニッツ」「ダゲレオタイプの女」を観る~新文芸坐

2017年04月07日 07時55分34秒 | 日記

7日(金).わが家に来てから今日で920日目を迎え,北朝鮮が日本海に向かって弾道ミサイルを発射した問題に関して,安倍首相とトランプ米大統領が電話で協議した際,トランプ氏が「すべての選択肢がテーブルにある」と表明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

                   だから昨日のブログで金正恩に注意を促したんだよ  トランプを怒らせたら怖いぜって

 

       

                        来た挑戦 の話に夢中になって 安倍首相の頭を踏んづけちゃった  Y・ABEぇ 

 

       

          踏んづけた頭 舐めとくから許して! なに なめんじゃねぇって? メンゴメンゴ! 

 

                      

 

昨日は,夕食に「鶏もも肉焼き」と「生野菜のサラダ」を作りました 「鶏もも~」は味付けは塩コショウのみ,弱火でじっくりと焼いたので皮パリパリ中ジューシーに仕上がりました

 

       

 

                      

 

昨日,新文芸坐で「イレブン・ミニッツ」と「ダゲレオタイプの女」の2本立てを観ました 「イレブン・ミニッツ」はイエジ―・スコリモフスキ監督による2015年ポーランド・アイルランド合作映画(81分)です

 

       

 

この映画は午後5時から5時11分までの11分間に起こった何組かの主役たちの出来事を刺激的な音と映像によって描いた群像劇です 女好きの映画監督と女優,嫉妬深いその夫,刑務所を出たばかりのホットドック屋と麻薬中毒のバイク便の息子,強盗を失敗した少年,産気づいた女性と駆けつけた救急隊といった,それぞれつながりのない人物たちが 最後に一つの場所に収斂していき大事件が起こるというストーリーです

映像では,犬の視点をはじめ下からのアングルで多くの動きが撮られています それが最後のホテルの窓から女性が落下するシーンでは上から見下ろすアングルで撮られます この対比は鮮やかです.気になるのは音です.終始 何かの音が鳴り続けていますが,ほとんど騒音といったレベルです.これは大都会の喧騒を表わしているのでしょうか

 

                     

 

2本目の「ダゲレオタイプの女」は黒沢清監督による2016年フランス・ベルギー・日本合作映画(131分)です

「ダゲレオタイプ」とは,フランスで生まれた世界最古の写真撮影方法で,長時間の露光を必要とするため,動かないように被写体の身体を拘束することが求められる 直接銀板に焼き付けるので,その写真は世界に一つしか残らないというもの

 

       

 

ジャンは写真家ステファンの弟子として働くことになったが,ステファンは娘マリーを長時間にわたって拘束器具に固定し,ダゲレオタイプの写真の被写体にしていた ステファンの妻ドゥニーズも娘と同じように被写体にさせられていたが,首を吊って自殺していた マリーに思いを寄せるジャンは彼女が母親の二の舞になることを恐れて,屋敷の外に連れ出そうとする.そんな時,マリーは階段を踏み外し落下してしまう

 

       

 

この映画では,死んだドゥニーズの亡霊が出てきますが,それに関わらず,いったいどこまでが現実で,どこからが夢や妄想の世界なのかが曖昧に描かれています 誰が正気で誰が狂っているのか,後で振り返ってみたとき「やっぱり,あの出来事から後が彼の妄想なんだな」と分かります 見ごたえのある作品でした

 

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芥川也寸志「音楽の基礎」,茂木健一郎「東京藝大物語」,週間文春編集部「文春砲」他を買う

2017年04月06日 07時51分01秒 | 日記

6日(木).昨日,散歩がてら池袋のM銀行まで歩き 息子の大学院の授業料を振り込んできました.これで最後(のはず)です 東京芸術劇場前の公園の桜が満開でした

 

       

 

ということで,わが家に来てから今日で919日目を迎え,北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

          金正恩はますます自分の首を絞めてることに自覚がない トランプ怖いぞ! おら知らね

 

                     

 

昨日,夕食に「豚肉と野菜の味噌炒め」「生野菜とアボガドとサーモンのサラダ」「野菜とタケノコのスープ」を作りました 「豚肉~」はレシピには「豚のバラ肉」と書いてあったのですが,間違えて「モモ肉」を買ってきてしまいました 同じ豚なので気にしないことにしました.初挑戦ですが美味くできました

