取手競輪場 読売新聞社杯全日本選抜競輪 

2022年02月17日 14時17分57秒 | 新聞を読もう

2月20日より4日間の日程で行われる

今年初のG1戦線が取手競輪場を舞台に幕が開ける。第37回読売新聞社杯・全日本選抜競輪が2月20日より4日間の日程で行われる。早くも年末のグランプリの切符を賭けた熱戦が繰り広げられそうだ。

今年初のG1戦 勢いづく関東勢が強い絆を示す

平原 康多
郡司 浩平
古性 優作

関東地区の取手競輪場で行われるG1だけに、関東勢は他地区にタイトルは譲れないところ。V筆頭には、2017年取手競輪で行われた、同開催・全日本選抜競輪覇者の平原康を推す。昨年末の静岡GPでは惜しくも準Vだった平原だが、宿口陽や吉田拓などがS班となり平原を取り巻く環境は一段と良くなってきている。自力も打てる、番手のレースもこなせる平原に絶好の流れとなりそうだ。

南関地区からは大会連覇を狙う郡司浩が優勝戦線に名乗りを上げそうだ。郡司は昨年の取手70周年記念で優勝していて当初との相性は言うまでもなく抜群。深谷知や松井宏との連係を生かしてV戦線に躍り出よう。

昨年末に悲願のグランプリを制覇した古性優も見逃せない存在だ。脇本雄が今節は不在とあって、やや心許ない印象があるが、勝ちに対する並々ならぬ執着心と類い希なレースセンスを生かして上位進出を目論む。さらに野原雅や寺崎浩などの機動型との連係が叶えば2回目のG1優勝もグッと近くなる。


電子ウイルス エモテットに注意を

2022年02月17日 13時44分30秒 | 事件・事故

「Emotet(エモテット)」と呼ばれるウイルスへの感染を狙うメールについて

最終更新日:2022年2月9日
独立行政法人情報処理推進機構
セキュリティセンター

(2019年12月2日)
「Emotet」(エモテット)と呼ばれるウイルスへの感染を狙う攻撃メールが、国内の組織へ広く着信しています。特に、攻撃メールの受信者が過去にメールのやり取りをしたことのある、実在の相手の氏名、メールアドレス、メールの内容等の一部が、攻撃メールに流用され、「正規のメールへの返信を装う」内容となっている場合や、業務上開封してしまいそうな巧妙な文面となっている場合があり、注意が必要です。今後も同様の手口による攻撃メールが出回り続ける可能性があるため、事例と手口を解説するとともに、対策や関連情報を紹介します。

(2022年2月9日)
最近、Emotetの攻撃に関して、情報セキュリティ安心相談窓口に対する被害の相談が増えてきており、日本国内の組織におけるEmotetへの感染が再び増えていると考えられ、警戒が必要な状況です。詳しくは「Emotetの攻撃活動の急増」を参照してください。
※「URLリンクを悪用した攻撃メールの例」を追記しました。(2019年12月11日)
※「新型コロナウイルスを題材とした攻撃メールの例」を追記しました。(2020年1月30日)
※「攻撃再開の観測状況」を追記しました。(2020年7月28日)
※「相談急増/パスワード付きZIPファイルを使った攻撃の例」を追記しました。(2020年9月2日)
※「年末時期に合わせた攻撃の再開」を追記しました。(2020年12月22日)
※「Emotetのテイクダウン(停止措置)について」を追記しました。(2021年5月27日)
※「Emotetの攻撃活動再開について」を追記しました。(2021年11月16日)
※「攻撃活動再開後の状況/被害相談の例」を追記しました。(2021年12月9日)
※「Emotetの攻撃活動の急増」を追記しました。(2022年2月9日)

概要

 Emotetは、情報の窃取に加え、更に他のウイルスへの感染のために悪用されるウイルスであり、悪意のある者によって、不正なメール(攻撃メール)に添付される等して、感染の拡大が試みられています。

 Emotetへの感染を狙う攻撃メールの中には、正規のメールへの返信を装う手口が使われている場合があります。これは、攻撃対象者(攻撃メールの受信者)が過去にメールのやり取りをしたことのある、実在の相手の氏名、メールアドレス、メールの内容等の一部が流用された、あたかもその相手からの返信メールであるかのように見える攻撃メールです(*1)。このようなメールは、Emotetに感染してしまった組織から窃取された、正規のメール文面やメールアドレス等の情報が使われていると考えられます。すなわち、Emotetへの感染被害による情報窃取が、他者に対する新たな攻撃メールの材料とされてしまう悪循環が発生しているおそれがあります。

 なお、正規のメールへの返信を装う手口の事例はこの他にもあり、例えば2018年11月、Emotetとは異なるウイルスへの感染を狙う日本語の攻撃メールでも悪用されたことを確認しています(*2)。今後もこの手口は常套手段となりうることから、注意が必要です。

 本ページでは、攻撃メールや添付されている不正なファイルの例、対策、関連情報について説明します。

Emotetのテイクダウン(停止措置)について(2021年5月27日 追記)

 2021年1月27日、EUROPOL(欧州刑事警察機構)が、欧米8カ国の法執行機関・司法当局の協力により、Emotetの攻撃基盤(ウイルスメールをばらまいたり、感染したマシンを操作するための機器等)をテイクダウンした(停止させた)と発表(*6)しました。その後、IPAでもEmotetに関する情報の提供や観測が徐々に少なくなり、Emotetによる攻撃や被害が停止あるいは大幅に減少したことを確認しています。

 また、JPCERT/CCのレポート(*7)によると、Emotetは、感染端末の時刻が2021年4月25日 12:00になると停止する機能が加えられた、無害化ファイルへと自動的に更新されており、2021年4月26日以降、日本におけるEmotetの感染はほぼ観測されなくなったとのことです。

 Emotetに関する脅威は後退しましたが、Emotet以外のウイルス感染を狙った類似の攻撃は、現在も続いていることを確認しています。今後もウイルス感染を狙った攻撃メールには注意が必要です。

Emotetの攻撃活動再開について(2021年11月16日 追記)

 2021年11月14日頃から、Emotetの攻撃活動再開の兆候が確認されたという情報があります(*8)。また、Emotetへの感染を狙う攻撃メール(Emotetの攻撃メール)が着信しているという情報も複数観測している状況です。

 IPAでは、攻撃メールに添付されていたと思われるWord文書ファイルとExcelファイルを入手し、確認しています。これらは悪意のあるマクロ(プログラム)が仕込まれたもので、今年1月までの攻撃と同様の手口です。引き続き、特にメールを経由して入手したOffice文書ファイルについて、信用できると判断できる場合でなければ、「編集を有効にする」「コンテンツの有効化」というボタンはクリックしないよう注意してください。

 今後、攻撃メールの大規模なばらまきに発展する可能性もあります。2019年から2020年にかけ、多くの企業・組織が被害に遭いました。念のため、警戒をお願いします。

攻撃メールとその手口

 現在確認されているEmotetの攻撃メールで、特に注意を要すると思われる、「正規のメールへの返信を装う手口」の例を示します(図1)。この例は、攻撃メールの受信者(仮にA氏と呼びます)が取引先に送信したメールが丸ごと引用され、返信されてきたかのように見える内容で、ウイルスが添付され、A氏へ送り付けられてきたと思われる状況の攻撃メールです。

 メールの差出人(From)は、A氏がメールをやり取りした相手になりすましています。件名や、メール末尾の引用のような部分では、A氏が実際に送信したと思われるメールが流用されており、全体的に、返信メールのように見せかけています。この例では、メールの本文として「中です。取り急ぎご連絡いたします。」という、やや不完全な文章が攻撃者によって付け加えられています。

 添付されているWord文書ファイルは、利用者のパソコンへEmotetを感染させるための機能を持った不正なファイルです。メールが送られてきたタイミングや内容に多少の違和感があったとしても、自分が実際に送信したメールへの返信に見えた場合、相手から何が送られてきたのかと、添付ファイルを開いて確認しようと考えてしまう可能性があります。

図1

図1 Emotetへの感染を狙う攻撃メールの例


 この攻撃メールの不正な添付ファイルを開くと、MicrosoftやOfficeのロゴ等と、数行のメッセージが書かれた文書が表示されます(図2)。現在IPAが確認している範囲では、一連のEmotetの攻撃メールへ添付されているWord文書ファイルは、見た目(デザイン等)には数種類のバリエーションがあるものの、次の点が共通しています。
<menu>
  • Office等のロゴと共に、英語で「文書ファイルを閲覧するには操作が必要である」という主旨の文と、「Enable Editing」(日本語版Officeでは「編集を有効にする」)と「Enable Content」(日本語版Officeでは「コンテンツの有効化」)のボタンをクリックするよう指示が書かれている。
  • 文書ファイル内に悪意のあるマクロ(プログラム)が埋め込まれている。マクロには、外部ウェブサイトに設置されたEmotetをダウンロードし、パソコンに感染させる命令が書かれている。ダウンロード先のウェブサイト(URL)は一定ではなく、日々変化する。
  • </menu>
    図2


