「お金をもらってください」メールは真っ赤なウソです
同様の事例を2020年12月に更新しました。ご参照ください。埼玉県
「当選しました」「お金をあげます」…詐欺メールに注意 (サイト内)
【相談事例】
携帯電話に「お金をもらってください」というメールが届いた。
「不倫相手の妻から手切れ金を500万円もらったが、持っているのが嫌なのであなたにもらってほしい」との内容。
お金を受け取るため誘導された出会い系サイトで、有料のポイント代を支払ってメールのやり取りをした。
口座番号を教えたり、会う約束をするため何回もメールを交わし高額なポイント代を支払った。しかし口座番号は伝わらず、待ち合わせしても来てくれない。いまだにお金はもらえず、サイトのポイント代で90万円も支払ってしまった。
お答えします
ここ数年、出会い系サイトで詐欺行為が横行しています。
携帯電話(スマートフォン)に「アドレス交換をしてくれたら3000万円あげる」、「相談相手になってくれたら1000万円譲ります」など、「お金をあげる」という内容でメールが届き、メールに記載されたURLをクリックすると出会い系サイトに誘導されます。出会い系サイトで有料のポイントを使い何度もやり取りをしますが、決してお金はもらえません。
「お金をもらってください」メールは、サイト業者のサクラが行っている可能性が高く、サイト業者はメール交換のたびに課金しており、消費者がメール交換をすればするほど収入が得られる仕組みになっています。このようなメールはお金をもらえるどころか、逆に出会い系サイトで高額なポイント代にお金を使わせるものなのです。いくらやり取りしても絶対にお金はもらえません。
消費者はクレジットカードで決済することができるため、気付かないうちに高額な利用料になってしまいます。また、ポイント代のほかさまざまな名目で費用を請求され続けて1000万円以上の高額被害になった事例もあります。
携帯電話やパソコンへの直接的なメール以外にも、SNSサイトのメッセージ欄、動画サイトでのコメント欄への書き込みなどから、出会い系サイトに誘導するケースも多く見られます。
消費者へのアドバイス
- 無料の懸賞サイトや占いサイトなどにメールアドレスを登録したことをきっかけに、メールが届くようになります。安易に無料サイトにアクセスしたり、個人情報を入力するのはやめましょう。
- 不審なメールが執拗に届いたら、迷惑メール防止手続やアドレスを変更しましょう
- 一旦、出会い系サイトでやり取りを始めると、支払ったポイント代を取り戻したい心理が働き、なかなかやめられなくなります。しかし、いくらやってもお金はもらえず、被害額がどんどん膨らみます。「話が違う」、「変だな」と思ったらすぐサイトの利用を中止してください。やめる勇気も大切です。
- だまされたと思った方は、メールの履歴や支払いに関する資料などの証拠を保全して消費生活センターに御相談ください。
- 詐欺だと思っても、支払ったお金を取り戻すのは非常に困難です。くれぐれも「お金をもらって」メールには関わらないようにしましょう。
困ったときや不安に思うことがありましたら、早めに最寄りの消費生活相談窓口にご相談ください。
「5億円もらえる」の連絡がきた!「当選」のSMSに電話をかけてみると…どんな詐欺が待っている?(上)
昨年12月末に「怪しいショートメッセージ(SMS)が届きました」との連絡を受けました。
その内容をみると「【ご当選確認お願い致します】新生活の味方に応援懸賞キャンペーン開催中♪」とあります。
ネットで、このSMSを調べてみると、多くの人のところに届いていることがわかりました。そこには「詐欺につながる」といった注意喚起はあります。しかし具体的にこの先にどのような危険が待ち受けているのか、それに関する記述は見受けられません。
さらに調べると、文面は若干違いますが、1年以上前から同じような「新生活の応援」を謳うSMSは届いているようです。
当選メッセージの行きつく先を、調べてみる必要がありそうです。
というのも、このところ「当選しました」のメール、メッセージを受けってからの高額な被害が出ているからです。
2021年10月、山口県に住む50代男性はスマホに届いた「3億円を送金する」のメールが届いたことをきっかけに、約400万円の電子マネーを騙しし取られています。
また、北海道に住む50代男性も「55億円を支援します」というメールをきっかけに、21年12月に被害に気づくまで、2年間にわたり、約350回も電子マネーを購入して1600万円の被害に遭っています。
なぜ、騙されるのだろうか?そう思われる方もいるかもしれません。
この辺りの事情を解明する必要がありそうです。
SMSの番号に、電話をかけてみると…
届いたSMS「【ご当選確認お願い致します】」の下には「今すぐプレゼント内容の当選確認」とあり、「090********」から始まる電話番号載っています。
女性の声で「確認が完了しました。ご登録ありがとうございました」という自動音声ガイダンスが流れます。
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「1億円あげますので受け取ってくださいDLIS・柳谷 智宣
2018年6月1日 06:00あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。
この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。
