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今日の「 お気に入り 」は 、田原総一朗・佐藤 優 共著 「 人生は天国か 、
それとも地獄か 」から 、佐藤 優 さんの 文章のひとくだり 。
引用はじめ 。
「 ヨーロッパでは 、総合大学 ( University ) と呼ばれるためには 、
神学部を擁することが必要条件です 。法学 、哲学 、文学 、医学 、
工学など神学以外の学問は 、何かしら人の役に立つ『 実学 』といえ
るでしょう 。これに対して神学は 、人間の役に立たない『 虚学 』
です 。
キリスト教では 、人間は原罪を負っていると考える 。したがって 、
そのような人間に積極的な価値を見出すヒューマニズムを 、神学は
拒否します 。人間の知的営為を信頼した学問を 、キリスト教は拒否
するのです 。ですから 、キリスト教は反知性的な宗教であり 、神学
は『 虚学 』に他なりません 。
私は 、この神学を学ぶことで 、自らの限界を知りました 。同時に
限界の外部に 、目には見えないが確実に存在する事柄があることに
気づいたのです 。私は 、この外部に存在するいわば『 超越性 』の
おかげで 、自らの狭い経験や知識の限界を突破して自由になることが
できました 。この『 自由 』が 、外交官としてソ連崩壊や新生ロシ
アの混乱を観察するときにも 、独房に囚われていたときにも 、拠って
立つ基盤となったのです 。
虚学であるがゆえに 、危機的な状況で人間の役に立つ神学という不
思議な知を 、同志社大学神学部で 、全人格を賭して教育に従事する
優れた神学教師たち 、そして他者を自己よりも大切にする友人たち
から学びました 。
彼らと対話し 、書物を読み 、さらに対話を重ねた六年間 ……
その時間に自ずと身の内に蓄積されたものを『 教養 』だといって
いいのかもしれません 。」
「 振り返ってみれば 、父母や好きだった先生たちは 、みな私を子ども
扱いせず 、きちんと一人の人間として受け止めてくれました 。そして 、
私の質問について真剣に考え 、またごまかさずに答えてくれました 。
このように多様な 、そして魅力的な人たちとの対話は 、確実に 、その
後の私の人生を拓いてくれたのです 。 」
引用おわり 。
読んでよかった 。
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