間違いの根源は「医療費亡国論」

2022年02月01日 06時24分22秒 | 医科・歯科・介護

2008年7月1日 一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会

大村 昭人 氏 帝京大学医学部名誉教授、同大学医療技術学部臨床検査主任教授

日本の医療制度にわざわいを招いたのは1983年、当時の厚生省保険局長・吉村仁氏が発表した「医療費亡国論」です。

少子高齢化が進展して社会保障費が増大すれば、経済を中心に日本の活性が奪われるという主張で、それに基づいた施策が展開されることになったのです。

ところが厚生労働省が94年に予測した2025年の医療費は141兆円だったのに、次々と下方修正されて2007年の予測では65兆円まで減っています。

また2000年を境に医師が過剰に転ずるという予測も、07年現在で日本の医師数は絶対数でOECD(経済協力開発機構)30カ国平均と比べて10数万人不足しています。このように医療費亡国論はその信頼性がぐらついているのです。

日本の医療はアクセス、コスト、質の点で非常に優れていますが、医療従事者の献身的な努力によって支えられてきました。

OECD加盟各国と比較して医師数や看護師数は圧倒的に少なく、特に米国に比べると病床数あたりの医師の数は約5分の1、看護師数は約6分の1しかありません。

医療は経済を発展させる原動力

このような「医療費削減」政策は、多くの国の方向とは逆行しています。

EU(欧州連合)の国々では、医療が経済活性化の要であることが認識されているのです。

EC(欧州理事会)の05年8月のレポートによると、EU諸国では医療への投資が経済成長率の16~27%を占めています。

EU15カ国に限ると、医療制度の経済効果はGDP(国内総生産)の7%に相当し、これを日本に当てはめてみると、年間35兆円ほどGDPを押し上げることになります。

EU諸国では医療・福祉は国の負債ではなく、経済発展の原動力と認識されています。

その具体例として、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、ノルウェーなど北欧の国々は、租税や社会保険料の国民負担率が非常に高いのに、医療福祉産業を育成しながら経済競争力では世界のトップ10を維持しています。

国の手厚い社会福祉政策の下で女性や高齢者、障害者も働く機会に恵まれ、それぞれ自立して社会に貢献しているのです。

いったん荒廃すると回復は困難
アメリカではレーガン政権時、民間医療保険(HMO)の自由化と市場原理を導入した結果、いま約4,700万人が保険未加入となっています。

同国では「マネジドケア」(管理医療)の名の下に民間保険の力が強大で、医療提供者(医療機関)の裁量権と患者の診療へのアクセスが大きく制限されています。

またイギリスでもサッチャー政権によって医療費抑制政策と市場原理が導入され、「入院・手術待ち1年以上」が当たり前になり、数年前のインフルエンザ流行時には多くの高齢者が入院できずに死亡しました。

その後ブレア政権が公的支出と医学部定員を50%増やす新政策に着手したが、改善されていません。医療制度はいったん荒廃すると、回復には膨大な支出・エネルギー・時間を要するのです。

日本は医療費抑制策を進める前に、一般会計の約3倍(225兆円)もある特別会計の無駄を省くのが筋というものです。

国が医療に投資して医療業界の雇用を増やし、また医療産業を活性化させれば、日本の経済力向上に貢献できるはずです。

薬品や医療機器の輸入承認を急げ

私は、欧米で安全性が確認されている医薬品や医療機器は自動的に承認すればよいと考えています。

これまで欧米からの輸入を申請する場合、書類作りなどに時間がかかり過ぎていました。人種差などはそれほど大きくないし、どんなに慎重に治験を行っても市場に出すと予想外の副作用は現れます。副作用は見つかった段階で迅速に情報を流して対応すればよいのです。

恩恵が受けられないまま亡くなっていく患者がいる現状は許せません。この改革は政治家が主導する必要があります。

また医療機器については、承認を遅らせている薬事法を改正し、医療機器を審査するスタッフを大幅に増やす必要があります。

医療機器で患者が障害を受けることはまれだし、ほとんどヒューマンエラーです。承認に手間取っているうちに、新しい機械も中古品同然になってしまいます。

日本は素晴らしい技術大国です。日本人の高い技術と能力を生かし、医療の多様な分野に積極的に投資すれば、医療の質が向上するだけでなく、日本経済に大きな波及効果をもたらし、日本の国力が増して国民の幸せにもつながります。

