高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、47年の歴史をもつ共同購入の会です。

宇和島の石鹸屋だより 8月7日記

2017-09-08 08:00:00 | 生産者からのメッセージ
愛媛県宇和島市 八坂石鹸の増田明宏です。

平成に入るころ、コンパクト洗剤が、店頭に並び、
「洗剤の使用も少なくて済み、害も少なくなった」との触込みで、
主婦の間であっという間に広がった。
おまけに、全自動洗濯機も普及。
石鹸屋には痛手でした。

しかしこのコンパクト洗剤、容量は減ったのですが、
界面活性剤の量は比率で言うと約2倍。
それまで4kgの洗剤に界面活性剤は20%位。
コンパクトは、1kgに40%。
害が倍になった計算です。
数字のマジックで安全性が増したかのようでした。

しかも全自動洗濯機、使用方法は、投入口に洗剤を入れスイッチを押すだけです。
タイマーもあり時間が来れば水と一緒に流れるものでした。
私が高校生の時、父が石鹸屋を断念した工業用の洗濯機と同じ型の洗濯機。
過去がよぎりました。


しかしながら、石鹸の性質上コンパクトには出来ないのですが、
石けん分を少し増やし、コンパクトに仕上げ、又容器を箱に、
洗剤に似せて作り対抗していました。
八坂石鹸も石けん分を60%から70%に増やし、今の3kgの粉石けんにしたのです。


そんな事情で石けん運動をされている方も勘違いされ、
コンパクト洗剤を使う結果になり、特に婦人会などでは多かったようです。

それから現在に至っていますが、
電気メーカーも大勢派で、洗剤に合った洗濯機を開発しています。
今のところ二層式洗濯機が石鹸には一番合うのですが、
女性の社会進出とともに、家事に対する時間の配合が昔と違って、仕事、教育に。
この女性の社会進出が石けん運動のネックになっているのでは。
家庭雑排水も下水道普及で顧みなくなり、石けんの安全性が目で見えなくなっています。
でも、石けん運動40年の区切りに琵琶湖から見直そう運動が起こりつつあります。

リサイクル石けん頑張れ!

※ この記事は、NPO法人土といのち『お便り・お知らせ』2017年9月号より転載しました。
コメント (3)
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