少し前に「亀卜の臭い」と題する記事をアップしましたが、江戸時代の『亀鑑』という書を読んでいてこれに関連する記述を発見したので、取り上げてみます。
昔ハ亀を殺シスクニ用タルト見ユ 東山院大嘗会ニ吉田殿トセラレシニ生亀ヲ焼シシニ御庭二三日臭カリシ コレ浮レ甲ヲ用ルコトヲ知ラヌユヘ也 甲ヲ二三年モカラシテオカネハクサシ
上記は『亀鑑』の眉批の文章ですが、前に取り上げた記述と同様に東山天皇の大嘗祭についてコメントしたものです。この時に生きた亀を殺してその甲羅を亀卜に用いたところ、二三日異臭が消えなかったというが、生きた亀の甲羅ではなく「浮(うか)れ甲」を用いれば異臭がしないといったことを述べています。
「浮れ甲」とは海岸に打ち寄せられた海亀の死体から取れる甲羅を指すようですが、末尾の一文によるとこれも打ち寄せられたものをそのまま用いるのではなく、二三年乾燥させるなどの処置をしておく必要があるということなんでしょうね。
昔ハ亀を殺シスクニ用タルト見ユ 東山院大嘗会ニ吉田殿トセラレシニ生亀ヲ焼シシニ御庭二三日臭カリシ コレ浮レ甲ヲ用ルコトヲ知ラヌユヘ也 甲ヲ二三年モカラシテオカネハクサシ
上記は『亀鑑』の眉批の文章ですが、前に取り上げた記述と同様に東山天皇の大嘗祭についてコメントしたものです。この時に生きた亀を殺してその甲羅を亀卜に用いたところ、二三日異臭が消えなかったというが、生きた亀の甲羅ではなく「浮(うか)れ甲」を用いれば異臭がしないといったことを述べています。
「浮れ甲」とは海岸に打ち寄せられた海亀の死体から取れる甲羅を指すようですが、末尾の一文によるとこれも打ち寄せられたものをそのまま用いるのではなく、二三年乾燥させるなどの処置をしておく必要があるということなんでしょうね。