 

       

 

                     

 

本を5冊買いました 1冊目は斎藤美奈子著「文庫解説ワンダーランド」(岩波新書)です 著者は「文章読本さんへ」で第1回小林秀雄賞を受賞した文芸評論家です

 

       

 

2冊目は芥川也寸志著「音楽の基礎」(中公新書)です 著者はご存じの通り小説家・芥川龍之介の三男で,日本を代表する作曲家の一人です

 

       

 

3冊目は茂木健一郎著「東京藝大物語」(講談社文庫)です これ,能科学者が書いた小説らしい

 

       

 

4冊目は週刊文春編集部編「文春砲~スクープはいかにして生まれるのか?」(角川新書)です 次から次へとスクープを連発する「週刊文春」編集部の舞台裏を描いた超面白そうな本です ちなみに私は「週刊文春」は買いません

 

       

 

5冊目は渡邉格著「田舎のパン屋が見つけた『腐る経済』~タルマーリー発,新しい働き方と暮らし」(講談社+α文庫)です この本は朝日だか日経だかの書評欄で見て面白そうだと思いました

 

       

 

いずれも このブログで順次ご紹介していきます.お楽しみに

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マレク・ヤノフスキ+NHK交響楽団でワーグナー「神々の黄昏」を聴く~東京春祭ワーグナー・シリーズVol.8

2017年04月05日 08時06分06秒 | 日記

5日(水).日経夕刊のコラム「プロムナード」に連載しているN響オーボエ首席・茂木大輔氏のエッセイの昨日のテーマは「ワグナーのオペラ」でした その最後に

「留学していたミュンヘンの劇場でワグナーのオペラを見たこともあったのだが,残念ながらほとんど居眠りしていた 今度こそ,より良くこの音楽を理解する為に,本番は居眠りしないで楽しもう,と思っている

と書いています.茂木さん,あなたは 前の段落で「前奏曲などや名場面の抜粋だけでなく本来の姿として全曲演奏できることは極めて珍しいチャンスなので,出番を希望して全4部作に出演させてもらってきた」と書いていませんでしたか? 私の席は前過ぎて管楽器奏者の顔がよく見えませんでしたが,茂木さんも演奏されていたはずですよね.本番は「居眠りしないで楽しもう」どころではなかったはずですね

ということで,わが家に来てから今日で918日目を迎え,久しぶりにドアップで登場するモコタロです

 

       

        ちぃーす! 新年度まだ始まったばっかだけど どうよ? まだ五月病には早いぜ 

 

                      

 

昨日,夕食に「ホッケの塩焼き」「小松菜のお浸し」「生野菜とタコのサラダ」「ベーコンと野菜のスープ」を作りました これから魚を確実にローテーション入りさせたいと思います

 

       

 

                     

 

昨日,上野の東京文化会館大ホールで「東京春楽ワーグナー・シリーズVol.8~神々の黄昏」(演奏会形式)を聴きました 出演は,ジークフリート=アーノルド・べズイエン(テノール),ハーゲン=アイン・アンガー(バス),ブリュンヒルデ=クリスティアーネ・リボール(ソプラノ),ヴァルトラウテ=エリーザベト・クールマン(メゾ・ソプラノ),グンター=マルクス・アイヒェ(バリトン),アルべリヒ=トマス・コニエチュニー(バス・バリトン),グートルーネ=レジ―ネ・ハングラ―(ソプラノ),ヴォークリンデ=小川里美(ソプラノ)ほか.管弦楽=NHK交響楽団,合唱=東京オペラシンガーズ,指揮=マレク・ヤノフスキ,映像=田尾下哲です

なお,ジークフリートを歌う予定だったロバート・ディーン・スミスは,「来日してリハーサルに参加していたが,急な体調不良による音声障害で歌うことができなくなった」ため,急きょアーノルド・べズイエンに変更されました

 

       

 

自席は1階9列11番,左ブロック右から2つ目です.会場は文字通り満席です オケのメンバーが入場します.コンマスは昨年の「ジークフリート」に続いて今回も元ウィーン・フィルのコンマス,ライナー・キュッヒル氏です チェロの首席には向山佳絵子,ヴィオラ首席には新日本フィル首席の篠崎友美がスタンバイします 彼女は最近N響に呼ばれることが多いようですが,新日本フィル大丈夫