     Microsoft Office内の「マクロの設定」という項目を変更している場合を除き、この手口の不正ファイルでは、基本的にはファイルを開いただけではウイルスに感染することはありません。安全のため、文書ファイル内に埋め込まれているマクロの動作が止められているためです。しかし、利用者がマクロの実行等を許可する操作を行った場合は、悪意のあるマクロが動作し、ウイルスに感染させられてしまいます。

     具体的には、「コンテンツの有効化」ボタンをクリックすると、マクロの動作を許すことになります。また、添付ファイルを開いた状況により、その前に「編集を有効にする」というボタンが表示される場合がありますが、その際は両方をクリックするとマクロの動作を許すことになります。すなわち、このファイルに表示されている、「文書ファイルを閲覧するには操作が必要」というメッセージは、利用者を騙し、最終的に「コンテンツの有効化」ボタンをクリックさせるための罠です。

     Emotetに限らず、同様の騙し方を試みる悪意のあるOffice文書ファイル(WordやExcel等)は、長期に渡り継続的に出回っており、日本語で操作の指示が書かれている場合もあります(*3)。画面に表示された内容に惑わされず、入手したファイルが信用できるものと判断できる場合でなければ、「編集を有効にする」「コンテンツの有効化」というボタンはクリックしないよう注意してください(図3)。

    図3


     今後、攻撃の手口は変化する可能性がありますが、Emotetに限らず、メールと添付ファイルを使った攻撃に対し、基本的に実施すべき対策は共通しています。下記「対策」を参照してください。

     企業・組織等へのEmotetの攻撃メールの着信状況として、IPAは次に挙げるような報告を受けています。システム管理部門等においては、攻撃メールの内容が様々であることに加え、攻撃が一様ではなく、ムラや偏りがある可能性に留意してください。
    <menu>
  • メールや添付ファイルをシステムで検疫(ブロック)できる場合と、検疫できずに利用者の手元まで配送されてしまう場合がある(セキュリティソフトがウイルスを検知できるようになるまでタイムラグが生じる)。
  • ある組織においては、25日間で合計100通あまりの着信があったが、全てセキュリティ製品によって配送を止めることができた。メールが着信しない日や、1通のみ着信した日もあれば、40通以上着信した日もあった。
  • ある組織においては、組織内の同一人物に対し、攻撃メールが短期間で繰り返し送り付けられた。具体的には、11月27日から29日の3日間にかけて、本文や添付ファイル名が変化しながら、7回(7通)着信した。かつ、これらのメールはシステムによる検疫をすり抜け、当該職員まで配送された。
  • </menu>

    URLリンクを悪用した攻撃メールの例(2019年12月11日 追記)

     2019年12月10日頃から、不正なWord文書ファイルが添付されている攻撃メールとは異なり、「日本語のメール本文中に不正なURLリンクが記載された、Emotetの攻撃メール」が着信しているとの報告を受けています。

     現時点で確認しているのは「賞与支払届」という件名のメールです(図4)。メールの本文は複数のパターンが存在し、今後、件名・本文ともに更に巧妙化していく可能性があります。本文中にURLリンクが書かれており、このリンクをクリックすると、外部ウェブサイトに設置された、不正なファイルがダウンロードされます。

     IPAで確認できた範囲においては、ダウンロードされる不正ファイルは、これまでの攻撃メールに添付されていたものと同様、悪意のあるマクロ(プログラム)が埋め込まれている、Emotetへの感染を狙うWord文書ファイルです。この種の不正ファイルへの注意点等は、前述した通りです。

     攻撃の手口は変化しても、多くの場合、基本的な対策を徹底することで被害を避けることができます。Emotetに限りませんが、攻撃メールに騙され、メールの添付ファイルやURLリンクを開き、ウイルスに感染させられてしまう可能性は誰にでもありえます。そして、ウイルスにより、メールの受信者のみならず、所属する企業・組織にとっても重大な被害をもたらす可能性があります。システムやセキュリティソフトでの対策が回避されてしまう(手元に攻撃メールが届いてしまい、検知もされない)場合もあるため、一人ひとりが注意するよう心掛けてください。また、不審なメールを受信した場合、システム管理部門へ連絡する等、情報を共有し、組織的に対応してください。

    図4

    新型コロナウイルスを題材とした攻撃メールの例(2020年1月30日 追記)

     Emotetの攻撃メールについて、件名や本文等が変化しながら断続的にばら撒かれていることを確認しています。2020年1月29日、「新型コロナウイルス」に関する情報を装う攻撃メールの情報提供がありました(図5)。メールの内容は一見して不審と判断できるほどの不自然な点は少なく(*5)、注意が必要です。なお、添付されていたファイルは、上記「攻撃メールとその手口」で説明しているものと同等の、悪意のあるマクロが仕込まれたWord文書ファイルでした。

    図5

    図5 新型コロナウイルスを題材とした攻撃メールの例(2020年1月)

     上記「URLリンクを悪用した攻撃メールの例」で示した通り、2019年12月の時点では「賞与支払届」という攻撃メールを確認しています。この攻撃者は、日本国内の利用者の興味・関心を惹く内容とタイミングを十分に計った上で、攻撃を繰り返していると考えられます。今後も同様の攻撃が続く可能性が高く、受信したメールに興味を惹かれて添付ファイルやURLリンクを開く前に、このメールは攻撃ではないか、一度立ち止まって考えることを心がけてください。

    攻撃再開の観測状況(2020年7月28日 追記)

     2020年2月上旬以降、Emotetの攻撃メールが観測されない状態が続いていましたが、7月中旬から、攻撃活動が再開しています。攻撃の手口はこれまでと大きくは変わらないため、受信したメールに添付されたWord文書ファイル等が信頼できるものと判断できない限り、「コンテンツの有効化」ボタンをクリックしないよう、引き続き注意してください(図6)。

    図6


     公開情報上では、次のようなメール件名・添付ファイル名が観測されています(これが全てではなく、また、今後もバリエーションが増える可能性があります)。また、不正なWord文書ファイルが直接メールに添付されている手口のほか、ファイル形式が異なったり、URLリンクから不正なWord文書ファイルをダウンロードさせる手口も観測されています。
    • 請求書の件です。
    • ご入金額の通知・ご請求書発行のお願い
    • 会議への招待
    • ドキュメント
     なお、IPAでは、7月20日頃、ある国内企業のメールアカウントが攻撃者に悪用され(乗っ取られ)、外部へEmotetの攻撃メールがばら撒かれてしまったという事案も確認しています。2020年2月以前にEmotetへ感染していた場合、その時に窃取されたIDとパスワードが今後も悪用される可能性があります。被害の拡大を防ぐため、システム管理部門等においては、改めて職員へ不審なメールへの注意を呼びかけるとともに、メールアカウントが不正に使用された場合は、速やかに停止できるよう留意してください。

    相談急増/パスワード付きZIPファイルを使った攻撃の例(2020年9月2日 追記)

     Emotetの攻撃メールが継続して確認されているとともに、IPAへの相談が急増しています。情報セキュリティ安心相談窓口では、2020年7月~8月の2ヶ月でEmotetに関連した相談は34件あり、更に、2020年9月1日から9月2日の午前中だけで、Emotetへ感染してしまったという相談や、メールアカウントが攻撃者に悪用され(乗っ取られ)、外部へEmotetの攻撃メールがばら撒かれてしまったという相談が23件と急増しています。多数の国内企業・組織で被害が発生している可能性があり、改めて注意を呼びかけます。

     2020年9月1日に確認された攻撃メールでは、「協力会社各位」という書き出しで始まっており、業務に関係があるものかと添付ファイルを開いてしまいかねない本文となっていました(図7)。メールに添付されていたWord文書ファイルは、これまで同様、悪意のあるマクロが仕掛けられているものでした。Word文書ファイル等が信頼できるものと判断できない限り、「コンテンツの有効化」ボタンをクリックしないよう、引き続き注意してください。このほか、「消防検査」「ご入金額の通知・ご請求書発行のお願い」「次の会議の議題」「変化」といった件名・添付ファイル名が確認されています。

    図7


     更に、2020年9月2日、「パスワード付きのZIPファイルを添付したEmotetの攻撃メール」(図8)を確認しました。この手口では、添付ファイルが暗号化されていることから、メール配送経路上でのセキュリティ製品の検知・検疫をすり抜け、受信者の手元に攻撃メールが届いてしまう確率が高く、より注意が必要です。ZIPファイルの中には、これまで同様、悪意のあるマクロが仕掛けられたWord文書ファイルが含まれています(図9)。このWord文書ファイルの「コンテンツの有効化」ボタンをクリックすると、ウイルスに感染させられてしまいます(図10)。

