熊谷事件で殺害された10歳少女に性的被害も…小川泰平氏が「心神耗弱」との矛盾点を指摘

2020年09月11日 02時52分23秒 | 事件・事故

熊谷6人殺害事件

2020年09月10日17時41分

 熊谷6人殺害事件 埼玉県熊谷市で2015年9月14~16日、3軒の民家で住民計6人が殺害された事件。50代夫婦と84歳の女性、10歳と7歳の小学生の女児と41歳の母親が犠牲となった。ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告は事件前、県警熊谷署で不審者として事情を聴かれている際に逃走。県警は、最初に殺害された夫婦の遺体が見つかった直後に被告を参考人手配したが、近隣住民に戸締まりの呼び掛けなどの情報提供をせず問題となった。 
時事ドットコム


2019.12.24(Tue)

熊谷事件で殺害された10歳少女に性的被害も…小川泰平氏が「心神耗弱」との矛盾点を指摘

 2015年9月に埼玉県熊谷市で住民6人を殺害したペルー人、ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(34)に死刑の可能性が消滅したことを受け、妻の加藤美和子さん(41)と小学5年の長女美咲さん(10)、同2年の次女春花さん(7)=年齢、学年はいずれも当時=を殺害された遺族の加藤さん(46)が22日夜放送のBS朝日「日曜スクープ」に生出演。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は23日、当サイトの取材に対し、番組内で明かされた美咲さんに対する「卑劣な行為」や「冷酷な手口」と、減刑理由となった「心神耗弱」との矛盾点を指摘した。
番組では、加藤さんの同意を得て、美咲さんが被告によって性的被害にあっていたことが「卑劣な行為」として裁判資料から明かされた。

 加藤さん宅に侵入した被告は美和子さんを殺害してクローゼットに隠した後、学校から帰った美咲さんと春花さんも包丁で殺害。一審の裁判員裁判で「被告は美咲さんの両腕をひものようなもので縛り、口に粘着テープを貼って、殺害前後のいずれかにおいて美咲さん着用の短パンと下着を脱がし、下着に精液を付着させた。(その後)代わりの短パンや七分丈スボンを着用させた」という内容が明示され、「欲望を満たすために大胆な行為に及んだ」という理解も含めて死刑判決に至ったが、二審判決では触れられなかった。

長女への強制わいせつについて、加藤さんは「事件から約1か月後に検察の方からお聞きした。美咲がどんなに怖くて、つらい思いをしたのかと思うと、被告を殺してやりたいと、それしか考えられなかった。『パパ、頑張ったんだけど、死刑判決にできずにごめんなさい』と、毎日お仏壇の前で謝っています」と思いを吐露。高裁で性的被害が触れられなかったことには「到底、納得できない」と訴えた。

 遺族側代理人で弁護士の高橋正人氏は同番組で「被告には(相手に)危害を加えられる妄想があったというが、美咲さんが襲ってくる妄想があったとしても、両腕を縛った段階で逃走すればいいにもかからず、強制わいせつをしている。『妄想』では全く説明できない」と分析。小川氏は「精液というものは簡単に出るものではなく、本人に意志がある。しかも下着を脱がせて着替えさせるなど証拠隠滅を図っている。二審の裁判官は何を考えていたのか」と苦言を呈した。

 この「卑劣な行為」と共に「冷酷な手口」も言及された。
高橋氏は「頸動脈を狙って確実に切れる特殊な方法を取っている。『妄想』では説明できないもう一つのポイント」と指摘。小川氏は「国際捜査課に在職時代、ペルー人やコロンビア人を担当したことがあるが、被告は軍の経験者等から知識を得ていたと思われる。プロの殺しの手口。被告本人は無抵抗の女の子を『一撃で』という思いで行動していたはず」と見解を示した。

 加藤さんは「司法に心を殺されました。もう一度白紙の状態から裁判をやり直してもらいたい。今後、妄想を装った人や、6人殺しても死刑にならないという人が出てきた時に、裁判所は被害者遺族に対して責任を取れるのか」と訴えた。