ある日、メールやSNSのメッセージで「1億円あげますので受け取ってください」という連絡が来る。金額は3000万円のこともあるし、100億円のこともある。ストーリーもさまざまだ。
「社会にいいことをしたいという善意からの提案です」とか「余命がほとんどなく家族もいないので、遺産を受け取って欲しい」といった内容。手が込んでいるものだと、タックスヘイブンにプールしてある企業の利益に調査が伸びそうなので、一度○億を送り、その後、半分だけ指定の口座に入金してほしい、残りは手数料で受け取ってくれ、といったストーリーになっている。
そして、以降のやり取りは、情報の漏えいを防ぐために、あるサイトで行いましょう、とURLが記載されている。開いてみると、有料のチャットサイト。ポイントを支払えば、メッセージの送受信をできる仕組みだ。
数億通もばらまくこの手のメッセージのうち、ごく一部の人は、とりあえず返信してみようと考える。たぶんあり得ないだろうが、話半分でももしかしたら、と思う。数百円の手数料を支払って半信半疑で返信するが、思いのほか真面目な長文の返信が来る。さらに返信すると、送金までの手順を説明される。数億もの現金をそのまま振り込むことができないという、本物の一般常識を使ったやり取りが始まる。その連絡をするためのポイントが数千円、数万円と課金されていく。もちろん、ユーザーも警戒はしている。もし、前金を要求されるようなことがあれば、詐欺なので撤退しようと、肝に銘じているのだ。
話は佳境に入り、相手は1円も要求してこない。これはもしかしたら、と期待度が少し上がる。チャットサービスの利用料金もかなりかさんでくるが、入金される金額と比べればはした金だ。
お分かりだろうか。このチャットサービスが詐欺の主体なのだ。もちろん、謎の大金持ちなど存在しない。しかし、ある程度課金して話が進んでしまうと、心理的にもう引き返せなくなってしまうのだ。とてもひどいネット詐欺だと言える。
ほかにもパターンがあり、有料のチャットサービスに引っ掛からなそうなら数千円分のAmazonギフトカードで相互確認を取りたいなどと言って、小金を詐取することもある。逆に、王道と言えるが、来週1億振り込むから、銀行を安心させるために明日500万円の保証金を振り込んでくれ、とメッセージが来ることもある。
こちらの対策は、「あり得ないことはあり得ない」と心を強く持つこと。そして、引っかかってしまったら、最初の段階で誰かに相談すること。もちろん、相手は「情報が漏えいしたらこの話は終わり」と予防線を張ってくるが、怪しいと思ったら信頼できる人に相談するようにしてほしい。
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DLIS(デジタルリテラシー向上機構)
高齢者のデジタルリテラシー向上を支援する団体で、現在、NPO法人の申請中です。今後は、媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行う予定となっています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。
そこで「もしもし、もしもし」と筆者は話しかけますが、返答はありません。
ほどなくして、一方的に電話が切れてしまいました。
どうやら、こちらの電話番号を把握することが目的のようです。
さて、どのような連絡がくるのでしょうか。
机の上にスマホを置いて、じっと待っていましたが、1時間、2時間たっても「当選した」という電話連絡はありません。
何度もSMSを確認しましたが、何も届きません。こちらの電話番号を取得して、後に悪用する。それだけが目的だったのでしょうか。
翌日の大晦日、朝早く起きて受信ボックスを見ると、メッセージが届いています。
「***********様でお間違いありませんか?」
11桁の私の電話番号が載っています。
その差出人をみると「V**B**」なる人物からです。
要約すると「国民の皆様を救済することを目的として、内閣府特命担当大臣を筆頭に厚生労働省を交え、数年前から実施された国民救済制度」だそうで、「全国民の皆様を一同に救済することはできませんが、毎月、数名~十数名の方々を順々に政府機関の規定規約に則り選出し、生活福祉金をお振込させて頂いている」とのことです。
どうやら、その5億円の生活福祉金を受け取れる救済制度の対象に、筆者が選ばれたようです。
そこには、お金を受け取った人たちの喜びのメッセージもあります。
ある男性は「私の幸せを分けてあげたいと思って、お話します。生活福祉金は本当に受け取れます」といい、別な女性は「5億円の無料振込、吉沢さんが叶えてくれました。生活福祉金が振込されて毎日が全然違う日々に変わりました。本当にありがとうございます」と書き込んでいます。
このお金を受け取るためには、「【5億円振込実行】のボタンを押して下さい」とありますので、押してみます。
すると、応募フォームのような画面が出てきたので、「よろしくお願いします」との文章を記載して、「メールを送信する」のボタンを押しました。
まもなくして、吉沢なる人物から「下記より進んでご対応下さい」とのSMSが届きましたので、URLをタップします。
すると、5億円の受け取り方法が載っています。
「銀行法施行令の規定に基づき、無料振込を行う為に口座登録を行う事が必要ですので、一度のみ口座登録費用として【3,000】円をコチラからチャージして下さい」