    図8


     被害の拡大を防ぐため、システム管理部門等においては、Emotetの攻撃メールへ警戒するとともに、改めて職員へ不審なメールへの注意喚起、メールアカウントが不正に使用された場合の速やかな停止などの対応を実施してください。

    年末時期に合わせた攻撃の再開(2020年12月22日 追記)

     Emotetの攻撃メールについて、2020年10月末から観測されない時期が続いていましたが、2020年12月21日から、年末の時期に合わせたような件名・添付ファイル名での攻撃を確認しました。具体的には「クリスマス」や「賞与支給」といったキーワードが使われているとの情報があります。

    また、英語の文面では、コロナウイルス感染症を題材としたメールも出回っているという情報があります。Emotetに限らず、ばらまき型メールでは、注意を惹く件名などによって、添付ファイルやURLリンクを受信者に開かせようとしています。現時点で確認している限り、ウイルスに感染させる手口(Word文書ファイルのマクロ機能の悪用)は本ウェブページに掲載した過去の攻撃と同等です。攻撃は今後も継続すると考えられ、引き続き警戒をお願いします。

    攻撃活動再開後の状況/被害相談の例 (2021年12月9日 追記)

     2021年11月からEmotetの攻撃活動が再開し、ウイルスに感染させる手口に変化がありつつ、12月現在も攻撃が継続しています。また、少数ながら企業等からIPAへ被害の相談が寄せられています。今後、再び被害が拡大していく可能性があり、改めて注意を徹底していただくようお願いします。
     ここでは、実際の相談の例と、新たな攻撃手口である "Excelファイルの悪用" と "PDF閲覧ソフトの偽装" について紹介します。

    【被害相談の例】

    • 取引先からのように見えるメールが相談者に着信した。数ヶ月前に実際にその相手とやりとりしたメールが引用され、Excelファイルが添付されていた。
    • 変だとは思ったものの、わざわざ電話して確認するのはためらわれた。過去にExcelファイルを受け取ったことはあり、急ぎの用件かと考え、まず内容を確認しようとファイルを開いてしまった。特に意識せず「コンテンツの有効化」ボタンもクリックしたと思う。
    • 翌日、別の取引先や知人から、相談者を詐称した不審メールが送られていると連絡を受け、ウイルス感染被害に気付いた。

    (IPA補足)
     この相談は12月に入ってから寄せられたものです。
     攻撃者が、「ウイルスによってメールを盗み、そのメールの関係者にウイルスメールを送信。攻撃が成功したら、そこからまたメールを盗み、そのメールの関係者を攻撃する」という手口を繰り返して、攻撃対象を拡大している様子が窺えます。これは2019年頃に国内企業・組織へ多数の被害をもたらした手口です。

    繰り返しとなりますが、Emotetの攻撃では、過去にやり取りされたメールが攻撃者に盗まれ、その内容やメールアドレスが転用されて、ウイルスメールとして送られてくることがあります。重要な顧客や取引先、あるいは知人からのメールに見えても、すぐに添付ファイルやURLリンクは開かず、本物のメールであるか落ち着いて確認してください。また、必要に応じ、確実な手段で送信元へ問い合わせてください。
     安易に添付ファイルを開くなどしてウイルスに感染すると、メールが盗まれたり、それを悪用して取引先へ攻撃が行われたりといった事態になりかねません。Emotetから別のウイルスへ感染させられると、ランサムウェアなどによる大きな被害となる可能性もあります。

    【Excelファイルを悪用する手口】

     Excel形式のファイルが攻撃に使われるようになりました。Word文書ファイルと同じく、悪意のあるマクロが仕込まれており、利用者に「コンテンツの有効化」ボタンをクリックさせることで、ウイルスに感染させる仕組みです。対策もWord文書ファイルと同じです。当該ボタンをクリックしないよう注意してください。

    【PDF閲覧ソフトを偽装する手口】

     2021年11月以降、Office文書ファイルのマクロ機能を悪用するものとは異なる手口が確認されています。メール本文中のURLリンクをクリックすると、閲覧可能なPDF文書ファイルが存在するかのような画面(攻撃者の用意した偽のウェブサイト)へ誘導されます。そこでPDF文書ファイルの閲覧ソフトを装ったウイルスファイルをダウンロードさせ、利用者の手で実行させるという手口です。
     偽のウェブサイトの見た目や、ダウンロードさせられるファイルの種類など、細かい手口は変化していく可能性があります。基本的な対策として、安全であると判断できない場合、ダウンロードされたファイルを開いたり実行する操作をしないことが重要です。
    Emotetの攻撃活動の急増 (2022年2月9日 追記)
     2021年11月から再開したEmotetの攻撃活動が、2022年2月に入り急増しています。情報セキュリティ安心相談窓口には2月1日から8日までの間に45件のEmotetに関する相談があり、これは相談や被害の最悪期であった2020年9月~11月に匹敵するペースです。国内企業・組織からも、感染被害が次々と公表されています。

     Emotetの攻撃メールの手口については、Excelファイルのマクロ機能の悪用、パスワード付きZIPファイルの悪用が目立つものの、大きな変化はありません。本ウェブページの内容を改めて参照し、注意してください。

     参考までに、図15は2021年11月から2022年2月までにIPAで確認した、Emotetの攻撃メールの一例です。これら以外にも様々なパターンのメールは存在し、いずれも添付ファイルの開封やURLリンクのクリックを誘導する内容となっています。

    繰り返しになりますが、Emotetは感染した端末のメール情報を盗み、メール本文やメールアドレスを転用した攻撃メールがばらまかれます。感染被害が連鎖的に次の企業・組織へ拡がっていくため、社会全体で感染被害をこれ以上拡げないようにする必要があります。見知った相手からのメールに見えても、すぐに添付ファイルやURLリンクは開かず、システム部門への相談、または確実な手段での送信元への確認といった対応をしてください。

    攻撃メールの文面の例

     Emotetの攻撃メールについて、状況の一端を示す補足情報として、この攻撃者が使用してきている日本語の文面の例を紹介します(*4)

     図1で攻撃メールの例を示しましたが、件名や文面が受信者と全く関係のないケースや、引用部分の存在しないケース等も存在します。更に、「攻撃者が付け加えた文章」の部分については、文章が存在しないケースがある一方、バリエーションも多数存在します(図16)。多くは1行から3行程度で、やや不自然な文面となっています。


    更に、11月28日頃から、IPAへ情報提供されたEmotetの攻撃メールにおいて、「正規のメールへの返信を装う」手口とは異なり、業務上開封してしまいそうな本文とともに、「請求書」といった日本語の添付ファイル名が使われた事例を確認しています(図17)。今後、メールの文面等は、よりパターンが増える等、巧妙化が進む可能性があり、注意が必要です。

    対策
     Emotetへの感染を防ぐというためだけにとどまらず、一般的なウイルス対策として、次のような対応をすることを勧めます。
    <menu>
  • 身に覚えのないメールの添付ファイルは開かない。メール本文中のURLリンクはクリックしない。
  • 自分が送信したメールへの返信に見えるメールであっても、不自然な点があれば添付ファイルは開かない。
  • OSやアプリケーション、セキュリティソフトを常に最新の状態にする。
  • 信頼できないメールに添付されたWord文書やExcelファイルを開いた時に、マクロやセキュリティに関する警告が表示された場合、「マクロを有効にする」「コンテンツの有効化」というボタンはクリックしない。
  • メールや文書ファイルの閲覧中、身に覚えのない警告ウインドウが表示された際、その警告の意味が分からない場合は、操作を中断する。
  • 身に覚えのないメールや添付ファイルを開いてしまった場合は、すぐにシステム管理部門等へ連絡する。
  • </menu>
     また、WordやExcelのマクロ機能に関する設定の変更、Emotetに感染した場合の影響等については、下記 JPCERT/CC から公開されている注意喚起及びFAQを併せて参照してください。

     

    【S級戦展望】22年最初のタイトル争いは激戦必至

    2022年02月17日 13時39分41秒 | 未来予測研究会の掲示板

    今年のS級S班9人は、北日本2人、関東勢が最多の3人で、おなじみの中国コンビ、そして南関、近畿が1人ずつになっている。

    昨年は6個あるG1をすべて違う選手が制したように、地区的にみても突出しているところはない。シリーズの流れを引き寄せることが鍵になってきそうだ。
     前述したようにどの地区からでも狙えるが、5年前の取手での全日本選抜を制した平原康多を擁する地元地区の関東勢が中心とみる。グランプリで吉田拓矢、宿口陽一、平原の布陣でレースの主導権を握った。番手の宿口が発進してまくりを打ったものの、その上を古性優作にのみ込まれ平原の2着がラインとして最先着だった。

