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博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

亀卜の臭い 補足

2008年04月18日 | 学術
少し前に「亀卜の臭い」と題する記事をアップしましたが、江戸時代の『亀鑑』という書を読んでいてこれに関連する記述を発見したので、取り上げてみます。

昔ハ亀を殺シスクニ用タルト見ユ 東山院大嘗会ニ吉田殿トセラレシニ生亀ヲ焼シシニ御庭二三日臭カリシ コレ浮レ甲ヲ用ルコトヲ知ラヌユヘ也 甲ヲ二三年モカラシテオカネハクサシ

上記は『亀鑑』の眉批の文章ですが、前に取り上げた記述と同様に東山天皇の大嘗祭についてコメントしたものです。この時に生きた亀を殺してその甲羅を亀卜に用いたところ、二三日異臭が消えなかったというが、生きた亀の甲羅ではなく「浮(うか)れ甲」を用いれば異臭がしないといったことを述べています。

「浮れ甲」とは海岸に打ち寄せられた海亀の死体から取れる甲羅を指すようですが、末尾の一文によるとこれも打ち寄せられたものをそのまま用いるのではなく、二三年乾燥させるなどの処置をしておく必要があるということなんでしょうね。
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『王昭君』その2

2008年04月17日 | 中国歴史ドラマ
『王昭君』第7~12話まで見ました。

嬙児の幼馴染みの王懐は彼女にふさわしい男となるために兵役を志願し、匈奴との前線へと配属されます。漢の支援を得た呼韓邪単于は郅支単于を打ち破りますが、肝心の王懐の属する部隊は郅支単于の息子の屠耆孤塗の軍によって壊滅状態に追い込まれます。唯一生き残った王懐はなぜか屠耆孤塗に気に入られ、匈奴の客将「阿多木将軍」として行動をともにすることに。何か若くしてもの凄い波乱の人生を歩んでますな(^^;)

一方、秭帰県には都から後宮の美女を選抜する使者が到来。王懐の生存が絶望的という報に接した嬙児はヤケクソになったのか選抜に志願。彼女が元帝の寵姫で早逝した李貴妃に瓜二つということもあり、宮女に選ばれ、家族と別れて都に赴くことに。

しかし嬙児を諦めきれない秭帰県県令の張子先は夜な夜な黒覆面に身を包み、読書人とは思えない見事な軽功を駆使して(一応師匠について剣の修行をするシーンはありましたが……)彼女を攫おうとしますが、事が露見し、罰として免職のうえ北方で労役に就くことに。嬙児のおかげで人生を踏み外した男がここにまた一人…… やはり彼女に思いを寄せる王盾も軍人として再び辺関へと出征します。

後宮に入った嬙児は教育係の蔡姑姑から「昭君」の字を授かります。すなわち王昭君の誕生です。この蔡姑姑を演じるのが陳家林の歴史ドラマの常連李建群です。今まで『康熙王朝』の容妃(康煕帝の寵姫で良妻賢母を地で行く性格だが、康煕帝の不興を買っての身分に落とされ、悲惨な最期を遂げる)とか『江山風雨情』の崇禎帝の皇后など幸薄い役柄が多かったのですが、今回も元帝の寵愛を得られないまま後宮で飼い殺しの運命に遭っている宮女という設定で、もう見た目からして幸薄そうなオーラが漂ってます(^^;)

ここで王昭君が宮廷画師の毛延寿に似顔絵を描いてもらう際に賄賂の金子を渡さず機嫌を損ねるというお馴染みのエピソードが登場します。また元帝の皇后の王政君(新の王莽の伯母にあたる人物です)からも要注意人物としてマークされてしまいます。果たして王昭君の運命や如何に?

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『太王四神記』第19話

2008年04月15日 | 韓国歴史ドラマ
気を取り直して昨日の『太王四神記』です。

幼い頃の記憶を取り戻した荷(キハ)は療養中の大長老を殺してすべての片をつけようとします。この大長老、実は2000年前からの虎族の生き残りで、火の力を盗んで不死身の体を手に入れたのでありました。そういうわけで同じ属性の荷(キハ)の火の力では大長老を倒すことが出来ません。同じ属性だとダメージを与えられないとか、またもやRPGっぽい設定が出て来ました(^^;)

しかしこの大長老、何でも知っているという顔をしておきながら荷に妹がいたことを知らなかったりと、やはりどこか抜けてますね。

一方、談徳の親征軍が迫る中、虎凱(ホゲ)は契丹の片田舎でやっとこさ白虎の神器の持ち主である巴巽(パソン)の兄を発見。しかし彼が白虎の転生というわけではなく、モタモタしている間に彼は自決してしまい……
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お台場へ

