「人類の進化」　「フロー」体験

2017年08月03日 10時58分00秒 | 社会・文化・政治・経済
若者が希望を持って生きていくために、何が必要か？
特に大切なのは「仕事」と「家庭」の中で、どれだけ「フロー」を体験できるかです。
そこでの「フロー」体験が、人生の充実度を決めるかです。
「フロー」とは、人間がその時にしていることに完全に集中し、自分の能力を最大に発揮している状態。
どのような姿勢で仕事に臨むのか。
仕事の失敗や成功の経験から、自分が何を学んだのか。
こういった視点を持っていることが、仕事で「フロー」を経験している人の共通てんです。
また、人生をより充実させる上で大切なことは、「家族」との時間の共有です。
「フロー」は生み出されるには、1）目標が明確である2）行動に対する評価がある3）課題の難しさと対応するスキル（技能）のバランスが取れているーなどです。
現代社会は、物質的豊かさを享受している半面、不安が無力感に覆われています。
その原因を究明しつつ、人間が「フロー」を体験するような場を社会が提供し、創造性が発揮される方向へと転換していくことが必要でしょう。
「フロー」体験によって、人類は「進化」進化します。
「進化」とは「独自性」「個性」
「統合化」とは「内的調和」です。
「人類の進化」とは、個々の人間が、この二つの相反する働きを両立させ、バランスよく能力を発揮していくことｄす。
私たちは「文化」を築いてきました。
文化は人類の「経験の質」を高めるものです。
文化によって、人類は１段と進化してきたといえます。
人類が発見し、その形態として残っているのが文化です。
文化の継承とは「人類の進化の継承」でもあるのです。
文化と宗教は密接した関係にあり、人間の進化においても、宗教は極めて重要な役割を果たしてきました。
いかに生きるべきか。
世界をどのような方向に導いていくか。
今こそ宗教が、こうした問いに真摯に向き合い、新たなビジョンを示すことが求められている。
いわんや、偏狭な宗教であれば、これから先、ますます淘汰されていくでしょう。
若者の創造性を育む社会環境として七つの要素を取り上げることができます。
１）訓練２）期待３）資源４）正当な評価５）希望６）機会７）報酬、です。
その上で、若者が環境に左右されることなく、創造性を磨くには、好奇心を持つことです。
日常の生活にある身近なことでいいのです。
興味を持つこと、関心を向けることです。
最も創造的な人々も、何気ないことに疑問を感じることが、創造性を培う出発点だったのです。
好奇心や興味は、「受動的」生き方からは生まれません。
創造は、たとえ困難であったとしても、価値ある何かを達成しようと自発的に努力し、身体と精神を働かせるときに発揮されるものです。
つまり、創造には「能動的」生き方という前提条件があります。
好奇心や興味も同様です。
ともすれば、恵まれない環境で育った人が、創造的人生を生きることがあります。
試練は、創造性を磨く力ともなりうるのです。
また、同じ価値観を持つ人々と時間を共有することが、創造性を伸ばすことにつながります。
ヨーロッパでは、大学がそのような場所でした。
二つのノーベル賞（化学・平和）を受賞しらライナス・ポーリング博士は、70歳から90歳の間の論文の数は、それ以前のどの20年間と比べても多いのです。
年をとるごとに創造性を増していく人は、現状に甘んじることなく「常に一つ上」の目標を目指し進み続けています。
その意味で、人生はとは＜戦いの連続＞といえりでしょう。
「人間」として成長していくために「子弟」は必要不可欠です。
ただ残念なことに、師として模範とできるような大人が少なくなっていることも事実です。
だからこそ、若い時に師と呼ぶこができる存在を持てることは、幸福といえます。
心理学者・ミハイ・チクセントミハイ博士（イタリア生まれ、元シカゴ大学教授、「フロー」概念の提唱者で、アメリカで最も注目される心理学者）