キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

絶対にお勧めできないケド

2012年11月17日 | ☆旅行─海外旅行
ジェレミ・ーブレットのシャーロック・ホームズを見続けていて、
「そうだ、私昔BRETTって名前の人と知り合ったことあったっけ」
と思い出しました。

ある年の夏、私はニューヨークからデンバーに向かっていました。
目的地はコロラド大学があるボウルダー。
この前アメリカ大統領選挙のディベートが行われた場所ですね。

デンバーに向かう機内では、3人がけの席の真ん中に座っていて、左隣は40~50代の男性、右隣は30代の女性でした。
その頃、飛行機に乗ると、だいたい隣り合った席の人と何かしら挨拶がわりにおしゃべりすることになってました。私は見るからに旅行者だし、外国人なのでどこから来たのか、どこへ行くのかなど一通り話をしました。

右隣の女性は、ロサンゼルスに住んでる人でデンバーには両親が住んでいるとの話。私が、帰国便はロサンゼルスから出ると話すと、
「旅の最後にロサンゼルスに来るなら、ぜひ連絡してね!」
と連絡先を渡してくれました。

しばらくおしゃべりしましたが、やっぱり言葉が不自由だったので、そのうち私の両隣の人が私の頭越しに会話をはじめて、私はぽかーんと聞くことになりました。

さて、デンバーに着いたとき、予定よりだいぶ遅い時間になっていました。
天候不順などもあり、飛行機を三つ乗り継いでかなり遠回りしてしまったせいでした。

預けた荷物が出てくるのをターンテーブルの前で待ってましたが、結局私の荷物はでて来ませんでした(初体験!)。右隣の席にいた女性が心配して面倒を見てくれました。おかげで、窓口でロストバゲージの手続きも無事済ませることができました。さらに、かなり遅い時間になっていたので、私の空港からの足も心配してくれて、これまた知らない人ですが、同じ方向に行く(そして同じ宿に泊まる)人を探してくれて、私を連れて行ってくれるように頼んでくれました。

なんて親切!

一人で知らない街に夜着いて、荷物も無くなって、とても心細かったところにこの親切。
身にしみました。


それから数日経って、帰国前にロサンゼルスに到着した私は、迷わず彼女に電話しました。彼女は家に招待してくれ、翌日ハリウッドのチャイニーズシアターの前で待ち合わせることになりました。翌日の夕方待ち合わせの場所へ行くと彼女が車で迎えに来てくれ、郊外にある自宅まで連れて行ってくれました。

ロサンゼルス郊外は、からっとした気候で丘陵地帯に住宅が広範囲に広がっていました。「モータリゼーションとともに発展した町」という教科書の言葉を思い出していました。車が無ければこんな風に町は作れなかったでしょう。


彼女の家は、丘陵地(ほとんど山といってもいい)の緑豊かなところにありました。家は、山小屋みたいなこぢんまりとしたつくりで、「台所が狭くて冷蔵庫が置けないの」と言う話で、実際冷蔵庫がポーチにおいてありました。
雨の多い日本じゃ考えられないことです・・。
さすが、雨が少ないからという理由で、映画産業と飛行機産業の発達した地方。

彼女はご主人と二人暮らし。
猫が何匹かいました。
居間に通されて、くつろいでいるうちに、彼女が夕食を作ってくれて二人で食べました。ラムチョップにマッシュポテトでした。おいしかった。
そうするうちにご主人も仕事から帰ってきて、挨拶して一緒にビール飲み、さらにお隣のご夫婦もやってきて、夕食後の語らいの時間に。ここでもわたしは言葉が不自由で、殆んどはただニコニコしてただけでした。

アメリカにしては小さな家で、居間とキッチンのほかには部屋が二つ(多分)、ひとつは夫婦の寝室。
もうひとつが私の泊めてもらった予備の部屋でした。その部屋に折りたたみのベッドがあり、手早くお客さん用のベッドメイキングをしてくれました。

て、「一人じゃさびしいでしょ?」って子猫を一匹部屋に入れてくれました。
猫の名前は「キューボール」だった。
ビリヤードに関係する言葉みたいだけど。
ビリヤードしないし、よくわかりませんでした。



翌朝、支度をした後、出勤する彼女について職場へ行きました。
彼女は大学に勤めてる人でした。
大学といっても州立大学みたいなでっかいユニバーシティではなく、小さなかわいい私立の女子大でした。彼女は仕事があるので、私は「入学希望者のための学校案内コース」に参加させられ、一組の女子高生親子と一緒に、学内を案内してもらった。説明聞いても???だったけど。

お昼になって職員室に帰ると、「ランチ食べる?」と聞かれたのでついていくと、「ランチミーティング」だそうで、なぜか職員会議に参加していた。テーブルにサンドイッチや飲み物が用意されていて、好きなものをとって食べていいことになってたので、お昼をさせてもらった。もちろん会議の内容はちんぷんかんぷん。

午後、彼女の休憩時間に近くのショッピングモールまで送ってもらった。
そこから空港行きのバスが出ていたのでした。
空港について近くのホテルを探しそこで一泊し、翌日帰国した。

ほんとにお世話になりました。
飛行機で隣り合わせただけのご縁で、泊めていただき、職場にも連れて行っていただき、旅の最後の最後に、不思議なよい体験ができました。

その方が、ブレットさんでした。
ファーストネームなんだったかな?
帰国後お礼状を出し、何度かカードなども送りましたが、そのうち引っ越したらしく届かなくなってそれっきりになってしまいました。
いまFBなどで探したら、見つかるかもしれないですね。



実は私はこれにとどまらず、韓国でも一度、博多からのビートルで隣の席だった老夫婦の家に泊めていただいてます。台湾も初めのころはネットで知り合った人の家に泊めてもらってました。自分自身も、何度か手紙のやり取りをしただけの初対面の人を、一人暮らしの部屋に泊めてあげたことがあります。

こういう体験は、自分としてはとても楽しかったのですが、決して他の方(特に若い女性に)お勧めできるものではないですね。
自分の身内だったら断固反対するでしょうね。
矛盾矛盾!(by三島由紀夫)

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