164: 『誰も知らない「名画の見方」』
★★★★★ /5★
高階秀爾 著
小学館101ビジュアル新書
191ページ 1165円
高階秀爾
ウィキペディアより ▼
高階 秀爾(たかしな しゅうじ、1932年2月5日- )は、日本の美術史学者・美術評論家。東京大学文学部名誉教授。大原美術館館長。
東京大学美術史研究室教授として数多くの著作を著し、啓蒙的役割を果したルネッサンス以後の西洋美術を専門としながら、日本近代美術にも造詣が深くその方面の著作もある。同じく東京大学比較文学教授を務め、京都造形芸術大学名誉学長である芳賀徹とは小学校時代からの友人。また京都大学人文科学研究所准教授で美術史学者の高階絵里加は娘。
単著 ウィキペディアより ▼
『世紀末芸術』 紀伊国屋書店〈紀伊国屋新書〉、1963年。新版 1981年/ちくま学芸文庫 2008年
『ピカソ:剽窃の論理』 筑摩書房、1964年。ちくま学芸文庫 1995年
『現代絵画』 保育社〈カラーブックス〉、1964年。
『現代美術』 筑摩書房、1965年。『20世紀美術』と改題、ちくま学芸文庫 1993年
『芸術・狂気・人間:その実態と本質を探る』 番町書房、1966年。
『フィレンツェ―初期ルネサンス美術の運命』 中央公論社〈中公新書〉、1966年。ISBN 4121001184。
『芸術空間の系譜』 鹿島研究所出版会、1967年。
『美の思索家たち』 新潮社、1967年。青土社 1983年、新版 1993年
『近代美術の巨匠たち』 美術出版社、1969年。青土社 1998年/岩波現代文庫 2008年
『名画を見る眼』正・続、岩波書店〈岩波新書〉、1898年。ISBN 4004140641、ISBN 400414065X。
『ルネッサンスの光と闇:芸術と精神風土』 三彩社、1971年。中公文庫 1987年
『日本近代美術史論』 講談社、1972年。講談社文庫、講談社学術文庫/ちくま学芸文庫 2006年
『十二人の芸術家:現代を拓いた人々』 講談社〈講談社現代新書〉、1974年。新版青土社 1994年
『近代絵画史―ゴヤからモンドリアンまで』 中央公論社〈中公新書〉、1975年。
『日本近代の美意識』 青土社、1978年。増補版1986年、新版1993年
『歴史のなかの女たち―名画に秘められたその生涯』 文藝春秋、1978年。文春文庫 1984年/岩波現代文庫 2008年
『西欧芸術の精神』 青土社、1979年。増補版 1986年、新版1993年
『ルネッサンス夜話:近代の黎明に生きた人びと』 平凡社、1979年。河出文庫 1987年
『美の回廊:ドラクロワからミロまで』 美術公論社、1980年。
『ゴッホの眼』 青土社、1984年。新版1993年、2005年
『想像力と幻想:西欧十九世紀の文学・芸術』 青土社、1986年。新版1994年
『世紀末の美神たち』 集英社、1989年。青土社、1997年
『フランス絵画史―ルネッサンスから世紀末まで』 講談社〈講談社学術文庫〉、1990年。ISBN 406158894X。
『日本美術を見る眼』 岩波書店、1991年。同時代ライブラリー、増補し岩波現代文庫 2009年
『19・20世紀の美術:東と西の出会い』 岩波書店〈岩波日本美術の流れ6〉、1993年。
『モーツァルトの肖像をめぐる15章』 小学館、1995年。改題『肖像画論』青土社、2010年
『日本絵画の近代:江戸から昭和まで』 青土社、1996年。
『西欧絵画の近代:ロマン主義から世紀末まで』 青土社、1996年。
『芸術のパトロンたち』 岩波書店〈岩波新書〉、1997年。ISBN 4004304903。
『西洋の眼日本の眼』 青土社、2001年。
『バロックの光と闇』 小学館、2001年。
『水絵の福音使者-評伝大下藤次郎』 美術出版社、2005年。
『本の遠近法』 新書館、2006年。
『日本の現代アートをみる』 講談社、2008年。
『誰も知らない「名画の見方」』 小学館101ビジュアル新書、2010年。
[目次]
はじめに
第一章 「もっともらしさの秘訣」
白い点ひとつで生命感を表現したフェルメール
見る者を引き込むファン・エイクの「仕掛け」
影だけで奥行きを表したベラスケス
第二章 時代の流れと向き合う
激動の時代を生き抜いた宮廷画家ゴヤ
時代に抗った「革新的な農民画家」ミレー
時代を代弁する告発者ボス
第三章 「代表作」の舞台裏
いくつもの「代表作」を描いたピカソ
タヒチでなければ描けなかったゴーガンの「代表作」
二種類の「代表作」をもつボッティチェリ
第四章 見えないものを描く
科学者の目で美を見出したレオナルド・ダ・ヴィンチ作
人を物のように描いたセザンヌの革新的な絵画
音楽を表現したクリムトの装飾的な絵画
第五章 名演出家としての画家
依頼主を喜ばせたルーベンスの脚色
演出した「一瞬」を描いたドガ
絵画の職人ルノワールの計算
第六章 枠を越えた美の探求者
女性の「優美な曲線」に魅せられたアングル
見えない不安を象徴したムンクの「魔性の女性像」
イギリス絵画の伝統を受け継いだミレイ
第七章 受け継がれるイメージ
カラヴァッジョのドラマチックな絵画
働く人々を描いた色彩画家ゴッホ
西洋絵画の歴史を塗り替えたマネ
第八章 新しい時代を描き出す
人間味あふれる農民生活を描いたブリューゲル
新しい女性像を描いたモリゾ
20世紀絵画の予言者モロー
あとがき
西洋絵画略年表
フェルメール
ファン・エイク
ベラスケス
フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス
ミレー
ボス
ピカソ
ゴーガン
ボッティチェリ
レオナルド
セザンヌ
クリムト
ルーベンス
ドガ
ルノワール
アングル
ムンク
ミレイ
カラヴァッジョ
ゴッホ
マネ
ブリューゲル
モリゾ
モロー
ゆっくりじっくり味わっていたつもりだったが、自分はこれまで いかに概念で作品を眺めてのだろうと気づかされる良書。
これから絵画などを楽しむ上で、役にたつと感じる部分が多い。