「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

Long Good-bye 2019・11・19

2019-11-19 05:09:00 | Weblog






  今日の「お気に入り」。


   「 ユリウス・カエサル(英語読みだとジュリアス・シーザー)は、次のように

    言っている。

    『すべての人は平等に、自らの言行の自由を謳歌(おうか)できるわけではない。

    社会の下層に生きる人ならば、怒りに駆られて感情に走ったとしても許され

    るだろう。だが社会の上層に生きる人ならば、自らの行動に弁解は許されな

    い。ゆえに、上に行けば行くほど、言行の自由は制限されることになる
。』


    『理性に重きを置けば、頭脳が主人になる。だが、感情が支配するようにな

    れば、決定を下すのは感性で、理性のたち入るすきはなくなる
』 」


     ( 塩野七生著「想いの軌跡」(新潮文庫)新潮社刊 所収 )




                   


    フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」には、「ノブレス・オブリージュ」について、

    次のような解説が載っています。

    「 ノブレス・オブリージュ(仏: noblesse oblige フランス語: [nɔblɛs ɔbliʒ])とは、

     直訳すると『高貴さは(義務を)強制する』を意味し、一般的に財産、権力、社会的地位

     の保持には義務が伴うことを指す。

      フランス語の oblige は、動詞 obliger の三人称単数現在形で、目的語を伴わない絶対

     用法である。名詞ではない。英語では、フランス語の綴りをそのまま英語風に読んだり、英

     訳・名詞化して noble obligation とも言う。簡単に言うと『貴族の義務』である。


      起源

      この言葉自体は1808年フランソワ=ガストン・ド・レビの記述『 noblesse oblige 』を

     発端とし、1836年オノレ・ド・バルザック『谷間の百合』にてそれを引用することで広

     く知れ渡ることになる。

      英語では、ファニー・ケンブルが、1837年の手紙に『 ・・・確かに、”貴族が義務を

     負う(noblesse oblige)” のならば、王族は(それに比して)より多くの義務を負わね

     ばならない。』と書いたのが最初である。

      倫理的な議論では、特権は、それを持たない人々への義務によって釣り合いが保たれる

     べきだという『モラル・エコノミー(英語版)』を要約する際に、しばしば用いられる。

      最近では、主に富裕層、有名人、権力者、高学歴者が『社会の模範となるように振る舞

     うべきだ』という社会的責任に関して用いられる。

      『ノブレス・オブリージュ』の核心は、貴族に自発的な無私の行動を促す明文化されな

     い不文律の社会心理である。それは基本的には、心理的な自負・自尊であるが、それを

     外形的な義務として受け止めると、社会的(そしておそらく法的な)圧力であるとも見

     なされる。

      法的な義務ではないため、これを為さなかった事による法律上の処罰はないが、社会

     的批判・指弾を受けたり、倫理や人格を問われることもある。

     実例

      古代ローマにおいては、貴族が道路や建物などのインフラストラクチャー整備などの

     建築費を支払うことがあった。その代わり、建設した道路や建物に自分の名前をつける

     こともあり、例えばアッピア街道は、アッピウス・クラウディウス・カエクスによって

     建設された。

      貴族が21世紀の現在も存在するイギリスでは、上流階級にはノブレス・オブリージュ

     の考えが求められている。第一次世界大戦では貴族や王族の子弟にも戦死者が多く、第

     二次世界大戦ではエリザベス2世がイギリス軍に従軍し、フォークランド紛争にもアン

     ドルー王子などがイギリス軍に従軍している。現在でも、例えば高校卒業後のギャップ

     ・イヤー
に、ウィリアム王子がチリで、ヘンリー王子がレソトの孤児院でボランティア

     活動に従事している。またウィリアムはホームレス支援事業のパトロンでもあり、自ら

     路上生活体験をした。

      アメリカ合衆国では、セレブリティや名士が、ボランティア活動や寄付をする事は一

     般的なことである。
これは企業の社会的責任遂行(所謂CSR)にも通じる考え方でも

     ある。
第二次世界大戦においてはアイビー・リーグを始めとする、アメリカの大学生は

     徴兵制度が免除されていたが、志願して出征したものも多くいた。しかし2003年の

     イラク戦争において、政治家が対テロ戦争を煽(あお)り立てながら、イラク戦争でイラ

     クでの戦闘に参加するため志願し、アメリカ軍に従軍した親族がいるアメリカ合衆国議

     会政治家の数は、極(ごく)少数であったことが物議を醸(かも)した。






                   


                   


                   


                   
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