今日の「 お気に入り 」は 、田原総一朗・佐藤 優 共著 「 人生は天国か 、
それとも地獄か 」から 、佐藤 優 さんの 文章のひとくだり 。愚脳の体操 。
引用はじめ 。
「 ・・・ 私にとっての信仰とは 、キリスト教とは何か ? それは 、
『 人間の力は限定的なものであると知り 、神からの恩恵によって
のみ救われるということを 、心の底から信じること 』です 。
ちなみに 、・・・ 、仏教の考え方は 、基本的に『 因果論 』で
す 。原因があって結果がある 。だから幸福も不幸も 、それまで
本人が積んできた行いが『 業 ( ごう ) 』となり 、その報いが
いま現れている 。そう考えます 。つまり仏教の考え方のなかに
は 、自分の行い次第で運命を変えられるという『 自力 』の精神
が 、どこかに潜んでいるのです 。
対してキリスト教では 、人間は運命を決められない 、だから運
命のすべては 、因果ではなく神にゆだねる 、という『 他力 』
の考え方をします 。
これらのどちらが良いというものではなく 、あくまでもその人が
信仰を選択するということでしょう 。
キリスト教においては 、神という超越的なるもの 、目に見えな
いものを 、私たち人間の限定的な知識や経験によって知ることは
できません 。しかし神様のほうは 、われわれ人間の髪の毛の本数
まで知っている 。そして 、神が地上に派遣したのが独り子のイエ
ス・キリストであり 、イエスによって目に見えないものが見える
ようになった 。キリスト教の凄さは 、そこにあるのです 。
すなわち 、目に見えないものが見えるようになったことで 、人
間は自分自身が小さい存在であり罪深い存在であることを知り 、
神の前で悔い改める 、というわけです 。
キリスト教では 、人間は原罪を負っていると考えます 。人間は
善を志向しながらも悪を行ってしまう 、弱く悲しい存在というこ
とです 。
ではどうすればいいか ? まず自分の罪を自覚するところから始
めなければなりません 。
こうして罪を自覚することで 、ひとは傲慢にならず 、頭を垂れ
ることができるようになり ます 。そして他人の罪に対しても寛容
になれるのです 。
いまの世の中は 、自分の罪を自覚せず 、他者の罪を攻撃し 、
それによって自分を正義の側に置いて安心するという傾向が 、多
く見られるように感じます 。
加えて 、いま多くの日本人が 、信じるつもりはないのに信じて
しまっている三つの宗教があると思います 。
一つ目は『 拝金教 』 。お金さえあれば幸せになれるという信
心です 。
二つ目は『 出世教 』 。こちらも出世することが一番重要だと
いう信仰 。衰えつつありますが 、まだまだ多くの人が信心し
ています 。
三つ目は『 受験教 』 、あるいは『 偏差値教 』。少しでも偏
差値の高い学校へ行くことが幸せなことだと信じている人のなん
と多いことか 。
人間は何かを信じなければ生きていけないものです 。であれば 、
宗教であれ 、主義であれ 、『 まやかし 』ではなく 、まとも
なものを信じたほうがいい 。
年齢を重ねるごとに 、『 老 』や『 死 』に向き合うことにな
ります 。そのときに自ら信ずるものは何なのか 、それを人間は
突き詰めることになるのかもしれません 。」
引用おわり 。
お見通しよ 。
「 9条教 」なんて 、信じるだけでは救われない 、
誰も助けに来てくれないのもありましたっけ 。
天は自ら助くるもののみ助く 。