    「関東から優勝者を」の吉田の願いがかなわなかったが、ラインとしての力を見せられたことは、吉田、宿口の新S班にとっては大きな糧になろう。

    地元でのG1奪取に向けて照準を合わせている吉田は、新年の立川記念を優勝。浅井康太、新田祐大、清水裕友らを破っての優勝は自信になったことだろう。順調な滑り出しをみせた吉田だが、続く大宮記念では落車のアクシデント。

    左ヒザの怪我の影響が心配だが、地元の大一番には間に合うと信じたい。立川記念の二次予選で落車に見舞われた平原は、途中欠場を余儀なくされたが、大宮記念で優勝し平原らしい動きでファンの期待に応えた。

    そのほかにも地元の吉澤純平や眞杉匠、長島大介、森田優弥、佐々木悠葵ら機動タイプが豊富にいて、シリーズを有利に進められそうな点もプラスの材料だろう。
     松浦悠士、清水裕友の確固たる2本の柱がある中四国地区が脅威になる。

    昨年、松浦は7度のG3制覇にダービー、サマーナイトフェスティバルでビッグ2V。後半にやや失速した感もあるが、12月には地元の広島記念を4連勝の完全Vで重責を果たした。

    柔軟な身のこなしと、そこから生み出されるスピードは松浦ならでは。勝負どころを逃さない競走センスがある清水との前後はケースバイケースだが、2人の息がかみ合えば別線は手出しできない。

    さらに町田太我、取鳥雄吾や四国勢も実力者がいて松浦、清水にとっては心強い。
     北日本勢は、佐藤慎太郎、守澤太志とS班2人は追い込み。それだけに軸を担うのは、新田祐大だろう。

    昨年は延期された東京五輪の影響でS班から陥落になったが、力はS班と互角で引けを取ることはない。新山響平や昨年ヤンググランプリを制した小原佑太もいてラインの厚みが増すと怖い。

    近況の新田を見るかぎり、爆発的な力を持て余すことも少なくなってきた。パワーだけに頼らない進化を見せる新田が、今年最初のG1制覇でS班返り咲きをすぐに確定させても驚かない。
     単騎でグランプリを制した古性優作だが、やはり近畿地区はラインでの競輪。

    それを誰よりもわかっている古性が中心となり、流れを呼び込みたい。野原雅也、寺崎浩平に稲川翔ら、各々がそれぞれの持てる力以上のものを出すことができれば、脇本雄太のいない穴も埋めることができる。
     全日本選抜連覇がかかる郡司浩平は、今年も深谷知広との連係が注目される。これまでは深谷が郡司の前を務めてきたが、逆の並びで新しい南関ラインの形が生まれる可能性も十分にある。タイトルホルダーの2人は、当然ながらそれぞれ個の力でも他地区に対抗できるが、やはり松井宏佑、渡邉雄太、和田健太郎らの加勢は1つのポイントになるだろう。
     立川記念でも抜群のパフォーマンスを見せた浅井康太は、18年の競輪祭からタイトルが遠ざかっているが久々のG1制覇があってもまったく不思議ではない。北津留翼、英明、庸平の山田兄弟、園田匠、井上昌己、中川誠一郎ら個性派がそろった九州勢も軽視はできない。

    G1デビューは早かったが、G1の決勝進出は昨年11月の競輪祭が初めてだった。高いレベルでの試行錯誤を続けて、ようやく1つの答えを出した。隙のない立ち回りから仕掛けのポイントのつかんで、G1連続優出を狙う。

     持ち前のダッシュにさらに磨きをかけた昨年は、同地区の追い込み選手も手を焼く強烈なカマシで別線を置き去りにした。まだ組み立て面に進化の余地はあるが、スムーズに流れに乗れるとS班撃破も十分だろう。

    並外れた身体能力で自転車競輪はなかったが、早々にS級にステージを上げた。2度目のG1となった昨年の競輪祭では準決にコマを進め、惜しくも4着。9番手からのまくりで見せ場をつくった。一撃の魅力はたっぷり。

    S級S班

    氏名 府県 期別 競走得点 
    佐藤慎太郎 福島 78期 116.54 0 0 0 7 4 5 6 10 5
    平原康多 埼玉 87期 118.67 2 0 3 7 0 7 3 1 4
    宿口陽一 埼玉 91期 114.67 3 0 2 2 2 3 3 2 10
    守沢太志 秋田 96期 112.30 0 0 1 2 1 3 1 0 6
    松浦悠士 広島 98期 116.46 7 2 6 6 2 10 6 2 8
    郡司浩平 神奈川 99期 118.55 8 2 8 3 1 10 4 3 5
    古性優作 大阪 100期 116.64 1 0 9 0 2 6 5 2 9
    清水裕友 山口 105期 114.44 7 0 7 1 0 5 3 4 6
    吉田拓矢 茨城 107期 117.79 4 3 6 3 0 8 4 2 5

    S級1班

    氏名 府県 期別 競走得点 BS 逃 ま 追 マ 1着 2着 3着 着外
    内藤宣彦 秋田 67期 107.04 0 0 0 4 2 3 3 5 13
    村上義弘 京都 73期 108.26 0 0 0 2 4 2 4 0 13
    香川雄介 香川 76期 110.56 0 0 0 4 4 1 7 2 8
    小倉竜二 徳島 77期 111.73 0 0 0 9 3 5 7 4 10
    諸橋愛 新潟 79期 113.09 0 0 0 6 3 2 7 3 11
    中村浩士 千葉 79期 107.79 0 0 0 5 2 3 4 2 10
    三宅達也 岡山 79期 106.07 1 0 1 6 2 3 6 4 16
    斎藤登志信 宮城 80期 106.80 0 0 0 0 2 0 2 2 6
    桑原大志 山口 80期 110.35 0 0 0 2 6 2 6 2 13
    野田源一 福岡 81期 109.30 1 0 8 2 1 2 9 4 15
    荒井崇博 佐賀 82期 113.70 2 1 4 9 0 12 2 1 5
    佐々木雄一 福島 83期 108.81 0 0 1 8 1 9 1 1 10
    竹内智彦 宮城 84期 107.74 0 0 0 3 4 3 4 7 17
    渡部哲男 愛媛 84期 109.68 0 0 0 4 9 2 11 4 14
    大槻寛徳 宮城 85期 105.64 1 0 1 3 0 0 4 1 6
    東口善朋 和歌山 85期 111.14 0 0 0 11 1 7 5 4 12
    高原仁志 徳島 85期 108.87 0 0 0 5 6 3 8 2 10
    菅原晃 大分 85期 102.39 0 0 0 3 4 0 7 2 9
    中川誠一郎 熊本 85期 110.22 4 1 6 2 0 6 3 0 9
    稲垣裕之 京都 86期 109.24 0 0 1 7 1 5 4 3 17
    坂本健太郎 福岡 86期 109.43 1 0 3 8 3 8 6 2 14
    井上昌己 長崎 86期 112.67 0 0 1 11 2 10 4 4 6
    和田健太郎 千葉 87期 112.41 0 0 1 9 4 8 6 7 11
    松岡健介 兵庫 87期 107.29 4 0 4 3 0 4 3 8 16
    岩津裕介 岡山 87期 107.44 0 0 0 2 2 2 2 4 10
    園田匠 福岡 87期 112.57 0 0 0 13 3 9 7 5 9
    大森慶一 北海道 88期 106.61 0 0 0 3 7 3 7 7 11
    佐藤友和 岩手 88期 104.88 0 0 1 2 1 2 2 1 11
    成田和也 福島 88期 111.00 1 0 0 9 2 2 9 6 7
    山崎芳仁 福島 88期 109.42 3 0 4 5 2 3 8 5 8
    渡辺一成 福島 88期 109.50 3 0 3 1 1 3 2 2 13
    南修二 大阪 88期 110.53 0 0 1 4 1 2 4 2 9
    柏野智典 岡山 88期 112.65 0 0 0 5 5 5 5 6 10
    渡部幸訓 福島 89期 111.50 0 0 0 8 1 5 4 4 5
    内藤秀久 神奈川 89期 110.42 0 0 0 8 2 6 4 3 13
    松坂洋平 神奈川 89期 108.62 2 0 2 6 1 3 6 6 11
    橋本強 愛媛 89期 109.19 0 0 0 5 4 3 6 4 13
    山田英明 佐賀 89期 111.13 7 1 4 4 0 5 4 6 8
    新田祐大 福島 90期 116.71 14 6 11 0 0 14 3 4 3
    芦沢大輔 茨城 90期 108.50 0 0 1 5 4 4 6 0 4
    浅井康太 三重 90期 114.92 0 0 6 10 1 11 6 1 7
    稲川翔 大阪 90期 111.73 1 0 0 5 2 3 4 0 8
    村田雅一 兵庫 90期 109.29 0 0 0 5 4 4 5 3 12
    池田憲昭 香川 90期 107.05 0 0 0 3 5 3 5 2 12
    阿竹智史 徳島 90期 109.19 4 2 0 4 1 5 2 4 10
    山中貴雄 高知 90期 106.07 0 0 0 9 5 9 5 2 12
    小川勇介 福岡 90期 109.28 0 0 0 5 4 4 5 7 13
    北津留翼 福岡 90期 113.41 2 1 10 2 0 11 2 1 8
    永沢剛 青森 91期 109.36 0 0 0 8 3 7 4 2 9
    菅田壱道 宮城 91期 110.18 1 1 2 11 0 9 5 5 9
    神山拓弥 栃木 91期 109.07 0 0 0 8 6 7 7 4 12
    柴崎淳 三重 91期 104.15 4 3 3 4 1 5 6 2 13
    和田圭 宮城 92期 112.81 0 0 0 4 2 2 4 4 6
    木暮安由 群馬 92期 110.11 1 0 3 7 2 6 6 2 14
    河村雅章 東京 92期 104.23 1 0 2 3 1 1 5 1 6
    鈴木裕 千葉 92期 110.82 2 0 3 6 2 9 2 6 11
    三谷将太 奈良 92期 106.28 0 0 1 5 2 2 6 6 15
    山田久徳 京都 93期 110.89 6 1 3 5 2 5 6 9 8
    根田空史 千葉 94期 109.06 16 10 3 0 0 6 7 6 12
    山田庸平 佐賀 94期 112.88 1 0 8 4 1 10 3 4 9
    小原太樹 神奈川 95期 109.00 1 0 3 4 1 5 3 3 12
    坂口晃輔 三重 95期 108.20 0 0 0 8 1 4 5 1 15
    長島大介 栃木 96期 110.96 11 5 6 2 0 12 1 3 9
    松谷秀幸 神奈川 96期 110.55 0 0 1 6 2 6 3 2 9
    深谷知広 静岡 96期 112.08 10 4 5 0 0 7 2 4 11
    福島武士 香川 96期 105.47 0 0 0 2 2 0 4 1 10
    柿沢大貴 長野 97期 105.73 0 0 1 7 3 6 5 2 9
    中本匠栄 熊本 97期 108.73 0 0 1 4 3 4 4 2 12
    武藤龍生 埼玉 98期 112.68 0 0 1 5 3 4 5 7 6
    原田研太朗 徳島 98期 113.55 10 4 22 3 0 26 3 0 4
    小松崎大地 福島 99期 110.43 10 3 6 4 1 8 6 5 11
    和田真久留 神奈川 99期 111.64 5 1 1 5 2 5 4 2 11
    阿部力也 宮城 100期 108.32 0 0 0 5 1 3 3 3 13
    吉沢純平 茨城 101期 110.25 1 1 5 3 3 7 5 4 4
    三谷竜生 奈良 101期 108.18 6 3 4 1 1 5 4 1 12
    杉森輝大 茨城 103期 107.75 0 0 0 4 4 3 5 2 14
    谷口遼平 三重 103期 108.33 12 5 3 1 1 6 4 2 9
    野原雅也 福井 103期 110.67 9 1 7 0 0 7 1 2 11
    渡辺雄太 静岡 105期 112.05 3 2 3 2 0 4 3 3 9
    新山響平 青森 107期 112.58 9 5 5 0 0 5 5 2 7
    取鳥雄吾 岡山 107期 110.38 17 10 6 0 0 9 7 3 10
    小川真太郎 徳島 107期 109.48 7 0 7 9 0 13 3 3 14
    末木浩二 山梨 109期 103.20 6 3 3 5 0 7 4 2 12
    太田竜馬 徳島 109期 108.39 7 2 2 3 0 5 2 2 9
    門田凌 愛媛 111期 107.27 2 1 2 4 0 4 3 1 7
    山崎賢人 長崎 111期 106.83 5 0 2 0 0 1 1 3 1
    眞杉匠 栃木 113期 110.27 16 11 6 1 0 11 7 3 9
    黒沢征治 埼玉 113期 106.20 7 3 4 2 1 5 5 1 14
    森田優弥 埼玉 113期 111.55 18 5 7 0 0 10 2 1 9
    松井宏佑 神奈川 113期 107.57 8 2 1 0 0 1 2 4 7
    山田諒 岐阜 113期 105.62 4 2 7 0 0 8 1 2 10
    嘉永泰斗 熊本 113期 105.58 8 4 8 1 0 7 6 3 10
    小原佑太 青森 115期 112.55 5 1 3 1 0 5 0 4 2
    坂井洋 栃木 115期 109.61 13 3 10 1 1 10 5 5 11
    佐々木悠葵 群馬 115期 109.81 5 2 6 2 0 9 1 1 10
    伊藤颯馬 沖縄 115期 106.85 10 4 5 2 0 8 3 4 5
    寺崎浩平 福井 117期 107.94 12 5 1 0 0 3 3 1 9
    町田太我 広島 117期 108.74 19 7 4 0 0 7 4 0 12

     

     

    今年のS級S班9人は、北日本2人、関東勢が最多の3人で、おなじみの中国コンビ、そして南関、近畿が1人ずつになっている。昨年は6個あるG1をすべて違う選手が制したように、地区的にみても突出しているところはない。シリーズの流れを引き寄せることが鍵になってきそうだ。
     前述したようにどの地区からでも狙えるが、5年前の取手での全日本選抜を制した平原康多を擁する地元地区の関東勢が中心とみる。グランプリで吉田拓矢、宿口陽一、平原の布陣でレースの主導権を握った。番手の宿口が発進してまくりを打ったものの、その上を古性優作にのみ込まれ平原の2着がラインとして最先着だった。

    「関東から優勝者を」の吉田の願いがかなわなかったが、ラインとしての力を見せられたことは、吉田、宿口の新S班にとっては大きな糧になろう。地元でのG1奪取に向けて照準を合わせている吉田は、新年の立川記念を優勝。浅井康太、新田祐大、清水裕友らを破っての優勝は自信になったことだろう。順調な滑り出しをみせた吉田だが、続く大宮記念では落車のアクシデント。

    左ヒザの怪我の影響が心配だが、地元の大一番には間に合うと信じたい。立川記念の二次予選で落車に見舞われた平原は、途中欠場を余儀なくされたが、大宮記念で優勝し平原らしい動きでファンの期待に応えた。そのほかにも地元の吉澤純平や眞杉匠、長島大介、森田優弥、佐々木悠葵ら機動タイプが豊富にいて、シリーズを有利に進められそうな点もプラスの材料だろう。
     松浦悠士、清水裕友の確固たる2本の柱がある中四国地区が脅威になる。昨年、松浦は7度のG3制覇にダービー、サマーナイトフェスティバルでビッグ2V。後半にやや失速した感もあるが、12月には地元の広島記念を4連勝の完全V

    で重責を果たした。柔軟な身のこなしと、そこから生み出されるスピードは松浦ならでは。勝負どころを逃さない競走センスがある清水との前後はケースバイケースだが、2人の息がかみ合えば別線は手出しできない。さらに町田太我、取鳥雄吾や四国勢も実力者がいて松浦、清水にとっては心強い。
     北日本勢は、佐藤慎太郎、守澤太志とS班2人は追い込み。それだけに軸を担うのは、新田祐大だろう。

    昨年は延期された東京五輪の影響でS班から陥落になったが、力はS班と互角で引けを取ることはない。新山響平や昨年ヤンググランプリを制した小原佑太もいてラインの厚みが増すと怖い。

    近況の新田を見るかぎり、爆発的な力を持て余すことも少なくなってきた。パワーだけに頼らない進化を見せる新田が、今年最初のG1制覇でS班返り咲きをすぐに確定させても驚かない。
     単騎でグランプリを制した古性優作だが、やはり近畿地区はラインでの競輪。それを誰よりもわかっている古性が中心となり、流れを呼び込みたい。野原雅也、寺崎浩平に稲川翔ら、各々がそれぞれの持てる力以上のものを出すことができれば、脇本雄太のいない穴も埋めることができる。
     全日本選抜連覇がかかる郡司浩平は、今年も深谷知広との連係が注目される。これまでは深谷が郡司の前を務めてきたが、逆の並びで新しい南関ラインの形が生まれる可能性も十分にある。タイトルホルダーの2人は、当然ながらそれぞれ個の力でも他地区に対抗できるが、やはり松井宏佑、渡邉雄太、和田健太郎らの加勢は1つのポイントになるだろう。
     立川記念でも抜群のパフォーマンスを見せた浅井康太は、18年の競輪祭からタイトルが遠ざかっているが久々のG1制覇があってもまったく不思議ではない。北津留翼、英明、庸平の山田兄弟、園田匠、井上昌己、中川誠一郎ら個性派がそろった九州勢も軽視はできない。