オーケストラの後方には巨大スクリーンが掲げられており,田尾下哲の制作による自然を描写した映像が流れる仕組みになっています

「舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』第3日『神々の黄昏』は,序幕,第1幕(第1場~第3場),第2幕,第3幕(第1場~第3場)の全3幕から成ります 演奏会形式によるこの公演でも2回の幕間に各30分の休憩を挟んで合計5時間20分の長丁場です 演奏する方は大変ですが,聴く方も大変です

1939年ワルシャワ生まれ,現在78歳のマレク・ヤノフスキがゆったりした足取りで登場します 岩山の中腹が燃える映像をバックに序幕が開始されます エルダの娘である3人のノルンたちが歌った後,登場するのは主役の二人,ジークフリートとブリュンヒルデです

ブリュンヒルデを歌ったクリスティアーネ・リボールはベルリン生まれのソプラノですが,声量もあり演技力もあるドラマティックな歌い手です 最後まで息切れすることなく力強いブリュンヒルデを歌い切りました

ジークフリートを歌ったアーノルド・べズイエンは,はっきり言って迫力不足か 昨年のアンドレアス・シャーガーの最強のジークフリートを知っている聴き手としては,どうしても比較してしまいます 予定通りロバート・ディーン・スミスが歌っていれば完璧だったのでしょうが,ロクに心の準備もないまま引き受けざるを得なかったのでしょう.本当にお気の毒です それでも第3幕では本領が発揮されました

私が今回の公演で一番良かったと思うのはハーゲンを歌ったアイン・アンガーです エストニア生まれのバス・バリトンですが,俳優を経て声楽家になったという経歴の通り,歌そのものに演技を感じます 深く魅力に満ちた声質で,最も存在感がありました

ヴァルトラウテを歌ったエリーザベト・クールマンは昨年に続いての登場ですが,演技力を兼ね備えたメゾ・ソプラノです 今回も絶好調でした

グンターを歌ったマルクス・アイヒェも演技力抜群のバリトンでした

アルべリヒを歌ったトマス・コニエチュニーはポーランド生まれのバス・バリトンですが,出番が少ないのが残念なくらい巻き舌に魅力があります

グートルーネを歌ったレジ―ネ・ハングラ―はオーストリア生まれのメゾ・ソプラノですが,ドラマティックな歌い手です

さて,ほぼ完ぺきな歌手陣に負けないほど熱演を繰り広げたのはヤノフスキ指揮NHK交響楽団です 第1幕だけで2時間弱かかりますが,78歳のヤノフスキは立ちっぱなしで指揮をとりました 以下 第2幕は65分,第3幕は75分ですが,これも立ちっぱなしです.信じられないほどの体力ですが,強靭な精神力に支えられているのでしょう それが,弛緩することのない音楽作りにつながっています.第3幕での「ジークフリートの葬送行進曲」をはじめとしてN響は緊張感をもってテンポよくグングン進めるヤノフスキの指揮によくついていっていました

この日の公演は,今年1年間で聴くコンサートの中で 最も印象に残る公演の一つになることは間違いないでしょう

 

       

 

さて,この日,久しぶりに見たくない人物を見てしまいました 開演直前,オケのメンバーが入場して席に座ろうとしている時,草履を履いて大きな荷物を背負ったサスペンダー爺さんが,いつものように最前列ど真ん中の席に堂々と着いたのです それだけなら,見慣れた景色なのでここに書くほどのことはないのですが,第1幕が終わり,大きな拍手を受けながらヤノフスキが退場する時,同じタイミングで席を立った爺さんは最前列の通路を堂々と退場していったのです もちろん,この後ステージ上ではカーテンコールが繰り返されましたが,爺さんは興味がなかったようです.あくまでも自分のやりたいことが最優先のようです こういう唯我独尊・厚顔無恥・自己中心の態度は不治の病いとしか言いようがありません 今でも十分目立っているのに,それ以上に目立ちたいのでしょうか いつでもどこでも 本当に目障りな爺さんです

さて,今回の公演を聴くに当たり,ここ1週間ほどヤノフスキ指揮シュターツカペレ・ドレスデンによるCD(1983年録音)で予習しておきました

 

