警察庁は去年1年間の犯罪情勢を公表しました。
SNSで勧誘された実行役による強盗などの凶悪事件が相次ぎ、特殊詐欺やSNSを使った詐欺の被害も拡大するなど、「犯罪情勢は厳しい状況にある」としています。
警察庁は6日、去年1年間の犯罪情勢を公表し、全国の刑法犯罪の認知件数は73万7679件と、おととしを3万4328件上回りました。
刑法犯罪は、2002年の285万4000件をピークに、戦後最少となった2021年(56万8000件)まで19年連続で減っていましたが、2022年以降は3年連続で増加しています。
犯罪の実行役を勧誘するSNSの投稿などが深刻な治安上の脅威となっていて、特に、去年8月以降、闇バイトによる強盗などの凶悪事件が相次いで発生しました。
また、特殊詐欺やSNSを使った投資・ロマンス詐欺、これにネットバンキングからの不正送金や、クレジットカードの不正利用を加えた被害額は、2000億円を上回りました。
これらの犯罪に「匿名・流動型犯罪グループ」が関わり、不正に獲得した資金を、さらにほかの資金獲得活動にあてている構造がみられると分析しています。
警察庁は「犯罪情勢は厳しい状況にある」と総括し、「国民の安全・安心を確保するため、警戒の空白が生じることを防ぎ、総合的な対策を引き続き強力に推進する」としています。
“治安悪くなった” 過去最多の76.6%に
警察庁は去年10月、インターネットで治安についての意識調査を行い、5000人から回答を得ました。
「日本の治安はよいと思うか」という質問では「そう思う」、「まあそう思う」と回答した人は合わせて56.4%で、同じ形式で調査を始めた2021年以降、最も低くなりました。
「ここ10年で、日本の治安はよくなったと思うか」という質問では「よくなっていると思う」、「どちらかといえばよくなったと思う」は合わせて10.5%にとどまったのに対して、「悪くなったと思う」、「どちらかといえば悪くなったと思う」がこれまでで最も多い76.6%にのぼりました。
治安の悪化を感じる理由として思い浮かぶ犯罪を複数回答で尋ねる設問では、「特殊詐欺や投資詐欺、ロマンス詐欺、フィッシング詐欺など」を挙げた人が69%と最も多くなりました。
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