NHK
2022年に愛知県の岡崎警察署の留置場で、43歳の男性が長時間身体を拘束されるなどしたあと死亡した問題で、検察は、留置管理に関わった46歳の元警部を業務上過失致死の罪で略式起訴しました。一方、ほかの当時の署員8人については、不起訴にしました。
2022年12月、愛知県の岡崎警察署の留置場の保護室で、公務執行妨害の疑いで逮捕され勾留されていた43歳の男性が腎不全で死亡しました。
男性は暴れたことを理由に、ベルト型の手錠や縄などで連続100時間以上にわたって拘束され、愛知県警察本部は留置管理に関わっていた当時の署員9人を書類送検していました。
検察は捜査の結果、46歳の元警部について、監視体制を強化したり医師の診察を受けさせたりするなどの義務があったのに、男性を保護室に放置し、脱水による急性腎不全で死亡させたとして、業務上過失致死の罪で略式起訴しました。
男性は勾留中およそ55時間にわたって飲食をしていなかったということです。
一方、男性を蹴るなどした特別公務員暴行陵虐や、うその報告書を作った虚偽有印公文書作成などの疑いで書類送検された、ほかの8人については、不起訴にしました。
検察は、不起訴の理由を明らかにしていません。
検察の処分について、愛知県警察本部は、コメントする立場にはないとしたうえで、「今回の事案を大変重く受け止めており、組織一丸となって再発防止に取り組んでいく」と話しています。
死亡した男性の父親は

留置管理に関わった1人が略式起訴された一方、8人が不起訴になったことについて、死亡した男性の70代の父親は、NHKの取材に対し「あきれました。裏では何をやっているか分からず、組織ぐるみで自分たちを守ろうとするだけで、警察も検察も同じ組織に思えます。いまでも夢に息子の顔が出てきて、自分が一生背負っていくしかないんだと思います。いまのままではどんな規制をつくっても変わらないと思ってしまいます」と話しました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます