今日の「 お気に入り 」は 、 村上春樹さん ( 1949 - )
の随筆「 村上朝日堂はいかにして鍛えられたか 」
( 新潮文庫 )の中の こんな一節 。
引用はじめ 。
「 『 人生 、良いことがひとつあれば 、
次には必ず良くないことがひとつ控え
ている 』ということだ 。 たとえば仕
事で何か良いことがあれば 、かわりに
人間関係がひとつ激しく潰れたりする 。
愛がひとつ生まれたら 、かわりに憎し
みがひとつ生まれたりする 。vice versa
( 逆もまた真なり ) 。」
引用おわり 。
村上春樹さんの随筆「村上朝日堂はいかにして
鍛えられたのか 」( 新潮文庫 ) の「 あとがき 」
には 、この本が1995年11月から1年1カ
月のあいだに「 週刊朝日 」に連載されたエッ
セイをとりまとめたものである旨書かれている 。
この「 作者 あとがき 」の日付が1997年3月
とあるので 、その日付から27年後に 、筆者は 、
この本を 、初めて 、読んだことになる 。
理由は簡単で 、筆者の人生で 、「 週刊朝日 」
という週刊誌を毎週購読したことが 、ついに
一度もなかったということに尽きる 。
広告宣伝の中で 、「 週刊朝日 」に毎週どん
な見出しの記事が載っているのかは 、陰なが
ら承知していたけど 、買って読むことは一度
もなかった 。だから 、若い頃 一度同誌に対し
て持った印象 や判断 ( 食わず嫌い ) は 、脳裏
に焼き付きつけられ 、50年の長きに亘って
居座り続けたことになる 。
50年以上「 天声人語 」の読者でい続けた
筆者も 、週刊誌は 、「 新潮 」、「 文春 」、
「 現代 」で 、「 週刊朝日 」や「 朝日ジャ
ーナル 」にはついぞ目を向けたことがなかっ
た 。
新聞は 、今では 、「 宅配 」も 「 駅売り 」
も 購読を止め 、週刊誌については「 床屋 」
で覗くことすらないが 、痛痒を覚えることも 、
これといって不便を感じることもない 。
要するに興味が去ったのである 。
閑話休題 。
一般的に言って 、いつの世の読者も 、自身と
同世代の作家に対する 評価 は 厳しい 。
団塊世代の 、特に男性読者にとって 、村上
作品は 、端から眼中にないようでもある 。
長らくご縁のなかった村上春樹さんの「 ノル
ウェイの森 」を筆者が読んだのも 、映画化さ
れた「 ドライブ・マイ・カー 」を観たあと 、
連作短篇「 ドライブ・マイ・カー ( 女のいない
男たち ) 」を読んで 、おもしろい と思ってから
後のことである 。
( ´_ゝ`)
要するに 、ひととして 、ものごとを受け容れる
度量 、料簡 が狭いってだけの話なんですけど 。