「好きな小説はなに?」
「よしもとばななの『アルゼンチンババア』だね」
そんな会話をした。
映画になっているのも知っていた。
だが、観たことはなかった。
小説を読んで、本当に好きになったなら映画にも手を出すでしょ。
どんなテイストになるか気になるだろうしね。
でも、そうはしていなかった。
自分の好き度合はたいしたことないんじゃないか、と思った。
小説自体、何度も何度も読み返して内容を隅から隅まで覚えているわけでもない。
「何だか好き」それぐらいだったのかな・・・
「じゃあ、映画観てみよう」と行動に移す。
こんなんだっけ・・・
原作をきちんと覚えていないから、あやふやなかんじになる。
ただ、はっきりと間違いなくわかるのは薄っぺらくなっていることだ。
そして原作を読み返す。
一時間あれば、たっぷり丁寧に読み終えることができる。
こんなに短かったっけ・・・
そんなことも忘れているぐらいの私。
自分で自分が恥ずかしくなる。
難しい言葉なんて、いっさい使っていない文章。
だからこそ、響いてくるのかな。
涙が出てくるような優しい表現。
みんなみんな許せるような人に描かれている。
「死」が大きなテーマであるのに、暗い雰囲気なんてぜんぜん漂ってこない。
逆に、死があるからこそ生きている人物が際立ってさえいる。
映画は小説の世界観が10%も伝わってきてないね。
よしもとばななは、これで本当にOK出したのかな・・・
小説ファンが観て、満足することはまずないような気がする。
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