今すぐ“医療費亡国論”の呪縛から脱却して、「医療立国」をめざさねばなりません。


茨城・つくばみらい市 全国のひとり親支援 ふるさと納税 地元産米届ける

2022年02月01日 06時24分22秒 | 新聞を読もう

茨城・つくばみらい市 全国のひとり親支援 ふるさと納税 地元産米届ける
2022年1月9日(日) 茨城新聞

茨城県つくばみらい市は、ふるさと納税制度を使って、ひとり親家庭に米を届ける取り組みを始めた。新型コロナウイルス禍で困窮する家庭を支援するとともに、市内産米の知名度アップをすることが狙い。受け付けは今月末まで。

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子どもの貧困対策

国内の子どもの貧困対策事業「グッドごはん」


厚生労働省による「2019年国民生活基礎調査」によると、2018年度の子どもの貧困率は14%にものぼり、ひとり親世帯の子どもの貧困率は48.3%で、約2人にひとりです。
グッドネーバーズ・ジャパンは2017年9月より国内の子どもの貧困対策事業「グッドごはん」を開始し、ひとり親世帯への食品配付を行っています。

国内ひとり親家庭のフードバンク【グッドごはん】
「グッドごはん」は、ひとり親家庭を対象としたフードバンク事業です
「日本の子どもの7人に1人が貧困」これはニュースでも大きく報じられてきました。

この問題は、ひとり親家庭ではより深刻です。厚生労働省が2020年7月17日に公表した「2019年国民生活基礎調査」によると、2018年度の子どもの貧困率(新基準)は14%にものぼり、ひとり親世帯の子どもの貧困率は48.3%で、約2人にひとりが相対的貧困の状態です。

あなたにあった方法で、日本の子どもたちを支えてください
お金の寄付

例えば3,000円のご寄付で、1世帯分の食品(18,000円相当)をひとり親家庭に渡すことができます。

毎日の食事が子どもの成長を支え、しっかり勉強すること、元気に友だちと遊ぶことにつながります。

フードドライブ(食品の寄付)

フードドライブとは、家庭や企業、お店などで余っている食品を寄付すること、そしてその食品を必要としている人へ届ける活動です。
寄付していただいた食品は、「グッドごはん」を通して生活に困窮しているひとり親家庭へ届けられます。

このような食品を募集しています
白米(市販、3kg以下、精米後2年以内のもの)※玄米の受付は行っておりません
乾麺(うどん・素麺・パスタ等)
お菓子
調味料(醤油、食用油、味噌など)
瓶詰・缶詰・レトルト食品・インスタント食品
ギフトパック(お歳暮、お中元等、贈答品の余剰等)
飲料(ジュース、コーヒー、紅茶等) ※1L以下のもの 


つながり続ける こども食堂

2022年02月01日 05時51分45秒 | 社会・文化・政治・経済
 
湯浅 誠  (著)
 
無縁社会が進む日本の地域社会に「体質改善」もたらす。
 
★★★新聞、雑誌など多数のメディアで紹介されました。

◆「プレジデントオンライン」 著者インタビュー 6月22日
◆『東洋経済』書評欄 7月3日号
◆『サンデー毎日』著者インタビュー 7月3日
◆『エコノミスト』書評欄 7月16日
◆共同通信 書評 7月7日 配信
◆『毎日新聞』書評欄 7月17日 朝刊
◆『日経新聞』書評欄 7月17日 朝刊
◆『福井新聞』文化面 7月20日 朝刊
◆『東京新聞』書評欄 7月26日 朝刊
◆『中部経済新聞』書評欄 7月31日
◆『朝日新聞』 著者インタビュー 8月4日 夕刊2面
◆NHK ラジオ深夜便 著者インタビュー 9月18日
◆『読売新聞』 書評 9月26日 朝刊

他多数

人々の共感を得て、勝手に、爆発的に日本全国に増え続けた「こども食堂」。
数年でその数5000を超え、コロナ禍にも負けずになお広がり続けている。
人間関係が希薄になった無縁社会の中で、誰ともつながれずに孤立感を深める人が増えている。
子どもだけじゃない。若者も親も高齢者も……。
そんな時代だからこそ、誰にでも開かれた「こども食堂」は、地域の新たな多世代交流拠点として人々をつなぎ、現代人の居場所として注目されている。
全国のこども食堂を支援し続ける湯浅誠氏が、子ども食堂の現在とその可能性について書き上げた渾身のルポルタージュ。「みんな」を包み込める居場所がここにある。
 

