がじゅまるの樹の下で。

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阿麻和利=英雄?逆臣?それとも…

2018年01月15日 | ・琉球史散策/第一尚氏

 

阿麻和利はヒーロー?
それともヴィラン(悪役)?

それとも……

 

ツイッターで周ってきた情報。
(画像クリックで詳細ページにジャンプ)

 

史劇『護佐丸と阿麻和利』

 

護佐丸・阿麻和利の乱を題材にした
沖縄芝居(うちなーしばい)ですね。

あらすじを読む限り、
正史通りの(逆臣)阿麻和利のようです。

でも、チラシ写真を見ると
伝統組踊『二童敵討』の(悪役)阿麻和利よりも
悪人面でもないし、キリっと普通にカッコイイ感じなので
もしかしたら単純な悪役描写でもなかったりして???

 

ってゆーか、
逆臣、逆賊、悪人、悪役、
微妙にニュアンス違うと思うから
言葉の選択難しいですね…。
でもまあ、言いたいことは伝わりますよね?(^^;)

 

 

そして、公演日の2月24日・25日は、

奇しくも…

 


(画像クリックで詳細ページにジャンプ)

 

現代版組踊『肝高の阿麻和利』卒業公演!

 

こちらはもう、言わずと知れた
英雄・阿麻和利。

 

逆臣・阿麻和利と、英雄・阿麻和利。

 

以前、同じような対比で
伝統組踊と現代版組踊での同時公演がありましたが
今回はウチナー芝居と現代版組踊。

さて、
あなたはどちらの阿麻和利がお好み?

 

個人的なオススメは両方観劇!

さあ、どっちを先に見る??(笑)

 

 

+ + +

 

 

でも、実は最近の私は
絵にかいたような英雄・阿麻和利でもなく、
絵にかいたような逆臣・阿麻和利でもなく、
これら両方の要素を兼ね備えた阿麻和利像を欲しています。


100%の善人も
100%の悪人も
いないもの。

人はだれしも両方の要素を持っているものだし、
英雄像がある反面、そうじゃない面もあるものだから。
見る側(評価する側)によって人物像が変わるのは当然です。

 

 

阿麻和利については、

民に称えられた英雄像っていうのも
もちろんあると思うんだけど、
彼は全て首里に嵌められただけの、
悲劇の英雄ってだけなのも…
道徳的すぎてちょっと物足りないと感じる、今の私。
(昔は英雄阿麻和利ひゃっはー!だったのですが)

ちょっと美化というか、
作られすぎた感もなきにしもあらずかな、と。

 

2000年以降、
肝高の阿麻和利をはじめとする
阿麻和利主人公の創作物がたくさんできて、
ものすごく知名度があがって人気になって、
英雄のイメージのほうがメジャーになった故、

ってのもあるかもしれない。

(2000年以前の創作物にも英雄阿麻和利像を描いたものはあるけど
やはり一般への浸透度や知名度はまだまだだったわけで…)

かつては
阿麻和利=逆臣
というイメージが、

今は確実に
阿麻和利=逆臣<英雄
になってってる気がする。
(特に若い世代。むしろ逆臣像を知らなかったりね)

 

でもあまりにも
阿麻和利=英雄(善人)一辺倒
な風潮になってくると
ちょっと、う~ん……

 

…ってね(笑)

 

昔ながらの伝統組踊や
ウチナー芝居では既にそれ(逆臣像)はあるので
願わくば、
今の劇や小説でそんなエッセンスのちょこっと入った
阿麻和利が出てこないかなーと。

 

だから、このポスター見た時は
「おッ!
ってなったのよ。
この阿麻和利出陣祭を題材にした映画もできるようで…

 

過去記事で描いた逆臣・阿麻和利イラストのリテイク版。
これ(正史)はこれで、悪役に偏りすぎ(笑)


 

例えば、
坂本龍馬もその絶大な人気ゆえに、
最近はその定着している英雄キャラとは違った
影というか、裏というか、狡猾というか、
そういうこれまでの彼のイメージを覆すような
人物像にアプローチしたものが増えたりしてますよね。

 

阿麻和利もそんな感じで
(勝連から見たら)民衆の味方で、
英雄と称えられていながらも、
野望(夢ともいう)は持っていたり、
戦力(繁栄・勢力ともいう)増強に努めたり、
場合によっては自ら攻めることも辞さないというような
(首里側から見たら)本当に脅威に思えるような面があって、
(行動力があるともいう)

ちょっと大胆不敵と言うか、
男気、武将魂、叩き上げてきた主体的な強さというか、
ちょっとピリッ、っとするような部分を兼ね備えた
人物像が出てきてもいいんじゃないかな?
と思っています。

(それでいて百十踏揚とはラブラブだとしたら…
ほら、そうだとちょっと面白くなりそうでしょ?)

 

 

ただ首里に騙されて使われて滅ぼされたってだけじゃ
ちょっと主体性に欠けるというか
優しすぎるというか、
まあ、優等生すぎるもんね…。

 

誤解のないように書くと、
肝高の阿麻和利の阿麻和利をディスってるわけじゃないです。
(ワタシの原点なのですから!)

肝高の阿麻和利の阿麻和利はそれでいいんです。

きっとこれが今の英雄・阿麻和利像のベース
になっていると言っても過言ではないと思うので。

肝高の阿麻和利はこれからも
理想的な英雄・阿麻和利を突っ走ってほしいです。

 

それがあるからこそ、
また違った阿麻和利像が楽しめるのですから。

 

 

ようは何が言いたいかというと、

しょっちゅう言ってることですが、

 

阿麻和利像は1つじゃない!

色々な阿麻和利像があっていい!

それぞれで考えて、調べて、想像して、
最終的にはあなたなりの阿麻和利像を作ればいい!

 

ですね。

 

だから、


阿麻和利は英雄なの!逆臣像なんて絶対認めない!

とか

阿麻和利は逆臣だ!英雄像はねつ造だ!

ではなく、

色んな人物像も、
どんな人物像も、
まずは受け止めて、
多面的に捉えて考えてみて、
その上で、自分なりの阿麻和利像を描けばいい。

 

それが歴史を楽しむことだと
私は思うのです☆


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