    吉田拓矢

     

     

     

     

     G1デビューは早かったが、G1の決勝進出は昨年11月の競輪祭が初めてだった。高いレベルでの試行錯誤を続けて、ようやく1つの答えを出した。隙のない立ち回りから仕掛けのポイントのつかんで、G1連続優出を狙う。

     

     

     

     持ち前のダッシュにさらに磨きをかけた昨年は、同地区の追い込み選手も手を焼く強烈なカマシで別線を置き去りにした。まだ組み立て面に進化の余地はあるが、スムーズに流れに乗れるとS班撃破も十分だろう。

     

     

     

    並外れた身体能力で自転車競輪はなかったが、早々にS級にステージを上げた。2度目のG1となった昨年の競輪祭では準決にコマを進め、惜しくも4着。9番手からのまくりで見せ場をつくった。一撃の魅力はたっぷり。

    S級S班


    氏名 府県 期別 競走得点 BS 逃 ま 追 マ 1着 2着 3着 着外
    佐藤慎太郎 福島 78期 116.54 0 0 0 7 4 5 6 10 5
    平原康多 埼玉 87期 118.67 2 0 3 7 0 7 3 1 4
    宿口陽一 埼玉 91期 114.67 3 0 2 2 2 3 3 2 10
    守沢太志 秋田 96期 112.30 0 0 1 2 1 3 1 0 6
    松浦悠士 広島 98期 116.46 7 2 6 6 2 10 6 2 8
    郡司浩平 神奈川 99期 118.55 8 2 8 3 1 10 4 3 5
    古性優作 大阪 100期 116.64 1 0 9 0 2 6 5 2 9
    清水裕友 山口 105期 114.44 7 0 7 1 0 5 3 4 6
    吉田拓矢 茨城 107期 117.79 4 3 6 3 0 8 4 2 5

    S級1班

    氏名 府県 期別 競走得点 BS 逃 ま 追 マ 1着 2着 3着 着外
    内藤宣彦 秋田 67期 107.04 0 0 0 4 2 3 3 5 13
    村上義弘 京都 73期 108.26 0 0 0 2 4 2 4 0 13
    香川雄介 香川 76期 110.56 0 0 0 4 4 1 7 2 8
    小倉竜二 徳島 77期 111.73 0 0 0 9 3 5 7 4 10
    諸橋愛 新潟 79期 113.09 0 0 0 6 3 2 7 3 11
    中村浩士 千葉 79期 107.79 0 0 0 5 2 3 4 2 10
    三宅達也 岡山 79期 106.07 1 0 1 6 2 3 6 4 16
    斎藤登志信 宮城 80期 106.80 0 0 0 0 2 0 2 2 6
    桑原大志 山口 80期 110.35 0 0 0 2 6 2 6 2 13
    野田源一 福岡 81期 109.30 1 0 8 2 1 2 9 4 15
    荒井崇博 佐賀 82期 113.70 2 1 4 9 0 12 2 1 5
    佐々木雄一 福島 83期 108.81 0 0 1 8 1 9 1 1 10
    竹内智彦 宮城 84期 107.74 0 0 0 3 4 3 4 7 17
    渡部哲男 愛媛 84期 109.68 0 0 0 4 9 2 11 4 14
    大槻寛徳 宮城 85期 105.64 1 0 1 3 0 0 4 1 6
    東口善朋 和歌山 85期 111.14 0 0 0 11 1 7 5 4 12
    高原仁志 徳島 85期 108.87 0 0 0 5 6 3 8 2 10
    菅原晃 大分 85期 102.39 0 0 0 3 4 0 7 2 9
    中川誠一郎 熊本 85期 110.22 4 1 6 2 0 6 3 0 9
    稲垣裕之 京都 86期 109.24 0 0 1 7 1 5 4 3 17
    坂本健太郎 福岡 86期 109.43 1 0 3 8 3 8 6 2 14
    井上昌己 長崎 86期 112.67 0 0 1 11 2 10 4 4 6
    和田健太郎 千葉 87期 112.41 0 0 1 9 4 8 6 7 11
    松岡健介 兵庫 87期 107.29 4 0 4 3 0 4 3 8 16
    岩津裕介 岡山 87期 107.44 0 0 0 2 2 2 2 4 10
    園田匠 福岡 87期 112.57 0 0 0 13 3 9 7 5 9
    大森慶一 北海道 88期 106.61 0 0 0 3 7 3 7 7 11
    佐藤友和 岩手 88期 104.88 0 0 1 2 1 2 2 1 11
    成田和也 福島 88期 111.00 1 0 0 9 2 2 9 6 7
    山崎芳仁 福島 88期 109.42 3 0 4 5 2 3 8 5 8
    渡辺一成 福島 88期 109.50 3 0 3 1 1 3 2 2 13
    南修二 大阪 88期 110.53 0 0 1 4 1 2 4 2 9
    柏野智典 岡山 88期 112.65 0 0 0 5 5 5 5 6 10
    渡部幸訓 福島 89期 111.50 0 0 0 8 1 5 4 4 5
    内藤秀久 神奈川 89期 110.42 0 0 0 8 2 6 4 3 13
    松坂洋平 神奈川 89期 108.62 2 0 2 6 1 3 6 6 11
    橋本強 愛媛 89期 109.19 0 0 0 5 4 3 6 4 13
    山田英明 佐賀 89期 111.13 7 1 4 4 0 5 4 6 8
    新田祐大 福島 90期 116.71 14 6 11 0 0 14 3 4 3
    芦沢大輔 茨城 90期 108.50 0 0 1 5 4 4 6 0 4
    浅井康太 三重 90期 114.92 0 0 6 10 1 11 6 1 7
    稲川翔 大阪 90期 111.73 1 0 0 5 2 3 4 0 8
    村田雅一 兵庫 90期 109.29 0 0 0 5 4 4 5 3 12
    池田憲昭 香川 90期 107.05 0 0 0 3 5 3 5 2 12
    阿竹智史 徳島 90期 109.19 4 2 0 4 1 5 2 4 10
    山中貴雄 高知 90期 106.07 0 0 0 9 5 9 5 2 12
    小川勇介 福岡 90期 109.28 0 0 0 5 4 4 5 7 13
    北津留翼 福岡 90期 113.41 2 1 10 2 0 11 2 1 8
    永沢剛 青森 91期 109.36 0 0 0 8 3 7 4 2 9
    菅田壱道 宮城 91期 110.18 1 1 2 11 0 9 5 5 9
    神山拓弥 栃木 91期 109.07 0 0 0 8 6 7 7 4 12
    柴崎淳 三重 91期 104.15 4 3 3 4 1 5 6 2 13
    和田圭 宮城 92期 112.81 0 0 0 4 2 2 4 4 6
    木暮安由 群馬 92期 110.11 1 0 3 7 2 6 6 2 14
    河村雅章 東京 92期 104.23 1 0 2 3 1 1 5 1 6
    鈴木裕 千葉 92期 110.82 2 0 3 6 2 9 2 6 11
    三谷将太 奈良 92期 106.28 0 0 1 5 2 2 6 6 15
    山田久徳 京都 93期 110.89 6 1 3 5 2 5 6 9 8
    根田空史 千葉 94期 109.06 16 10 3 0 0 6 7 6 12
    山田庸平 佐賀 94期 112.88 1 0 8 4 1 10 3 4 9
    小原太樹 神奈川 95期 109.00 1 0 3 4 1 5 3 3 12
    坂口晃輔 三重 95期 108.20 0 0 0 8 1 4 5 1 15
    長島大介 栃木 96期 110.96 11 5 6 2 0 12 1 3 9
    松谷秀幸 神奈川 96期 110.55 0 0 1 6 2 6 3 2 9
    深谷知広 静岡 96期 112.08 10 4 5 0 0 7 2 4 11
    福島武士 香川 96期 105.47 0 0 0 2 2 0 4 1 10
    柿沢大貴 長野 97期 105.73 0 0 1 7 3 6 5 2 9
    中本匠栄 熊本 97期 108.73 0 0 1 4 3 4 4 2 12
    武藤龍生 埼玉 98期 112.68 0 0 1 5 3 4 5 7 6
    原田研太朗 徳島 98期 113.55 10 4 22 3 0 26 3 0 4
    小松崎大地 福島 99期 110.43 10 3 6 4 1 8 6 5 11
    和田真久留 神奈川 99期 111.64 5 1 1 5 2 5 4 2 11
    阿部力也 宮城 100期 108.32 0 0 0 5 1 3 3 3 13
    吉沢純平 茨城 101期 110.25 1 1 5 3 3 7 5 4 4
    三谷竜生 奈良 101期 108.18 6 3 4 1 1 5 4 1 12
    杉森輝大 茨城 103期 107.75 0 0 0 4 4 3 5 2 14
    谷口遼平 三重 103期 108.33 12 5 3 1 1 6 4 2 9
    野原雅也 福井 103期 110.67 9 1 7 0 0 7 1 2 11
    渡辺雄太 静岡 105期 112.05 3 2 3 2 0 4 3 3 9
    新山響平 青森 107期 112.58 9 5 5 0 0 5 5 2 7
    取鳥雄吾 岡山 107期 110.38 17 10 6 0 0 9 7 3 10
    小川真太郎 徳島 107期 109.48 7 0 7 9 0 13 3 3 14
    末木浩二 山梨 109期 103.20 6 3 3 5 0 7 4 2 12
    太田竜馬 徳島 109期 108.39 7 2 2 3 0 5 2 2 9
    門田凌 愛媛 111期 107.27 2 1 2 4 0 4 3 1 7
    山崎賢人 長崎 111期 106.83 5 0 2 0 0 1 1 3 1
    眞杉匠 栃木 113期 110.27 16 11 6 1 0 11 7 3 9
    黒沢征治 埼玉 113期 106.20 7 3 4 2 1 5 5 1 14
    森田優弥 埼玉 113期 111.55 18 5 7 0 0 10 2 1 9
    松井宏佑 神奈川 113期 107.57 8 2 1 0 0 1 2 4 7
    山田諒 岐阜 113期 105.62 4 2 7 0 0 8 1 2 10
    嘉永泰斗 熊本 113期 105.58 8 4 8 1 0 7 6 3 10
    小原佑太 青森 115期 112.55 5 1 3 1 0 5 0 4 2
    坂井洋 栃木 115期 109.61 13 3 10 1 1 10 5 5 11
    佐々木悠葵 群馬 115期 109.81 5 2 6 2 0 9 1 1 10
    伊藤颯馬 沖縄 115期 106.85 10 4 5 2 0 8 3 4 5
    寺崎浩平 福井 117期 107.94 12 5 1 0 0 3 3 1 9
    町田太我 広島 117期 108.74 19 7 4 0 0 7 4 0 12