       

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「ヨーヨー・マと旅するシルクロード」を観る~音の文化遺産「シルクロード・プロジェクト」のドキュメンタリー

2017年04月04日 07時50分53秒 | 日記

4日(火).わが家に来てから今日で917日目を迎え,日本式の「温浴施設」の人気が中国で高まっている というニュースを見て 鼻歌を歌うモコタロです

 

       

        温泉よいとこぉ  一度はおいでぇ  あ~  チャイナ  チャイナ~  大江戸線温泉物語

 

                     

 

昨日は娘の仕事がお休みだったので夕食はすき焼きにしました 子供たちのは高い肉で,私のは安い肉です.これは私のです

 

       

 

                     

 

昨日,シネスイッチ銀座で「ヨーヨー・マと旅するシルクロード」を観ました これは世界的なチェロ奏者,ヨーヨー・マが2000年に始めた「音の文化遺産」を世界に発信するために立ち上げた「シルクロード・アンサンブル」の活動を追ったドキュメンタリー映画です

 

       

 

これはモーガン・ネヴィル監督による2015年アメリカ映画(95分)です.この映画の中に純クラシック音楽を求めるのはあまり意味がありません たしかに,ヨーヨー・マの演奏するバッハの「無伴奏チェロ組曲第1番」の「プレリュード」や,メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」の一節,あるいはサン=サーンスの「白鳥」を弾く若きヨーヨー・マの姿を見ることができますが,この映画が主張する音楽は,中国からヨーロッパまでの幅広い地域をカバーするシルクロードに根づく伝統的な音楽を基にした新しい音楽です 楽器だけでもケマンチェ,中国琵琶,尺八,バグパイプなどの民族楽器があれば,ヴァイオリン,チェロといった純クラシックの楽器もあります これらの楽器が渾然一体となって人種・国籍を超えた新しい音楽「シルクロード・アンサンブル」が出来上がります

このプロジェクトが始まった翌年の2001年にはニューヨークを「9.11事件」が襲います プロジェクトに参加するメンバーにはアメリカ人もいれば中東諸国の人もいる中で,「音楽は政治や宗教の前には無力ではないか」という失望感に直面しながらも,ヨーヨー・マは継続することを選びます 一旦始めたら最後までやり遂げるヨーヨー・マの強い意志,責任感の強さを感じます

ヨーヨー・マの率いる「シルクロード・アンサンブル」が来日公演をする機会があれば,是非聴きに行きたいと思います 彼らの活動は音楽のジャンルを超えて感動を巻き起こすことは間違いありません

 

       

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「幸せなひとりぼっち」,「手紙は覚えている」を観る~ワーグナーの音楽が謎解きのヒント / 読響5月定期公演の日程を他日へ振り替える

2017年04月03日 08時02分16秒 | 日記

3日(月).わが家に来てから今日で916日目を迎え,森友学園問題に関する「究明になぜ背を向ける」と題する朝日の社説を見て感想を述べるモコタロです

 

       

         籠池氏の100万円発言を否定したいのなら  証人喚問に呼ぶべき人がいるのでは?

 

                        

 

昨日,夕食に「豚肉のにんにく味噌焼き」と「ウインナと野菜のスープ」を作りました 原則として土・日は料理を作らないのですが,娘が仕事の関係で日曜も出勤日で,翌日のお弁当との関係で作らざるを得なくなります 仕方ないのでウィークデーのいつかをお休みしたいと思います

 

       

 

                        

 

昨日,神楽坂のギンレイホールで「幸せなひとりぼっち」と「手紙は覚えている」の2本立てを観ました 「幸せなひとりぼっち」はハンネス・ホルム監督による2015年スウェーデン映画(116分)です

 

       

 

老人オーベは愛する妻ソーニャに先立たれ,会社もクビになり,孤独な毎日を送っていた 首を吊って死のうとしたある日,隣の家にバルバネ一家が引っ越してくる.オーべは,車のバック駐車や娘たちの子守など何かと頼りにしてくるバルバネ一家にウンザリし,一方バルバネ一家も 厳格で何かと規則にうるさいオーべにウンザリしていた しかし付き合っていくうちにオーべは一家に次第に心を開くようになり,やがて妻との出会いや思い出を語るようになる