 小川氏は「被告は逮捕後の警察の取り調べで殺人容疑について黙秘したり否認していたが、雑談には応じている。娘さんの話になると頭を両手で抱えて『その話をするな』といった態度を見せるなど、普通の容疑者と変わらない態度を取っていた。公判では『自分が6人殺したと言えばその6人は生き返るのか?』『ああ、殺したよ』など独り言のような不規則発言が多々あった。公判の通訳は余計な話を訳さないので、私がスペイン語の通訳を連れて行って分かった。公判で事件の核心に触れる部分では同時通訳のヘッドホンを外すなど心神耗弱の行動ではなかった」と補足した。

 今後について、小川氏は「現在、日本全国に死刑囚は112人いますが、無期懲役は1800人近くおり、1年間で7人前後が仮釈放になっている。高裁は無期懲役という判断について、ご遺族や国民に分かる説明責任を。高検も上告しない理由を説明する責任がある」と説いた。

 まいどなニュース

熊谷6人殺害で上告断念、死刑の可能性なくなり「残念」…小川泰平氏が遺族の思い代弁

東京高検が、埼玉県熊谷市で住民6人を殺害したとして強盗殺人などの罪に問われたペルー人、ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(34)に対し、心神耗弱を理由に一審の死刑を破棄して無期懲役とした二審判決について、上告を断念したと明らかにしたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は20日、当サイトの取材に対し、「これで事実上、被告の死刑はなくなった」と指摘。被告側は心神喪失による無罪を主張して18日に上告している。
め、裁判は行われるが、同氏は「被告に無期懲役より重い刑が科されることはなくなった」と解説した。

 妻の加藤美和子さん(当時41)、長女(当時小学5年)と次女(同2年)を殺害された夫の加藤さん(46)は上告断念を受けて19日に行われた記者会見で「やるせない気持ちでいっぱいです。絶望しか思い浮かばない。検察の説明は全く納得できない」と言葉を絞り出した。加藤さんは「なぜ上告して闘い続けないのか分からなかった。死刑でも無期でも、どちらにしても家族は帰ってこないが、無期懲役になるのは納得がいかない」とし、「家族には謝ることしかできない。こんな危険な人を世の中に出してはいけない」と訴えた。

 高検の久木元伸次席検事は19日に「遺族の心情も踏まえ、判決内容を慎重に検討したが、適法な上告理由が見いだせず、残念ながら上告を断念せざるを得ない」とコメント。完全責任能力を認めた一審判決に対し、5日の二審東京高裁判決は心神耗弱を認め、統合失調症による妄想が犯行全般に影響を与えたと判断して刑を軽くしていた。

 二審判決によると、被告は2015年9月14~16日、金品を奪う目的で住宅3軒に侵入し、当時50代の夫婦、80代の女性、40代の女性と10歳の長女、7歳の次女の計6人を包丁で刺すなどして殺害した。小川氏は4年前の事件直後から遺族の加藤さんに寄り添い、初公判から判決まで埼玉地裁で傍聴するなど密着取材を続けてきた。

小川氏は「高裁の判決も納得できないが、高検が上告を断念したのは信じられない。被告は地裁でも高裁でも不規則発言を繰り返す態度であったが、逮捕後の警察の取り調べでは、事件に関しては全く話そうとしないものの、取り調べ官である刑事とは雑談に応じる等していると聞いている。犯行後、証拠隠滅、逃走を図っており、責任能力があるのは明らか」と指摘した。

 その具体的な内容について、同氏は「被告は犯行後、車両を盗んで逃走したり、ご遺体を浴槽内に隠し、血痕を拭き取ったりしている。加藤さん宅では、警察官が声を掛けると室内の鍵をかけている。加藤さん宅で車の鍵を盗み、自宅前に止めてある車両で逃走を考えていたことは明らか。挙げればきりがない」と例を挙げた。

 さらに同氏は「高検が上告を断念した話は、加藤さんから直接聞きました。高裁の判決後、加藤さんに高検の担当検事は私が決められるわけではないですが、上告するつもり、と話していたそうで、残念でならない」と明かした。

 

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