今日の「 お気に入り 」は 、田原総一朗・佐藤 優 共著 「 人生は天国か 、
それとも地獄か 」から 、佐藤 優 さんの 文章のひとくだり 。
二度 三度 読み返したくなるページがある本です 。
引用はじめ 。
「 ・・・ コロナ禍によってリモートワークが広く行われるように
なり 、一人になることが増える 、いわば都市化の極致といえ
る状況ですから 、孤独や不安を覚えるのは当然なのです。
またリモートワークを行っていなくとも 、現代社会というのは 、
孤独に陥りやすい環境なのです 。なぜなら 、資本主義のシステ
ムでは経済的な効率を求めますが 、役割を分担する『 分業 』が
基本となります 。すると 、自分の仕事や人生の全体像を見ること
ができなくなってしまいます 。
この 、いわば『 歯車感 』が 、資本主義システムが生む孤独の
正体 。ですから 、経済的に恵まれていても 、仕事に追われてい
れば 、孤立してしまうケースも多いようです 。
ただし 、孤独や不安というものは 、人間が人間であるための条
件だ 、ということもいえます 。二人の哲学者の言葉を紹介しま
しょう 。
『 不安とは 、人間の根源的な自由が体験する目眩 ( めまい )
である 』( キルケゴール )
『 孤独を愛さない人間は 、自由を愛さない人間に他ならない 。
なぜならば 、孤独でいるときのみ 、人間は自由なのだから 』
( ショーペンハウアー ) ( デカンショー の ショー )
二人の言葉に共通しているのは『 自由 』です 。孤独や不安を
覚えるのは 、人間が自由な存在である限り仕方のないことなの
だ 、ということです 。
孤独を感じるのは自由である証拠 。逆にいえば 、自由は孤独と
引き換えにしか手に入りません 。そういう意味では 、孤独は希
望につながるものでもあるのです 。・・・ 」
「『 孤独 』は決して怖いものではありません 。『 孤独 』を味
方に付け 、自分自身と会話することができれば 、恐いものはあ
りません 。そこには『 自由 』が待っているはずです 。」
引用おわり 。
幼いころから 、ずい分多くのひとの生き死にを見続けてきましたが 、
上のような文章を読むと 、元気付けられます 。