この映画はひと言でいえば,孤独な老人が隣人一家との触れ合いとを通じて人間性を取り戻していく姿を描いたスウェーデン映画です 孤独な老人と隣人との交流というストーリーは,別の映画でも観た覚えがありますが,たいてい老人は男性で,頑固な性格という設定です ストーリーが組み立てやすいのでしょうか たまには女性が主役になってもいいような気がします

 

                        

 

2本目の「手紙は覚えている」はアトム・エゴヤン監督による2015年カナダ・ドイツ映画(95分)です

 

       

 

90歳のセブは最愛の妻の死も覚えていられないほど物忘れがひどくなっている ある日セブは友人マックスから1通の手紙を託される.2人はナチスに大切な家族を殺されたアウシュヴィッツの生存者だった.手紙にはナチスの兵士ルディ・コランダーという人物の情報が書かれていた.彼は身分を変えて今もどこかで生きているという.手紙に記されたルネ・コランダーという同姓同名の容疑者は4人だった セブは車椅子生活のマックスの思いを背負いながら復讐を決意し,手紙を持っておぼろげな記憶を頼りに単身旅に出る.彼は本物のコランダーに会って復讐を遂げることが出来るのか

セブが訪問先でピアノを弾くシーンが2度あります 1回目は,女性がピアノで曲を弾いているところをセブが訪ね「モシュコフスキ―ですね」と言うと,女性が「よくお分かりになりましたね」と言います.するとセブが「私のピアノの先生は『偉大な音楽家は3人いる.それはメンデルスゾーン,マイヤべーア,モシュコフスキーだ』と言っていました」と答えます.セブはアウシュヴィッツの生存者でユダヤ人という設定なので,これはよく分かります つまり,メンデルスゾーンも マイヤべーアも モシュコフスキーも ともにユダヤ系ドイツ人だからです このシーンはセブがユダヤ人だからユダヤ系の先生からピアノを習ったということを印象づけています

2回目は最後のルネ・コランダーの家を訪ねた時,セブが居間にあったピアノを弾きますが,その曲はワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の「イゾルデの死」なのです なぜユダヤ人であるはずのセブはナチスのヒットラーが好んで聴いたワーグナーの曲を弾いたのか それは,この映画の最後のどんでん返しで理解できます 物忘れが激しいセブは,自分自身がいったい何者なのかさえ忘れていたのです 最後の最後にに誰が誰に復讐を遂げたのかが分かります

この映画は音楽が謎解きのヒントになっています その意味で音楽の使い方が秀逸でした

 

                        

 

5月19日(金)と20日(土)の2日間に5つのコンサートが入っていることから,いずれかのコンサートを他日に振り替えるか諦めるかの選択をしなければなりません 該当するのは下記の5公演です

5月19日(金)

①午後7時から NHK交響楽団定期演奏会(フェドセーエフ指揮.チャイコフスキー「第4交響曲」他)

②午後7時から 読売日響定期演奏会(ロジェストヴェンスキー指揮.ブルックナー「第5交響曲」)

 ※スクロヴァチェフスキ死去に伴う代替公演.

 

       

 

スクロヴァチェフスキーと言えば,たまたま昨夜NHK-Eテレを点けたら クラシック音楽館でスクロヴァ翁の指揮でN響がベートーヴェンの「序曲レオノーレ第2番」を演奏していました 1996年のN響定期ということなので今から21年前の演奏ですが,当時たしか70代になっていたスクロヴァ翁はとても若く 壮年期のように かくしゃくとしていて,緊張感のある演奏を展開していました 3曲あるレオノーレ序曲の中からコンサートではほとんど演奏されることのない第2番を選んでいるのもスクロヴァ翁らしいな,と思いました

5月20日(土)

①午後3時から バッハ・コレギウム・ジャパン定期演奏会(バッハのカンタータ BWV100,140,180)

②午後3時から 文京シビック”響きの森”コンサート(バッティストーニ指揮東京フィル.チャイコフスキー「第5交響曲」「ピアノ協奏曲第1番」他)

③午後6時から 東京交響楽団定期演奏会(ジョナサン・ノット指揮.ブルックナー「第5交響曲」他)

 

       

 

       

 

