高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、47年の歴史をもつ共同購入の会です。

新米シニアのひとり旅 その4-バルト三国の旅-

2019-06-10 09:00:00 | 連載
新米シニアのひとり旅 その4 byアメミヤ

ヘルシンキでつかの間の北欧を味わって、バルト三国に向かいました。
当初の計画ではスウェーデンを南にうごきながら、ピッピの国を味わい、ニルスが見た湖沼をみて、
某小説の舞台になっていたイェーテボリからデンマークに渡ろうと思ったのですが、
日数とお金に無理があると判明、出国間際に変更しました。
ピッピの国に行きたかったな。

ヘルシンキからエストニアの首都タリンへはフェリー!乗船時間は二時間半くらい。
夏休みのせいなのか、いつもそうなのか、ずーつと飲み続けている客の多いこと、
バンドの生演奏なんかもあって賑やか賑やか。
空間の7割は飲食店でした。おどろきました。

さて、バルト三国に関しては殆ど知識がなく、旧ソヴィエトだったということしか知りませんでした。
北緯60度から55度の間にほぼ収まるような国々、各々の首都は歴史地区として世界遺産になっていました。
(後で知ったことです)やはり、最初に訪れたタリンの町の印象が強く残っています。
石畳の通り、石造りの家々、高い教会、広場、町を取り囲む石壁。
タリンのこの旧市街はとても小さくてほんとに歩き回りました。


中庭へ続く入口を覗いてみました。

通りは真っ直ぐに通っていなくて、時々自分のいる場所がわからなくなりました。
細い路地から昔の姿の少年が飛び出してきそうな。
よく、「このまちのどんな小道も知っている」という表現があるけれど、
本当にそんな少年が漆喰壁の扉から現れて次の建物の、角を曲がって消えていく、
そういったことを想像できる町でした。
通りに立ち並ぶ家々の所々には中庭に続く入口がぽっかり開いていて、
通り抜ければ別世界、中庭はレストランのオープンスペースだったり、
単に駐車場だったり、時には、可憐な庭だったり、
大きな木が延びている不思議な場所だったりしました。
石畳は平らな石がモザイク状に敷き詰められたものがおおかったけれど、
古い道?は丸みを帯びた石でできていて、キャリーバッグを引き歩く者泣かせの道でした。

この後も中世の面影を残す都市なるものをいくつも訪ねました。
大小様々、新旧混じり具合も様々、何処が素敵か甲乙つけ難いといったところ、のなかで、
このタリンの旧市街は、小さくておとぎ話の舞台のようで誠に印象的でした。
ラトビアのリガ、リトアニアのビルニュス、
中世都市の町並みを楽しみ、麻布に目を奪われ、市場の雑踏に揉まれました。


ビリニュスのリネンのお店、リネン買いたかったナー


リガの市場の荒物屋
見事な陳列だと思いませんか?
こんな鍋を使っている台所を見て見たかった!


リガの街角の土産物屋
大きなバスケットがそのまま店に。
店番の婦人の姿も風情があります。
石畳の石をよく見てください、縁が丸くなっているでしょ。

そして、バルト三国訪問のハイライトは
(あくまでも私のですが)リトアニアのカウナスにある杉原千畝記念館訪問。
カウナスの鉄道駅からほど近い小高い所にある静かな住宅街、
各々の庭の林檎の木の赤い実が、取ってくださいと言わんばかりになっている道を行くと、記念館がありました。


杉原千畝記念館入口

杉原千畝氏(註)のことは子供向けの本で知って、
まあ行ってみよう、くらいに思って予定に入れたのですが、
やはり、何事も百聞一見にしかずの言葉どおり。
この通りにビザを求める人々がおしかけ、
この机で氏が判を押したのかと思い描くと胸があつくなりました。
帰りがけ、その机の上に置かれたビザ発行者名簿を丹念にめくる人がいました。
おばあさまの名前を探しているとのことでした。
「お話」が現実になった時でした。




杉原千畝氏の事務机
ビザ発行者の名簿が広げられています。
記念館を出るとき見たら、名簿をめくっている人がいました。
おばあさまの名前を探しているとのことでした。

このあと2週間ほどは、他の人と一緒に駆け足観光をいたしました。
駆け足だったのでどこへ行ったかも忘れたほどですが、ちゃっかり長年の夢を組み込んだりしました。
その長年の夢だった地のことは次回に。

註:「六千人の命を救え!外交官杉原千畝」著者:白石仁章 出版:PHP研究所
この他にも何冊かあります。記念館では映画も見ました。
しばらくお顔を拝見していたら、なんて良い顔をした方だろうと感じるようになりました。
DVDもあるようです

※ この記事は、NPO法人土といのち『お便り・お知らせ』2019年6月号より転載しました。
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