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     


    映画 ベンジャミン・バトン 数奇な人生

    2022年02月17日 12時15分34秒 | 社会・文化・政治・経済

    老人の姿で2月17日1時45分~4時45分、CSテレビのムービープラスでで観た。

    歳を取りながら若返る男。その生涯を壮大に映し出す!

    一生に一度の出逢い― 生涯、心に残る感動作の誕生。
    それは、80歳で生まれ、年を取るごとに若返っていく数奇な運命の下に生まれた、ベンジャミン・バトンの物語。
    一瞬、一瞬を、大切に生きていますか―?
    全ての出逢いを、胸に刻んでいますか―?
    これは、そうせずには生きていけない、特別な人生を送った男の物語。彼の名は、ベンジャミン・バトン。80歳で生まれ、若返っていった男。

    20世紀から21世紀にかけて、変わりゆく世界を旅した男。どれだけ心を通わせても、どれほど深く愛しても、出逢った人々と、同じ歳月を共に生きることができない、その運命。
    ―それでも、人生は素晴らしい―
    主演はブラッド・ピットとケイト・ブランシェット。

    「グレート・ギャッツビー」のF・スコット・フィッツジェラルドの短編小説を『セブン』『ファイト・クラブ』のデビッド・フィンチャー監督が映画化。
    あなたも、ベンジャミンの瞳で世界を見れば、人生を愛さずにはいられない。

    フィッツジェラルドの短編小説を原作にした、異色のヒューマン・ドラマ。ファンタスティックな物語に加え、VFXを駆使したブラッド・ピットの若返り描写にも目を奪われる。

    VFX(ブイエフエックス)とは、視覚効果を意味する英語ビジュアル・エフェクツvisual effectsの略で、映画テレビドラマなどの映像作品において、現実には見ることのできない画面効果を実現するための技術のことを指す。

    画像1

    1816年、ニューオリンズ。老人の姿で産まれて、慄いた父親に捨てられた新生児。黒人女性に拾われてベンジャミン・バトンと名付けられた彼は、歳を重ねるごとに外見が若返っていくように。

    船乗りとなり、戦争にも出征し、運命の女性デイジーと結ばれるが。

    80代の老人として生まれ、成長するにつれ若返り、最後は赤ん坊として死んだ1人の男の数奇な人生を悠々と綴った愛の物語「ベンジャミン・バトン/数奇な人生」。

    08年度のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演男優賞を含む最多13部門のノミネートを受けた本作について、タイトルロールを演じたブラッド・ピット、ベンジャミンの生涯を最後まで見届ける最愛の人デイジーに扮したケイト・ブランシェット、そして監督のデビッド・フィンチャーに話を聞いた。(取材・文:森山京子)

    ブラッド・ピット インタビュー
    「あとどのくらいの時間が残されているのかを意識するようになった」

    ブラッド・ピットは自身初のアカデミー賞主演男優賞のノミネートとなった
    ブラッド・ピットは自身初のアカデミー賞主演男優賞のノミネートとなった

    ──アカデミー賞ノミネートおめでとうございます。

    「ありがとう。このノミネーションはみんなの努力の結果だから、みんなで喜んでいるんだ。この映画は演技、音楽、撮影、編集、脚色、そして演出、あらゆるレベルで成果を上げて、素晴らしく価値ある作品になったと思う。だから出来るだけ多くの人に、何度も何度も見て欲しいね」

    アンジー、ブラッド・ピット、フィンチャー監督 (1月29日のジャパンプレミアにて)
    アンジー、ブラッド・ピット、フィンチャー監督 (1月29日のジャパンプレミアにて)

    ──デビッド・フィンチャー監督は、2001年からこの映画に取りかかったと話していますが、あなたもその頃からプロジェクトに加わっていたのですか?

    「実際に参加したのは撮影が始まる1年半くらい前からだけど、もちろんこの企画はいつもデビッドと話していたよ。彼は、1人のキャラクターの出生から死までを追いかけ、その人生がどのようになっていくか責任を持って見て行きたいと言うんだ。人が成長していくような印象を観客に残すべきだって。だから僕はこのベンジャミン・バトンを演じたいと思ったんだ」

    ──あなたは「ベンジャミン・バトン」をどのように見ているのですか?

    「僕たちはこの限りある人生というものについて良く話したよ。企画を練っている間に、デビッドは父親の死を体験した。エリック(・ロス=脚本家)も母親の死について話していたし、撮影中にはアンジーのお母さんも亡くなったからね。そういうことに普通はあまりフォーカスしないものだよね。ホスピスで働いている友人に聞いたんだけど、最後の数日間に患者たちが話すことは、愛や喪失についてだけだというんだ。成功や業績じゃなく、愛をどのように扱って来たかに関しての後悔。それだけしか話さないというんだ。死ぬ運命だからこそ、人間は愛したいんだ。それこそがこの映画がフォーカスしているところなんだ」

    母方の祖父に似ているとのこと
    母方の祖父に似ているとのこと

    ──ベンジャミンを演じたことで学んだことはありますか?

    「僕にはあとどのくらいの時間が残されているのかを意識するようになった。そしてその時間を大切に使いたいと思うようになった。家族と、大事な人々と過ごしたいと。それから周囲の人を違う目で見るようにもなった。誰もがその人なりのストーリーを持っている。驚くほど素晴らしい瞬間を持っている。その瞬間がその人の存在になり、人生になっていくんだってことを思い出させてくれた」

    ──老人顔のシーンが長いですね。特殊メイクが大変だったでしょう?

    「あの顔が出来るまでには随分時間をかけて何度もテストをしたんだよ。最終的に決まった顔を鏡で見てびっくり。僕の母方の祖父に似ているんだ(笑)。メイクのために毎朝3時に起きるんだから大変は大変だけど、でも思ったほどじゃなかった。ただ座っているだけだから新聞を読む時間が増えたり、贅沢な面もあったよ」

    ──今より若い時を演じるのはチャレンジでしたか?

    「若い時期というのはすでに体験してきているから、年を取る方がもっと想像力が必要だったよ。過去より未来のほうがチャレンジングだと思うよ。ベンジャミンは見た目と実年齢にギャップがあるから、常に本当の年齢を計算して意識しなくちゃいけない。セットで一番大変だったのはそれだね」

    ──フィンチャー監督と組むと、いつもあなたの可能性が広がります。彼のことをどう思っているんですか?

