「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

阪神間出身 Long Good-bye 2024・07・20

2024-07-20 06:46:00 | Weblog

 

 今日の「 お気に入り 」。

 最近読んだ 村上春樹さん ( 1949 -   ) の随筆「 村上

 朝日堂の逆襲 」( 新潮文庫 )の中に 「 阪神間キッ

 ズ 」というタイトルの小文がある 。

  その冒頭に こんな一節がある 

 「 僕が生まれた場所は一応京都だけどすぐに兵庫県
  西宮市夙川というところに移り 、それから同じ兵
  庫県芦屋市に移っている 。だからどこの出身かと
  いうのは明確ではないのだが 、十代を芦屋で送り 、 
  両親の家もここにあるのでいちおう芦屋市出身と
  いうことになっている 。本当のことを言うともっ
  と漠然と『 阪神間出身 』ということにしてもら
  えると僕自身しっくりするのだけれど 、この『 阪
  神間 』という言葉のニュアンスは関西関係者以外
  にはいくぶんわかりづらいところがある 。」

 ( ´_ゝ`)

  懐かしい地名が並んでおり 、思わず書き留めた 。

  筆者が生まれた場所は 一応 芦屋 だけれど 、六歳の時に 、

 親の事情で 、同じ兵庫県の豊中市に移り 、八歳の誕生

 を迎えたばかりの その誕生日の 一週間後に 、父親が急死

 した 。そのごたごたが片づかない内に 、残された一家

 あわただしく「 東下り 」をした 。筆者もその一員として 、

 爾来 七十年近く 関東圏に住まいしている 。筆者の元々の本

 籍地は 「 大阪府大阪市南区上本町〇丁目〇〇番地 」であり 、

 その地は父親の本籍地であったらしいが 、筆者は一度も住ん

 だことがない 。大阪城の南の方角 、現在は 商業地だか住宅

 地だかのまん中にある住所地である 。無論行ったこともない 。

 昭和から平成に代わった年に 、中央区に転属されたらしい 。

  筆者の明治生まれの母親は 、村上春樹さんの母上と同じ 、

 大阪・船場の商家の娘であった 。

  六歳になるまでの 、生まれ育った昭和二十年代の「 芦屋 」

 に 、格別の思い出はない 。芦屋出身であると言うのには 、

 いろんな理由で 抵抗があるので 、「 阪神間出身 」という

 ことにしてもらえると 、村上春樹さん同様 、しっくりする

 のだけれど 、そうもいかないようなので 、「 本地のあっ

 た 大阪 」出身 の 東京 育ち というとにしている 。父祖の

 地 関西圏に戻ることは この先も おそらくないだろう 。

 

   

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