著者について

湯浅誠
社会活動家。東京大学先端科学技術研究センター特任教授。全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長。1969年東京都生まれ。
東京大学法学部卒。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。
1990年代よりホームレス支援に従事し、2009年から足掛け3年間内閣府参与に就任。内閣官房社会的包摂推進室長、震災ボランティア連携室長など。法政大学教授(2014〜2019年)を経て現職。
政策決定の現場に携わったことで、官民協働とともに、日本社会を前に進めるために民主主義の成熟が重要と痛感する。
著書に、『子どもが増えた! 人口増・税収増の自治体経営』(泉房穂・明石市長との共著)『「なんとかする」子どもの貧困』『ヒーローを待っていても世界は変わらない』『反貧困』(第8回大佛次郎論壇賞、第14回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞)『貧困についてとことん考えてみた』(茂木健一郎と共著)など多数。
 
 
 
 
 

【新刊】写真ブックレット『マーシャル諸島に生きて』

2022年02月01日 05時51分45秒 | 社会・文化・政治・経済

第五福竜丸展示館から、新しいブックレット『マーシャル諸島に生きて-核実験の島、さんご礁の人びと』(写真・文 島田興生)が刊行となりました。

本書は第五福竜丸展示館発行の「福竜丸だより」に掲載されたフォト・ジャーナリスト島田興生さんの連載に加筆、再構成したものです。78点の写真とともに、半世紀に及ぶマーシャル諸島との交流を描きました

『マーシャル諸島に生きて 核実験の島、サンゴ礁の人びと』

著者 島田興生/編集・発行 第五福竜丸平和協会

ブックデザイン 上浦智宏(ubusuna)

B5版カラー60ページ

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ビキニ環礁 (ビキニかんしょう、Bikini Atoll)は、 アメリカ合衆国 による第二次世界大戦後の最初の 核実験 ( 原子爆弾 実験)が行われた 環礁 である。 現在は マーシャル諸島共和国 に属する。 また、この原子爆弾の実験が由来となって 水着のビキニ の名称が生まれた(後述)。

ビキニ島 とも呼ばれ 、 第二次世界大戦 前の日本の 海図 には ピキンニ島 と記述されている例もある 。 23の島嶼からなり、礁湖の面積は594.1平方キロメートル。 1946年 から 1958年 にかけて、 太平洋核実験場 の一つとして アメリカ合衆国 が23回の 核実験 を行った 。 2010年、 第34回世界遺産委員会 において、 ユネスコ の 世界遺産 リスト( 文化遺産 )に登録された 。

ビキニ環礁核実験場は、1946年から1958年にかけて太平洋核実験場の一つとしてアメリカが67回もの核実験を行ったビキニ環礁にあります。

1946年にアメリカは、ビキニ環礁を核実験場に選び、170人もの住人を無人島へ強制移住させましたが漁業資源などが乏しく、住人は飢餓に直面してしまいました。

1946年7月に2度行われた最初の核実験は、クロスロード作戦と呼ばれる大小71隻の艦艇を標的とする原子爆弾の実験で、これはニューメキシコ、広島、長崎に続く、史上4番目と5番目にある核爆発でした。

主要標的艦の中には、第二次世界大戦で接収した日本海軍の戦艦であった「長門」も含まれており、その他にも、アメリカ海軍の「ネバダ」、「アーカンソー」、「ニューヨーク」などがあります。

1954年にアメリカが計6回の核実験を行ったキャッスル作戦では、3月1日にブラボー実験と呼ばれる広島型原子爆弾の1,000個分もの爆発力をもつ水素爆弾が炸裂し、深さ約120m、直径約1.8kmのクレーターが形成されました。

さらに約1000隻以上の漁船が「死の灰」と呼ばれる放射能を含んだ珊瑚の粉を浴びて被爆し、その漁船の中には日本のマグロ漁船「第五福竜丸」も含まれています。漁船だけではなく、ビキニ環礁から240kmほど離れているロンゲラップ環礁の島民64人も被爆しました。

現在のビキニ環礁の放射線濃度は、居住することはできませんが観光などの短期滞在ではほとんど問題のないレベルです。

     
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