がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

当サイトの掲載写真・イラスト等の無断転載/無断使用を禁じます

琉球の花火

2019年08月17日 | ・琉球史散策/第二尚氏

組踊300周年記念イヤーも後半戦、
加えて夏休み期間ということで
あちらこちらで組踊関連の企画が
目白押しですね。

お盆時期恒例の沖縄ホラードラマも
今年は「琉球トラウマナイト」「オキナワノコワイハナシ」の
2夜連続で『執心鐘入』題材の話があったのには
さすがにぶっとびまし

おかげで10年前に執心鐘入のあらすじを紹介した記事が
ここ数日ずっとアクセス数トップです。

どうもありがとうございます。

 

 

しかし、私は組踊は組踊でも、
今、興味関心がアゲアゲなのが

琉球の花火

なのです

冊封使をもてなす宴で芸能(琉舞や組踊)が披露され、
そのクライマックス、おおとりとして披露されたのが
なんと「花火」でした。

以前、このニュースで『火花方日記』の絵図を見た時から、
琉球の花火にすっかり虜になってしまいました。
(動画は公開終了で現在は見れません。残念…)

 

 

琉球の花火は
打ち上げ花火や手持ち花火ではなく、
スタンド式のからくり仕掛け花火。
(※ただし時代によって変化あり)

1866年(尚泰冊封)の『火花方日記』に記録されている花火は
どんなものかというと、

 

こんなん。

ちなみにこの画像は、昨日行われた首里城講座
『琉球国の舞台と花火―甦る300年の伝統ー』
で配られたチラシです。

現在の私たちが「花火」と聞いて
イメージするものとは違う驚きと、華やかさがありますね

講座でもこの画像が写し出されとたん
会場から「わぁ~」と声が上がっていました。

 

赤いふさふさが火です。
噴水状のものと、回転式のものと、
それから飾りを魅せるための照明(ランプ)としての花火。

ちなみに着火前は、

 

 

こう。

こちらも同上のチラシ(裏)より。

どういう仕組みで着火だけであれだけの展開が可能になるんだろう…

 

このようはスタンド式のからくり仕掛け花火が
他にあと4種類あって(全5種類)
それぞれ異なる趣向をこらしています。

この花火の担当者(火花方)任命や
5つの花火のうち誰がいくつ担当するかを巡って
ライバル争いがあったというエピソードは
人間臭くて面白かったです(笑)

↑の花火を担当した安里さん(安里筑登之親雲上)は
父・祖父が花火を代々担当してきた家なのに、
他のライバルに負け1つしか担当させてもらえなかったらしい。

最初は不服申し立てをするも、
本番が終わって後の(冊封使からの)リクエスト再演に指名されればいいや、
と、申し立てを取り下げ、本番は1つということに甘んじたのに、
まさかのリクエスト指名もされなかったという…

 

そんな(ちょっとカワイソウな)安里さんの花火↑が
今秋、復元披露される予定です→  

 

その前に、

 

こちらの講座もいかがですか?

国立劇場おきなわの研究講座「17191年朝薫の舞台」

 

花火について特化した講座もあるので
要チェックです!

全部平日開催ですが、入場無料です。
(要受付・先着順)

 

 

ところで、今年の首里城の中秋の宴は
影を潜めすぎているんだけど
なんなんだろうか…。

一応日程は9月14・15日みたいだけど、
(県博の首里城関連の掲示物で確認)
公式HPには出てないしチラシも見ないし、
プログラムも不明。

組踊300周年の、
正真正銘の現場である首里城の、
中秋の宴で、
特別なにもない?って……いいんだろうか…

組踊300周年イヤーの集大成は、
まさにこの首里城中秋の宴だと思っていたんだけど…
ちがうのか?

仮に何かする計画があるとしても、
今になってもちゃんとした情宣がなさすぎるのは、不安…


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする