ジュリエットオスカー634受信ブログ

ラ・テ受信雑記他・私の得意ジャンルでの情報を発信します。このサイトは個人的な趣味により制作されています。

今回も出力を考えてみます

2011年09月10日 20時51分59秒 | テレビ・ラジオ受信関係
筑波中継局の遠距離受信にあたり、
出力から考えてみます。
今日の記事は長いです。

筑波中継局の出力は20W。
しかし、アナログテレビだと200Wに相当し、
私の受信地(埼玉)で
これに近いアナログ中継局は多摩中継局200Wでした。

アナログ時代多摩中継局は、ザラザラ画面ながら
受信できましたので、
今回、ある程度標高のある場所からの200W相当なら
受信できる可能性は高いわけである。
(送信指向性を考えない場合)

地デジ20Wがアナログ200W相当となるのはどうしてか?
アナログUHFテレビでの受信所要電界強度は70dB(μV/m)。
地デジの受信所要電界強度は60dB(μV/m)となり、
従来より10dB低くても受信できることになる。
10dBは電力比では10倍のことなので、
地デジ20Wはアナログの200W相当となる。

なお、アナログテレビの出力は映像出力で
書かれていることが多く、
音声出力は映像の1/4になる(映像と音声の変調方式が違うから)ので、
アナログテレビ映像200Wの音声出力は50Wとなる。

VHFアナログテレビで最大の出力を出していたのは
もちろん東京タワーでNHK・在京民放キー局で
映像50kW・音声12.5kW。

ではUHFアナログテレビで最大の出力を出していたのは?
じつは放送大学・東京で映像50kW・音声12.5kW。
MXは都域放送のため映像10kW・音声2.5kW。

アナログの放送大学のサービスエリアを考えると
地デジ東京タワーのエリアを考える上で少し参考になるかも。
アナログの放送大学50kWを地デジ出力に換算すると5kW。
しかし、実際東京タワーの地デジの出力は10kW。
2倍違います。
電波は出力が2倍になるとサービスエリアは√2倍(1.414・・倍)
になるといわれています。
つまり、理論的にはアナログ放送大学のサービスエリアの√2倍の
エリアが芝・東京タワーの地デジエリアになるはず?なのです。

別の角度から考えてみます。
誘起電圧とか実効長という観点から考えます。
アンテナに誘起する電圧はアンテナ素子が長いほど大きくなります。

誘起電圧=電界強度×実効長

実効長は波長(周波数)によります。
UHFのほうが波長が短い訳ですから、VHFと比較すると
誘起電圧が小さくなることはおわかりになると思います。

アナログのフジテレビは8chでした。周波数を195MHzとします。
デジタルのフジテレビは物理21chです。周波数を520MHzとします。
そうしますと、アナログ8chの波長はUHF22chの波長の2.666・・・倍です。
逆に言うと地デジの誘起電圧はアナログの1/2.666・・・になります。

アナログフジテレビの出力(映像)は50kWです。
50×2.666・・・=およそ133kW
このままではアナログの映像出力ですから1/10にしてみます。
地デジ出力換算ですね。すると13.3kW。
上に書いたとおり東京タワーの出力は10kWですから3.3kWの誤差が
出てしまいましたが、近似の値になったと思います。


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