    「映画を作る時に一番大切なのはストーリーテラーだ。その最も偉大な1人を見つけたってこと。しかも彼は僕の友人でもある。ラッキーとしか言いようがないね」

    文字通り逆さまに人生を生きていくベンジャミン・バトンと運命的に出会い、彼の奇妙な人生をまるごと受け止めて生きていくデイジー。そんな複雑な役に挑んだオスカー女優ケイト・ブランシェットに、デイジー役へのアプローチの仕方や撮影の苦労などを聞いた。(取材・文:森山京子)

    ケイト・ブランシェット インタビュー
    「人は愛すれば愛するほどより人生を生きるようになる」

    若き日から86歳の老女になるまでのデイジーを1人で演じきった
    若き日から86歳の老女になるまでのデイジーを1人で演じきった

    ──完成した作品はもうご覧になりましたか?

    「実は夕べ初めて見たの。撮影からすごく時間が経っているから、その時の経験は忘れて、素直に観客の1人として見ることができた。そして自分がこの映画の一部であることを心から誇りに思ったわ。これはまさにテクノロジーが物語を語るために使われている映画よ。デビッド・フィンチャーは潜在的に不可能で空想的な物語を 、すごく現実味のあるものに仕上げてみせた。だからとても深い感情に溢れているのよ」

    ケイト・ブランシェット (LAプレミアにて)
    ケイト・ブランシェット (LAプレミアにて)

    ──デイジー役をオファーされた時、どう思いましたか?

    「フィンチャー監督とブラッドが何かの企画について話したいと言ってきたら、そのミーティングに参加しないなんてあり得ないわ。エリック・ロスと脚本を練る作業もエキサイティングだったし、こんなに特別なこと──6歳から86歳まで演じられる役──は他にないと思ったわ。子供時代の声も私がやっているの。普通なら4、5人の俳優を使うところを1人で通してやるというのはかなりの挑戦よ」

    ──デイジーにはどんなふうにアプローチしたのですか?

    「彼女を客観的に見るのは難しいわ。この映画の野心やハートは余りにも大きくて、K2(世界第2位の山。標高は8611メートル)にアタックするような経験になると感じていたの。一体どうやればそこに登れるのか、皆目見当がつかなかった。もちろん脚本を読めば、どんな作品になるか、デイジーがどんな人間でどう演じればいいか分かるわ。でもそれだけじゃこの映画の芸術性を大事にすることにならないのよ。脚本から離れて何か他のポイントを探す必要があると思ったの。でまず、自分の人生のすべての大きな出来事を再検証したわ。それを一旦放り出して、今度はデイジーの人生の出来事をチェックしたの。彼女の転機は交通事故が起きて体がダメになった時よね。私も20代の後半に似たような体験をしていて、その時の感覚、感情はとてもよく覚えているの。そういうことから、デイジーにアプローチして行ったのよ」

    ──その感覚というのは具体的にどんな状態なんですか?

    睡魔や時間との戦いだったという本作の撮影
    睡魔や時間との戦いだったという本作の撮影

    「若い時は自分が永遠に生きるように感じているから、なんでも出来るし、傷つきにくいと思っている。でもそのフィーリングは今の私にはもうないの。デイジーも事故の後でそれを失うのよ。人は愛すれば愛するほどより人生を生きるようになるし、たくさんのものを失うという事実も知っていくのよ」

    ──演技面で最大のチャレンジは何でしたか?

    「スタミナを保つことかしら。だって大がかりなメイクをする日は朝4時半入りなのよ。そして強烈に暴力的な韓国映画を見ながら椅子に座ったまま眠りに落ちる(笑)。目を覚ますともう11時で、特殊メイクが崩れないうちに撮らなきゃいけない。時間のプレッシャーも相当あったわね」

    ──老けメイクはいかがでしたか?

    「特殊メイクの影で見落とされがちだけど、照明の効果も大変なものなのよ。監督は時に女優に不親切に照明を当てることがあるけど、そう言うとき、彼女は10歳は年老いるの。だからデビッドもそうしたわ(笑)」

    ブラッド・ピットとは、出世作「セブン」「ファイト・クラブ」につづいて3度目のコンビとなるデビッド・フィンチャー監督。上記2作以外にも「ゲーム」「パニック・ルーム」「ゾディアック」といったダークな犯罪映画で知られるフィンチャー監督が、奇妙な人生を綴った本作に惹かれた理由とは? PRのために来日した監督を直撃した。(取材・文:編集部)

    デビッド・フィンチャー監督インタビュー
    「この映画でも今まで通り結構な数の死体が出てくるよ(笑)」

    ──本作は、F・スコット・フィッツジェラルドの短編が原作でした。今まで多くの犯罪映画を手掛けてきた監督が、このストーリーに惹かれたのはどんなところなのですか?

    「まあ、この映画でも今まで通り結構な数の死体が出てくるんだけど(笑)、生と死についてのメディテーション、そしてすごいラブストーリーがあるってことだよね。原作については正直あまりわからない。なぜなら僕が読んだのはエリック・ロスの脚本で、僕らが映画を作り始める直前、05年くらいまで原作は読んだことが無かったんだ」

    12年ぶりに来日した デビッド・フィンチャー監督
    12年ぶりに来日した デビッド・フィンチャー監督

    ──そのエリック・ロスが脚本を書いた「フォレスト・ガンプ/一期一会」と本作は、ともにアメリカ南部を基点に主人公が各地を飛び回る年代記でした。

    「うーん。たしかにそうだけど、元々この『ベンジャミン・バトン』はニューオーリンズではなくて、東海岸のボルチモアが基点の話だったんだ。だから、ボルチモアで撮ろうと思ってたんだけど、中々いい感じの古い街並みが見つからなくてね。それで、ニューオーリンズに戻ったら、1920年代を思い起こさせる古くて美しい街並みがたくさんあって、気に入ってしまったんだ(笑)。結局ハリケーン・カトリーナのあとの7カ月をニューオーリンズで過ごしたわけだけど、あそこより他に完璧な場所は無かったと思う。エキストラのみんなもすごく協力的だったしね」

    ──本作にはどのように関わることになったのですか?

    「最初にこの映画の話を聞いたのは、1991年から92年頃。そのときはスティーブン・スピルバーグが映画化権を持っていてトム・クルーズ主演で撮るという話だったんだ。その後、スピルバーグとトムの話は消えて、僕の友達のスパイク・ジョーンズが監督をやるっていう話を聞いた。でもスパイクも結局は監督を引き受けずに企画から去っていった。そのあとにエリック・ロスが入ってシナリオをリライトして、それを読んで気に入った僕が入ることになったんだ。エリックのシナリオは素晴らしかったからね。それで、エリックとプロデューサーのフランク・マーシャル&キャスリーン・ケネディ夫妻と僕の4人でどう撮るかについて話し合いを始めたんだ」

    ──そのときに話し合った主な内容は?

    「エイジング──いかに年をとるか、ということだよ。だけど、僕は特殊効果、ビジュアル・エフェクト出身だから、彼らに心配しなくていいと言ったんだ。彼らも画期的な特殊効果のある映画にたくさん関わっているから、信頼してくれたよ」

    ──「ゾディアック」も2時間32分と長尺でしたが、今回はさらに15分長い2時間47分でした。最近は意識的に長尺の映画を撮っているのですか?

    「次は3時間を超える映画を目指すよ(笑)。というのは冗談として、この映画は男の一生をまるごと描いているから、やっぱり必然的に長くなる。エリックの書いたシナリオは204ページくらいあって、普通に撮ったら3時間24分の映画になるんだけど、これを2時間47分にしたんだから、僕らにしてみれば、最短時間に縮めたようなものなんだ。別に意識的に長くしようといているわけでもないんだよ」

    ──本作を見ている間、ベンジャミンが老人のとき(=小さいとき)は、スローで時間が長く感じられ、大人になっていくごとに、テンポが早くなっていったように感じられましたが、それは意図的に演出したのですか?

    「10歳の子供が感じる1日の長さは45歳の人間が感じる1日の長さと違うといったような“感じ方”の違いについてだよね。もちろん言っていることはよく分かるけど、意図的にやったわけではないんだ。エンディングなんかは念入りに仕上げたシーンがあったんだけど、最終的にはカットして、最も簡潔なものを選んだんだよ」

    ──ブラッド・ピットとは3度目のコンビですが、やはりドン・シーゲル&クリント・イーストウッド、マーティン・スコセッシ&ロバート・デ・ニーロのような関係を意識していますか?

    「ブラッドはあんまり働かないからね(笑)。彼がたくさん仕事をする気になれば、これからいくらでも一緒に映画を作れると思うけど、どうなるだろうねえ」