19日(金)は①②とも他日公演に振り替え可能ですが,N響は翌20日午後3時からの公演しか振り替えの選択肢がないので 三つ巴になってしまうことから,振り替えるとすれば読響しかありません ロジェストヴェンスキーのブルックナー「第5交響曲」も魅力的なのですが,それを選択するとN響のチケットが無駄になります 慎重に検討の結果6月17日(土)午後2時からの「土曜マチネーシリーズ」(シモーネ・ヤング指揮.ブラームス「第2交響曲」,ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲」他)に振り替えることとし,5月19日のチケットを読響チケットセンターあて送りました 後は代わりのチケットが届くのを待つだけです

20日は①も②も振り替えるべき公演がないので,どちらかを諦めるしか選択肢はありません これはもう暫く時間をかけて判断したいと思います

また,6月3日(土)午後2時からは①新日本フィル定期演奏会(鈴木秀美指揮.ハイドン「オラトリオ・天地創造」)と②東京交響楽団オペラシティ・シリーズ公演(ジョナサン・ノット指揮.ストラヴィンスキー「火の鳥」他)とがダブっています これについては振り替え可能な新日本フィルを前日午後7時からの公演(同一プログラム)に振り替えることとし,新日本フィルチケット・ボックスに電話で依頼しました こちらは現在 返事待ちです

 

       

 

       

 

決して安くはないチケットを無駄にしないため,とは言え,ものすごくエネルギーを使います

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「クラシックのとびら」のチケットを取る~作曲家・加藤昌則クラシック入門講座 / 新潮社編「小林秀雄 学生との対話」を読む

2017年04月02日 07時50分47秒 | 日記

2日(日).わが家に来てから今日で915日目を迎え,トランプ米大統領が貿易赤字の削減に向けた2つの大統領令に署名したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

             貿易不均衡と言うけど 原因はアメリカのメーカーの技術力が劣ってるからじゃないの?

 

                     

 

「クラシックのとびら~作曲家・加藤昌則クラシック入門講座」のチケットを取りました 第1回は5月25日(木)で テーマは「室内楽」,第2回は9月14日(木)で テーマは「独奏」です 時間はいずれも午後7時開演の90分コース,場所は文京シビック・小ホールです 1講座2,000円ですが,2講座3,500円のセット券を取りました 音大を出ているわけでもなく,学生時代にブラスバンドをやっていたわけでもない私のような音楽素人にとって,こういう講座は有難く 勉強になります クラシック人口を増やす意味でも どんどんやって欲しいと思います

 

       

 

                      

 

国民文化研究会/新潮社編「小林秀雄 学生との対話」(新潮文庫)を読み終わりました クラシック好きで小林秀雄の「モオツァルト」を読んだことのない人はいないでしょう 私などは何回繰り返し読んだか分からないほど読みました その名著を書いた小林秀雄は昭和36年から53年にかけて,雲仙や阿蘇など九州各地で5回ほど全国60余の大学から集まった3~400名の学生たちに講義を行い,終了後1時間程度質疑に応えていました 本書には講義のうち「文学の雑感」「信ずることと知ること」と,「現代思想について」他の講義後の学生との対話が収められています

 

       

 

学生たちからの質問に対する小林秀雄のスタンスが一番良く表れているのは,「講義『現代思想について』後の学生との対話」の冒頭での発言です

「さあ,何でも聞いてください.何でも聞いてくれてかまわないが,僕はどんな質問にも答えるということではありませんからね.僕の仕事は質問に答えることではないですから(会場笑).むしろ,僕はいつだって問題を出したい立場なのです.(途中略) うまく質問するのは,なかなか難しい.問題がなければ質問しないわけだが,その問題が間違っていたらどうしようもないでしょう.うまく問題を捉えて,質問をしなければならない.たとえば『自分はどう生活したらいいでしょうか?』と質問する.これは問題を捉えていない証拠ですね.うまく質問してください.何でも話しますから」

ひと言でいえば,ただ単に「分からないから質問する」のではなく「問題意識を持って質問をしなさい」ということだと思います

示唆に富むフレーズがそこかしこに登場するので,本がドッグイヤーだらけなのですが,ここではクラシック音楽にも通用しそうな対話をご紹介します 「講義『本居宣長をめぐって』後の学生との対話」の中で 学生が,

