がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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百十踏揚行脚~万国津梁の鐘~

2010年07月29日 | ・『百十踏揚』を読ム

■万国津梁の鐘■

その冬―――。

首里城では、冬至の朝拝の日に、
「万国津梁の鐘」が掛けられた。

正式には「首里城正殿洪鐘」で、
「万国津梁の鐘」は後代の通称である。



正殿前、御広庭の一隅には鐘楼が築かれ、
懸鐘式は、冬至の朝拝の後、
各地の後、百官が見守る中、
首里那覇の寺僧が勢ぞろいし、厳かに挙行された。

継妃真加戸金とともに、女官、神女たちも、
御内原を出てきた。

本来なら、踏揚も第一王女として出なければならないところであったが、
気分が優れぬことを理由に、うみないび御殿に閉じこもっていた。



外祖父護佐丸、そして「夫」阿麻和利が滅ぼされて、
踏揚の心の傷は深く、
とても晴れがましい場などに出て行く気にはなれなかったのだ。

そもそもこれは、護佐丸・阿麻和利という、「国の憂い」を除いて、
まさに「琉球の平安」を築き整えたことを祝賀する儀式でもあったのだ。


「百十踏揚 572-」(与並岳生著/新星出版)



はい、百十踏揚行脚記事です。

写真は、今年の正月に首里城の「新春の宴」に行った時に撮ったモノ
やっとご紹介…デス。
(’10新春の宴→   

万国津梁の鐘、というのは結構有名。

2000年に沖縄でサミットがあったとき、
作られた迎賓施設も「万国津梁館」と言います。

でも、この万国津梁の鐘が首里城にあることや、
ましてや尚泰久が掛けた鐘であることは
意外と知らない人も多いのでは…。

万国津梁の鐘が有名なのは、
鐘に書かれている銘文です。

一部、紹介します。



琉球国は南海の恵まれた位置にあり、
朝鮮の優れた文物に触れ、
大明国と深く結び、
日本国とも離れがたく結び、
この領域の真ん中に位置して
(徳や幸の)湧き出ずる蓬莱嶋(理想郷)である。

船の往来をもって万国の架け橋となり、
異国の産物宝物は国中に満ち溢れている。
すぐれた地に生きる人々は、
日本、中国の人徳に浴している。

「百十踏揚 574-」(与並岳生著/新星出版)



島国、琉球の気概を現す文としてとても有名なフレーズです。

「平家物語」とか古典の暗唱があるみたいに、
そのまま暗唱テストに出そうなくらい、沖縄では有名。

尚泰久は、仏門に熱心で
多くの寺院を立て、鐘を造らせたことでも有名なのです。



首里城に起こしの際は、
是非、広福門前広場にある、
この万国津梁の鐘も見学していただき、

「万国津梁」の文字を探してみてください


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歴女必見!今、琉球史が熱い!鬼鷲-琉球王 尚巴志伝-

2010年07月29日 | ・現代版組踊レポ

平田大一さんの舞台、
『鬼鷲―琉球王 尚巴志伝(うにわし-りゅうきゅうおう しょうはしでん-)
東京公演まであと2週間となりました。


↑クリックすると拡大します

この舞台はすでに沖縄で3回公演を果たした、
現代版組踊「翔べ!尚巴志」を
多少アレンジした東京版舞台、と言っていいでしょうか。

初演のときから観劇していて、
今年4月の佐敷公演で大変革を成し遂げた「翔べ!尚巴志」の舞台。
(過去記事→ 4/3 4/4

今回のこの「鬼鷲」の舞台は、
肝高の阿麻和利など平田ファミリーの卒業生なども加わり、
それはそれは見ごたえのある舞台になること必至です!!!

この舞台のとある宣伝文句には、
「歴女必見!今、琉球史が熱い!」
ですって(笑)



出演者は、平田大一が指導する沖縄県全域から集った中高生により編成される
舞台「翔べ!尚巴志」の選抜メンバーに加え、
「肝高の阿麻和利」をはじめとする各地域の現代版組踊の卒業生や、
伝統的な芸能に現代的なアレンジを施す手法に賛同した若手アーティストなど。

琉球王朝建設の父【尚巴志】の生き様をベースに、
空手、エイサー、ダンス、芝居、歌、演奏を織り交ぜた
新たな構成の「現代版組踊絵巻」をごらんいただきます。
あなたの知らない「沖縄」、初めて体験する「琉球」の
ダイナミックなエナジーを是非、体感してください。





↑クリックすると拡大します

この特別感溢れる企画に、
思い切って観劇東京遠征決定!!…したのは以前も記事にした通り。

公演は8/12(木)1日だけですが、
昼・夜の二回公演になっています。

昼・夜二回とも見ます。

ネットでチケット申し込みしたら、電話きて、
「昼公演の注文の2分後くらいに夜公演のクリックもされているんですが、これは…」
と言われました(笑)

「あ、両方行きますのでー


大阪公演も追加されたそうですしね…。

くそぅ、このチラシもらったときは大阪未決定だったんだよ…。
知ってたら、大阪にしたかなぁ…。


関西・関東の皆さん!
歴女の皆さん!(笑)

今、琉球史が熱いですよ(笑)

是非、この機会に感動を味わってみませんか!?





鬼鷲*東京公演

2010年8月12日(木)
[昼の部]開場14:00 開演14:30
 [夜の部]開場18:30 開演19:00
(S席5,000円)(A席4,000円)全席指定

.よみうりホール(有楽町・ビックカメラ7F) 

問い合わせ/チケット購入
http://www.shohashi.com/shohashi.html
または
03-5954-8037(受付時間:平日10時~18時)





鬼鷲*大阪公演

  8月8日(日)大阪・吹田公演
18時30分開演
【4500円】全席自由
メイシアター(吹田市文化会館 大ホール)


 8月10日(火)大阪・松原市公演
18時開演(17時30分開場) 
松原市文化会館
       前売り 大人2000円 高校生・大学生1000円 中学生以下500円 
       当日  大人2500円 高校生・大学生1300円 中学生以下700円 

 問合せ
松原市文化会館
ワークショップに参加した松原市の子供達も一緒に舞台に参加するそうです*




ついでに、尚巴志について簡単に分かるMYデジブックもどうぞ♪

『琉球国王・尚巴志』





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コメント (2)
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