映画『神と人との間』 監督・脚本:内田英治 谷崎潤一郎原案 4,5★/5 2018年 渋川清彦、戸次重幸、内田慈
文豪・谷崎潤一郎原案の映画 『神と人との間』を見ました。
話の展開が面白く、静かに小説を楽しんでいるような映画です。
それでいて演技のお上手な役者さんたちばかりで、上質の淡々と進む舞台を見ているようでした。
主役の三人がそれぞれに静かで深い印象的な演じ方をしてくださいました。
渋川清彦さん、戸次重幸さん、内田慈さんのそれぞれの役者さんに共感し反発し、感情移入しました。
チーム・ナックスの中でも特に好きな戸次重幸さん。昔から好きな王子(役)がご出演されているとは知りませんでしたので、喜びはひとしおでした。
そして渋川清彦さんの演技の仕方にも見入ってしまい、今回役者さんとして、好きになってしまいました。
この映画の解説では、「親友同士の男性2人が、ともに愛する同一の女性をめぐって奇妙な三角関係を繰り広げるさまをコミカルに描いた文芸エロス映画」と記されています。
しかし、ラストの「契約書」と「子供の喜び」がこの作品のキーポイントだと言っても過言でがありません。
この映画はネタバレしたくないので多くを語ることは差し控えますが、単純に「奇妙な三角関係」と云った単純な言葉ではこの作品の本質は語れないと言ってよいでしょう。
私はこの映画は好きです。
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文豪・谷崎潤一郎の同名の問題作をもとに、親友同士の男性2人が、ともに愛する同一の女性をめぐって奇妙な三角関係を繰り広げるさまをコミカルに描いた文芸エロス映画。
近代日本文学の文豪・谷崎潤一郎が、最初の妻・千代をめぐって、彼の親友であった作家・佐藤春夫との間で「小田原事件」と呼ばれる恋愛騒動を起こし、最終的に、谷崎と離婚した千代が佐藤と再婚することで事態が決着した、いわゆる「細君譲渡事件」。
この「小田原事件」を題材に谷崎が自ら綴った問題作「神と人との間」を、「獣道」の内田英治監督が現代風に翻案して映画化した、「TANIZAKI TRIBUTE」企画のうちの1本。
なんとも奇妙な三角関係をコミカルに演じるのは、渋川清彦、戸次重幸、内田慈。
文豪・谷崎潤一郎の同名の問題作をもとに、親友同士の男性2人が、ともに愛する同一の女性をめぐって奇妙な三角関係を繰り広げるさまをコミカルに描いた文芸エロス映画。
開業医の穂積は、熱帯魚を売る店で働く女性・朝子に恋していたが、親友の売れない漫画家・添田も彼女に恋していることを知って、自らは身を引くことを決意。
かくして朝子は、穂積に後ろ髪を引かれつつ、添田と結婚する。ところが、結婚した途端に添田はすっかりサディストに変貌し、愛人を作って朝子を虐待し、穂積にも朝子と不倫をするよう、けしかける始末。
穂積は、添田にコケにされながらも、朝子をプラトニックに想い続ける。
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谷崎潤一郎の女性関係
1915年(大正4年)、谷崎は石川千代子と結婚したが、1921年(大正10年)頃谷崎は千代子の妹・せい子(『痴人の愛』のモデル。芸名葉山三千子)に惹かれ、千代子夫人とは不仲となった。谷崎の友人・佐藤春夫は千代子の境遇に同情し、好意を寄せ、三角関係に陥り、谷崎が千代子を佐藤に譲ることになったが撤回するという「小田原事件」が起きた(佐藤の代表作の一つ『秋刀魚の歌』は千代子に寄せる心情を歌ったもの。
また、佐藤は『この三つのもの』、谷崎は『神と人との間』を書いている)。
結局、1926年(大正15年)に佐藤と谷崎は和解、1930年(昭和5年)、千代子は谷崎と離婚し、佐藤と再婚した。
このとき、3人連名の「……我等三人はこの度合議をもって、千代は潤一郎と離別致し、春夫と結婚致す事と相成り、……素より双方交際の儀は従前の通りにつき、右御諒承の上、一層の御厚誼を賜り度く、いずれ相当仲人を立て、御披露に及ぶべく候えども、取あえず寸楮を以て、御通知申し上げ候……」との声明文を発表したことで「細君譲渡事件」として世の話題になった。
翌1931年(昭和6年)、谷崎は、古川丁未子と結婚するが、1934年(昭和9年)10月に正式離婚。翌年1月、同棲を続けていた森田松子と結婚式を挙げた。
松子が妊娠した際、「藝術的雰囲気を守りたい」という谷崎の意向で中絶したと、谷崎自身が『雪後庵夜話』に書いたためこの件が有名となり、それゆえに谷崎を批判する者も多い。
しかし戦時下に書かれた『初昔』によれば、松子は3人の医師から健康上中絶を勧められたというのが真相で、そうでなければ松子の3人の姉妹や医師をどう説得したのか説明がつかない。
以下のデーターはwowow公式 HP
作品データ
制作年/2018
制作国/日本
内容時間/90分
出演
役名 役者名
穂積 渋川清彦
添田 戸次重幸
朝子 内田慈
美佳 山田キヌヲ
幹子 萬歳光恵
監督
内田英治
原案
谷崎潤一郎
脚本
内田英治
撮影
伊藤麻樹