「先生は『歌をわかるためには何回も読んでみて,歌詠みの顔が現れてくるまで読まなくては,なかなかわかるものではない』とおっしゃいましたが,僕が歌を読む時,自分の身近なことや わずかな経験を通すことでしか理解できていないと感じます  そういう読み方でいいのでしょうか?」

と質問した時,小林秀雄は次のように答えています

「あなたがいくら読んだって,あなたの今のレベルしかわからないよね.あなたが将来70歳になって同じ歌を読んだら,きっと面白いでしょう.今のあなたが分からなくても,経験を重ねて別のあなたになったらわかるかもしれない.昔の人の心ばえを知るということでも,今は知ることができないかもしれない.あなたが経験を積み重ねて,もっと年を取るとわかるかもしれません.それが古典なのです.古典が長生きするというのはそういうことです.子供だけが読んでいるのではない.人生がおしまいになろうとして,初めてわかる歌があります.そういうものです.古典を読むというのは,その場その場の取引です.だから,二度も三度も読めるのです.古典が生きているということは,君が生きているということなのです.ちっとも違いはありません.古典は,どんな君にも応じるんですよ.青年の君にも,壮年の君にも,『万葉集』は応じます」

小林秀雄は,ここで古典の代表として「万葉集」を例にとって語っていますが,「古典」を「クラシック音楽」と置き換えても通じるところがあると思います

彼の発言の一部を言い換えてみましょう

「クラシック音楽を聴くということは,その場その場の取引です.だから2度も3度も聴けるのです.クラシック音楽が生きているということは,聴いている君が生きているということなのです」

大作「本居宣長」が難しくても,この「対話」は小林秀雄の生の声を聞くようで,分かり易く書かれています.お薦めします

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現田茂夫+スヴェトリン・ルセフ+オーケストラの日祝祭管弦楽団でシベリウス「ヴァイオリン協奏曲」他を聴く / フェスタサマーミューザ概要明らかに

2017年04月01日 08時59分42秒 | 日記

4月1日(土).今日から4月,2018年度のスタートです って,もうエイプリルフールを言ってしまいました.本当は2017年度の始まりですね

ということで,わが家に来てから今日で914日目を迎え,北朝鮮の金正男氏の遺体が北京に到着し,遺体が「北朝鮮にいる家族」に引き渡される見通しだ というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

        「家族」が金正恩だとすれば 北朝鮮は殺されたのが金正男だと認めたことにならね?

 

                     

 

昨日の夕食は「海鮮丼」と「アサリの味噌汁」にしました 超手抜き料理ですが,たまにはこうでもしないとレパートリーが持ちません

 

       

 

                     

 

毎年夏にミューザ川崎シンフォニーホールで開かれている「フェスタサマーミューザ」の概要が明らかになりました 今年は7月22日(土)の東響によるオープニングコンサートで始まり,8月11日(金・祝)の同オケによるフィナーレコンサートで幕を閉じます 

 

       

 

スケジュールは以下のパンフの通りですが,今年は井上道義+オーケストラ・アンサンブル金沢,ワレリー・ゲルギエフ+PMFオーケストラ,久石譲+新日本フィルが特別参加する形をとります 新日本フィルが特別参加というのは理由がよく分かりません

 

       

 

今年のコンサートの目玉は7/27のチョン・ミョンフン+東京フィルによるベートーヴェン「交響曲第3番」「ピアノ協奏曲第3番」(P:清水和音)と,8/11の秋山和慶+東響によるラフマニノフ「交響曲第2番」「ピアノ協奏曲第3番」(P:反田恭平)くらいでしょうか N響と読響は例年通りポップス系のプログラムです.個人的には純クラシック・プログラムを望みたいところです

 

       

 

       

 

       

 

       

 

       

 

       

 

       

 

                  

 

昨日,文京シビックホールで「オーケストラの日」第11回公演を聴きました なぜ3月31日が「オーケストラの日」なのか?というと,下のチラシにあるように3.31は「ミミにいちばん」だからだそうです.何だかな~

さて,プログラムは①シベリウス:交響詩「フィンランディア」,②同「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」,③ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」全曲(1919年版)です ②のヴァイオリン独奏=スヴェトリン・ルセフ,管弦楽=オーケストラの日 祝祭管弦楽団,指揮=現田茂夫です

