「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

ロックの神様 Long Good-bye 2024・08・28

2024-08-28 05:35:00 | Weblog

 

 今日の「 お気に入り 」は 、 村上春樹さん ( 1949 -   )

 の随筆「 村上朝日堂  はいほー! 」( 新潮文庫 )

 の中から抜き書き 。備忘のため 。

  引用はじめ 。

   「 死者を讃えることは心地好い 。それが若く
  して死んだ死者だとすればなおさらである 。
  死者は裏切らず 、反撃もしない 。歳もとら
  ず 、髪も薄くならず 、腹も出ない 。彼ら
  はただ静かに完全に死んでいるだけである 。
  もし仮にあなたが彼らの死について飽きて忘
  れてしまったとしても 、べつに問題はない 。
  ただそのまま忘れてしまえばいいのだ 。それ
  で終わり 。忘れられたからといって 、彼ら
  はあなたの家の戸口にやってきてドアをノッ
  クしたりはしない 。彼らは暗黒の中でじっと
  しているだけだ 。そう 、死者を讃えるのは
  あまりにもたやすいのだ 。」

  引用おわり 。

  この文章が出てくる小文のタイトルは「 ジム・

 モリソンのための『 ソウル・キッチン 』」。

   生年がほとんど変わらない 、同じ団塊世代で

 あっても 、十代後半から ロック・ミュック

 に親しみ 、ジム・モリソンの音楽に心を揺さぶ

 られ続けている村上春樹さんと 、ロック・ミュ

 ージックやラジオの深夜放送の洗礼を受けない

 まま 、十代から八十歳に近い今日まで 、生きて

 きた筆者のような間とでは 、ロック・ミュー

 ジックに留まらず 、音楽 その他 、人生の

 な面で 、ものの見方 、感じ方 、大仰に言えば 、

 人生の道筋が 、随分と異なったもの

 いたのではないか 、という気がします 。

  そのこと自体は 、残念なことのようないや

 そうでもないような 、思議な感じがします 。

  筆者にとって 、ジム・モリソンさん 、初めて

 聞くお名前です 。

  どんな爺い 、婆あにも 、若い頃からの 、重

 苦し鬱屈した 、誰にも語れない 思いは

 あるのかと思います 。

  この歳になって 、ニッポン放送の深夜番組 、

 早朝番組を時おり聴いている年寄りの独り言 ・・・ 。 

 ( ´_ゝ`)

 ( ついでながらの

   筆者註:「 “ジム” ジェームズ・ダグラス・モリソン
       (James Douglas "Jim" Morrison 、1943年
       12月8日 - 1971年7月3日)は 、アメリカの
       ロック・ミュージシャン 、詩人 。ロック
       バンド 、ドアーズ のボーカリスト 、ソン
       グライターとして知られる 。また 、バンド
       活動とは別に数冊の詩集を発表している 。
        米ローリング・ストーン誌の選ぶ『 史上最
       も偉大なシンガー100人 』において第47位 。
        英Q誌の選ぶ『 史上最も偉大なシンガー100
       人 』において第40位 。
       27クラブの会員であり 、この概念を決定づ
       けた人物である 。」

        以上ウィキ情報 。

        村上春樹さんは 、ジム・モリソンさんの音楽に

       ついて 、随筆の中で次のように書いておられます 。

       「 ジム・モリソンの音楽は今にいたるまで僕の
        心を揺り動かしつづけている 。彼の残したレ
        コードのうちの最良の二 、三枚は 、それ以
        降に出たどのロック・ミュージックのどのレ
        コードよりも優れているし 、オリジナルだし 、
        衝撃的である 。僕はそう思う 。僕にとって
        は最初のLP『 ザ・ドアーズ 』を越えて戦
        慄的なレコードはなく 、『 ストレンジ・デ
        イズ 』を越えて美しくシンプルなレコードは
        なく 、『 LAウーマン 』を越えて荒々しい
        優しさを感じさせるレコードはない 。

         僕が最初に聴いたジム・モリソンとザ・ドア
        ーズのレコードはもちろん『 ライト・マイ・
        ファイア ( Light My Fire ) 』だった 。一九
        六七年のことだ 。一九六七年には僕は十八で 、
        高校を出て 、大学にも予備校にも行かずに 、
        一日机の前に座ってラジオでロックンロールを
        聴いていた 。」)

 

 

コメント
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