がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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平田大一さん完全復活の鬼鷲公演

2015年03月21日 | ・現代版組踊レポ

 

怒涛の年度末&ネコスケを見送り、
やっとこさの鬼鷲レビューです。

メモも何も全くしてないけど
早く何か書かないとスッキリしないので
さらっと簡単に書くことにします。

 

現代版組踊「鬼鷲-琉球王尚巴志伝-」

2015年3月7日(土)
さわふじ未来ホール

 

阿麻和利の卒業公演で
ラスト1枚のチケットをゲットしてましたが
運よく夜公演のキャンセルが出たので
チケットを交代してもらって
夜公演のみを観劇できました。

今回は演出家としての平田大一さん完全復活公演!
「翔べ!尚巴志」(≒鬼鷲)は第1回から見てるし
かつてはミウチも複数出演していた舞台ということもあり
思い入れもひとしおのシリーズ。

パンフレットを見ると見覚えのある
懐かしい面々も。
皆大人っぽくなったな~~~
と時の早さを実感(笑)

気分はもうお母さんですよ。

 

 今回はオキナワンロックの宮永英一さんを
ゲストに向かえての特別演出。

これまでにないロックサウンドと現代版組踊の融合!

冒頭のクーデターのシーンから
その「色」が前面に押し出されてて
現代版組踊観劇100回越えのワタシも
新鮮な気持ちで舞台の世界に入ることができました。


 

アカインコをストーリーテーラーに立てて
尚巴志の偉業を紹介していく、
鍛冶屋、鮫退治、きよらとの出会い、
北山討伐、首里城建築…
これまでの舞台と物語の柱は一緒でしたが
それ以外の部分では変化も大きかったです。

牢屋に入れられたアカインコとオモロ、
そこで出会った謎の男「シンさん」

シンさんにせがまれて、
琉球を統一した尚巴志の物語を語ってゆく。

尚巴志の目指した国づくり、
そして第一尚氏王統の崩壊、
第二尚氏王統の樹立。

実はシンさんの正体は若き尚真王だった。

新しい国づくりを進めるために
尚巴志からヒントを得ようとしたのだった。

なーるーほーどーねー。

物語のリンク具合がたまらない
興味深いストーリー展開でした。

尚真をメインに入れてきたことで
金丸に対するフォローも上手くされてたし。

“尚の姓に第一も第二もない”

ヒーロー金丸像で見た時に
尚姓を継いだ理由としては
この本での設定が面白いかな。

 

 

“天の時 地の利 人の和”

っていうこれまであったキーフレーズは
今回は無くなってました。

個人的に気になったのは
冒頭と、それとラストにも出てきた


“今語られている歴史が真実とは限らない”

というフレーズ。

単純に捉えると、

“歴史書に書かれている
正義の金丸、悪の尚徳(=第一尚氏)
が真実とは限らない”

という意味になるかもしれませんが、

ワタシはこう感じました。

 

“今語られている歴史が真実とは限らない”

“たった今演じられたこの物語もまた、
真実とは限らないのだ

だから、

何が歴史の真実なのか、真実だと思うのか。
それはそれぞれが学び
それぞれが考えていくのだ”

ってね。

舞台が上演されてそれで完結するものではなく、
誰かが考える「歴史の真実」を押しつけるのではなく、
見た人それぞれ一人ひとりがその「次」に進むための
バトンメッセージのような気がしました。

舞台をきっかけにして
今度はそれぞれが学んで考えてゆく、
それこそが現代版組踊の意義の
ひとつでもあるような気がします。

 

 

各キャラ、各演者さん、
それぞれ光ってました!
(個々に詳しく書けなくてスマン。
書きかけたけど長くなるからやめました;)

初参加もコタチもいただろうに
そうは思わせない
全体的にレベルの高い舞台でした!

スタッフ・保護者の皆様もお疲れ様でした!

 

また「次」を期待しています

 

 

 

一応、即日ミニレビューはこちらにも。
「砂を吐く」って分かる?
甘々で見てらんないわ(笑)ってことよ。


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