【主張】防災立国への転換 中期計画で減災対策さらに

2025年01月10日 19時28分29秒 | 社会・文化・政治・経済

2025年1月10日 公明新聞

頻発化・激甚化する自然災害は「人間の安全保障」に対する大きなリスクである。

わが国は「災害大国」から「防災立国」への転換を一層進めていかなければならない。

鍵となるのは、災害による被害を最小限に抑えるため、災害に強い地域づくりを進める「事前防災」だ。

年末に閣議決定された2025年度予算案では、上下水道の耐震化に向けた補助事業を新設するほか、堤防の整備、道路やダムといったインフラ施設の老朽化対策にも重点投資する。

災害対応力などを強化する内閣府防災担当の関連予算は前年度から倍増した。

国土強靱化に向けて政府は、18年度から総事業費7兆円の3カ年緊急対策を実施し、河川堤防のかさ上げや、ため池の改修などに注力。

21年度からは同15兆円の5カ年加速化対策を展開し、流域治水や線状降水帯の予測精度向上にも取り組んでいる。いずれも公明党が強くリードしてきた。

加速化対策は25年度で終了する。防災・減災を担う自治体が今後の見通しを立てられるよう、新たな対策の中期計画を今年度内に策定することが不可欠だ。

事前防災を強化する司令塔としての「防災庁」の役割にも期待したい。政府は26年度中の設立をめざし、昨年11月に準備室を発足させ、今年から議論を本格化させる方針だ。

一方で、避難生活の環境改善も喫緊の課題である。25年度予算案では、迅速なプッシュ型支援の実施に加え、キッチンカーやトレーラーハウスを直ちに活用できるようデータベース化しておく制度の創設も盛り込んだ。

公明党はTKB(トイレ、キッチン、ベッド)の速やかな配備や、避難所となる学校体育館へのエアコン設置などを推進しており、対策のさらなる加速化に結び付けたい。

これまでの大規模災害の教訓を生かし、国民の安心と安全を確保することこそ政治の一番の使命である。

南海トラフ巨大地震や首都直下地震なども想定される中、防災力の底上げを力強く推し進めたい。


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