そう書いてしまうと剣呑な話になってしまいそうだが、漠然とわるい国、と言われると、人々はてんでに「ミャンマー」とか「アフガン」とか、思い浮かべたりするかもしれない。
これらの国は確かに内政に問題があるが、別に国民は悪いわけではない。
ミャンマーも北朝鮮も国内に支配層が被支配層を抑圧する、という構図が存在する所が似ている。
ミャンマーは外国にはちょっかいを出していないが、北朝鮮は対外的にも問題を抱えている。
ロシアは国内はとりあえず、対外的に今ちょっち世間を騒がせている。
それで、言いたいことはそんな固いお話では、実はない。
昔の007映画とかだと、悪役というか、仮想の対立相手はソ連だった。ソ連のスパイとか絡ませておけば、とりあえずサスペンスドラマっぽくなる。
ソ連が崩壊してからこの図式が成り立たなくなった。僕は007ものをあまり見てないが、冷戦後のものはなんかややこしい設定のものが増えて、すっきりしない感じが(個人的に)する。。
冷戦後のロシアも依然人気があって、90年代半ばの「フェア・ゲーム」という映画、これはシンディ・クロフォードが主演のサスペンスものだったけど、KGB残党の凶悪な集団がアメリカ国内で死闘を繰り広げるみたいな映画だった。悪党がすごくタフで、ぼんぼん人を殺すというやつ。。
でね。
ロシアって、結構そういう「悪役」がはまる国なのかな、と、ニュースを観ながらふと思ってしまった。
ウクライナに軍隊集結させて、あめりかが脇でわんわん言っているのって、彼らにとってはちょっと悪くない、とおもってたりしないかしら。。
割と益荒男っぽい感じが良く似合って、冷酷でタフで、ハイテクもこなす。映画でわるい国扱いされても、けっこうまんざらでもなく思ってるんじゃないかしら、と勘繰ったりする。
これが、中国だとどうもダメな気がする。自分たちが悪とされることがどうにも我慢できない。
悪しざまに言われたらロシアだって抗議はすると思うが、中国はもうぜったいに許せないみたいになりそう。。ハリウッドが映画作るときに神経使ったりするってのも聞いたことあるし。
それにしてもあれですね。さいきんのアメリカ外交も、中国とは別の意味で余裕がないというか、昔から比べると変わったね。。なにか、つきものが落ちたような・。
話は飛ぶが、日本の創作ものの場合、悪役(の国のイメージ)が英米のそれのようにソ連-ロシアではなくて、戦前のドイツみたいなイメージになるのが、前から気になっている。
素人丸出しの感想で恐縮なのだけど、「宇宙戦艦ヤマト」に出てくる敵対勢力(デスラー総統とガミラス帝国)はどうしてもナチスドイツを連想してしまう。「ガンダム」の最初のシリーズを見ていたとき、やはり敵対勢力のジオン公国は、いかにも第三帝国時代のドイツを彷彿とさせる西洋風味だった。
制作年代が古いだけに、逆にその時代のものの捉え方とか、意図がすごく伝わってくる。
「ヤマト」は文字通り日本の帝国海軍風味だから、帝国日本とナチスドイツが戦うという変な構図なのだが、あの時代の日本人は、「屈強な敵国」というと戦前のドイツ、をついイメージする傾向があったのだろうか。。
「エヴァンゲリオン」の敵「使徒」は、国どころか人類でも何でもなくて、訳が分からない。
が、劇中にはドイツ語やドイツから来た「アスカ」とかが、やたらと出てくる。エヴァのドイツ語の扱いはなんか中二病っぽいが、さすがにというか、もはやナチスドイツ風味は全然ない。
ただやはり、ドイツを科学技術先進国で、屈強で、軍隊組織っぽい感じ、という捉え方をしている、という面はあるとは思う。
日本の場合は近代よりも戦国時代とか、サムライとか、忍者とかのイメージで、映画やドラマに登場する場面が多い気がする。戦う男たちではあるが、近代戦ではないようだ。