 

       

 

自席は1階23列17番,センターブロック左通路側です.会場は8割以上入っている感じでしょうか 通常のコンサートと違って親子連れが目立ちます

この日演奏するオーケストラは,首都圏12楽団の有志から成る管弦楽団で,この日の午前11時15分に初顔合わせをしてリハーサルをこなし,午後3時から本番に臨んだという驚くべき臨時編成オーケストラです コンマスはN響コンマスの伊藤亮太郎,第2ヴァイオリン首席は東響の清水泰明,チェロ首席は日本フィルの菊池知也,ヴィオラ首席は読響の柳瀬省太といった具合に,在京オケの首席クラスが揃っています 全体を見渡したところ顔と名前が一致するのはN響,読響,東響,新日本フィルを中心に15人ほどです

1曲目はシベリウスの交響詩「フィンランディア」です この曲は先週 東京シティ・フィルで聴いたばかりです 1899年,フィンランドが帝政ロシアの支配下に置かれていた頃,ロシアに抗議する意味合いで作曲されました.フィンランドの第2の国家とも言われる曲です 重苦しい音楽で開始されますが,次第にフィンランド国民の勝利が高らかに奏でられます

2曲目はシベリウスの「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」です この曲は1905年に最終稿が完成した難曲中の難曲です.シベリウス自身がウィーン・フィルのオーディションを受けたほどヴァイオリンの名手だったこともあり,相当技巧的に難しい曲です 第1楽章「アレグロ・モデラート」,第2楽章「アダージョ・ディ・モルト」,第3楽章「アレグロ・マ・ノン・タント」の3つの楽章から成ります

1976年ブルガリア生まれのスヴェトリン・ルセフが登場し,現田茂夫の指揮で(この人はタクトを使用しない)第1楽章に入ります.ルセフのヴァイオリンが弱音で入ってきますが,この弱音が決して「弱い音」ではなく,会場の隅々まで届く力を持っています それもそのはず,彼の使用楽器は1710年製ストラディヴァリウス「カンポセリーチェ」です.ルセフは北欧の澄んだ空気を連想させるような爽やかな演奏を展開します 超絶技巧の長いカデンツァも何の苦労も見せずにサラッと演奏し,聴衆を唖然とさせます 第2楽章の緩徐楽章での抒情的な演奏を経て,第3楽章では軽快なテンポで躍動感豊かに作曲者の喜びを歌い上げます

会場一杯の拍手に応えて ルセフは,何とオーケストラ伴奏付きで,チャイコフスキーの「懐かしい土地の思い出」から第3曲「メロディー」を爽やかに演奏し 再度大きな拍手を受けました

 

       

 

休憩後は,ストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」組曲(1919版)です この曲はロシア・バレエ団のために作曲したバレエ三部作「火の鳥」「ぺトルーシュカ」「春の祭典」の最初の曲です.オリジナル版は演奏時間が長かったこともあり,編成も演奏時間も縮小した「組曲」版が作られたのでした

この曲で一番有名な「魔王カスチェイたちの凶暴な踊り」で,いきなり「ドン」とオケの総奏が鳴らされた時,自席の2つ前の列の小学生の女子二人が,ビクッとして腰を浮かせ,顔を見合わせていました 普段 聴き慣れない小学生には刺激が強すぎたかも 大団円のフィナーレは鮮やかでした

この日の演奏で 何よりも驚いたのは,所属するオケが異なる90人近い演奏者が,たった1回だけの演奏のために集まり,その日のうちにリハーサルを行い 本番に臨み,人を感動させる演奏が出来るということです  幕間のインタビューでコンマスの伊藤亮太郎が「今日が初顔合わせですが,各人がアンテナを張って演奏に臨みました」と言っていましたが,いかにプロの演奏者たちが普段から意識的に音楽に向き合っているかということを知らされたように思います そういう意味で,この日のコンサートは有意義なものがありました

アンコールは,ウィーン・フィルの向こうを張って,聴衆参加型楽曲で有名なJ.シュトラウス1世の「ラデツキー行進曲」が演奏され,手拍子に続く大きな拍手の中でコンサートを閉じました 親子連れが多いコンサートだっただけに,楽しく終われて良かったと思います 小さい時からクラシック好きを増やさないとね

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