2008年04月15日 | 留学
実は昨日、東京お台場まで「中国政府奨学金留学生」の面接審査というのに行ってました。実は今年の9月から中国への留学を考えてまして、これに通れば向こうの大学の学費・寮費などが支給されることになるのですが、どうにも面接の結果に自信が持てません(-_-;) 詳細はまた結果がわかってから(来週にも結果通知が届くとのことです)ということで……

で、折角お台場に来たということで、しばらく前に台場小香港の中にオープンしたはずの上海新天地東京店を見たかったのですが、それらしい店舗は見当たらず。まさか早々に閉店しちゃったのでしょうか?小香港の一角に不自然なスペースがあったのですが、ひょっとしてそこが店舗の跡だったとか……
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『大航海』No.66 「特集:中国 歴史と現在」

2008年04月13日 | 中国学書籍
新書館発行の『大航海』第66号で「中国 歴史と現在」という特集をしていたので読んでみました。この雑誌は以前白川静の追悼特集をしていた雑誌ですね。

人文系中国学からは礪波護・藤井省三・加藤徹・高木智見・上田信・小島毅といった諸氏が寄稿しています。詳しいリストはこちらの公式サイトを参照のこと。

個人的に興味深かった論考は以下の通りです。

礪波護「京都の中国学」:
吉川幸次郎・宮崎市定・貝塚茂樹・白川静の微妙な関係に言及。特に宮崎先生は殷周史専攻の貝塚先生という同僚がいながら西周抹殺論を唱えたりと不審な所があったのですが、宮崎先生が先に中国古代都市国家説を唱えたのに、貝塚氏が中国古代封建制説から都市国家説に鞍替えするのに宮崎説に言及しなかったりと、色々あったんですね……

松本健一「共産党王朝が倒れる時」:
要するに日本人はいつの時代も現実の中国を直視せず、自分達の見たいバーチャル中国を見続けてきたということで……

高木智見「自己修養の三千年」:
『江沢民文選』を古代からの修養論の伝統を受け継ぐものとして評価。言ってみれば現代の『貞観政要』みたいなもんでしょうか。

岸田秀×国分良成(対談)「羊が狼になる日」:
台湾総統選で馬英九、謝長廷のどちらが当選しても大陸にとっては痛し痒しで、中台関係の大勢に影響は無いよね。とか、映画『ラスト、コーション』が受け入れられる中国社会とは?とか、ぶっちゃけすぎる発言が満載です(^^;)

ただ、ひとつ惜しいのは今回の特集の編集時期がギョーザ事件より前だったことですね。ギョーザ事件とチベット騒乱(この事件ももう一つしっくりくる呼び方が無いですね。取り敢えずこのように呼んでおきます。)を踏まえれば全体の論調がもう少し変わっていたかもしれないと思うと残念ではあります。
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『ログイン』休刊に感慨

2008年04月11日 | ニュース
「LOGiN」が休刊へ(Yahoo!ニュース)

上の記事によると、アスキー(エンターブレイン)から発行されていたパソコンゲーム誌『ログイン』が5月24日発売の号をもって休刊するとのこと。

ニュースにも少し説明があるように、この雑誌はパソコンゲーム以外の『三国志』やら戦国武将、ファンタジーなどの連載コラム、お笑い記事、読者投稿コーナーなんかがやたらと充実しており、私も中高生の頃は(バソコンを持っており、この雑誌を購読していた友人の家で)愛読していました(^^;) 

10年ぐらい前にリニューアルしてパソコンゲームのことしか載せなくなったあたりから読まなくなったのですが(今思うと、それもどうなんだろうという気がするなあ……)、いざ休刊となると何だか感慨深くなってきますね。

上の記事では『マイコンBASICマガジン』も今月で休刊とありますが、こっちは今の今まで刊行されていたことの方が驚きです(^^;)
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『王昭君』その1

2008年04月11日 | 中国歴史ドラマ
『神雕侠侶』の郭襄役などでお馴染みの楊冪が主演というのと、「中国版チャングム」という触れ込みに惹かれてこのドラマを見てみることに。『薛仁貴伝奇』といい、××版チャングムというキャッチフレーズに何回騙されたら気が済むのかというお叱りは、本人が重々承知しているおりますので勘弁してください(^^;) 

監督は歴史ドラマ制作のベテラン陳家林です。『康熙王朝』の監督と言われると「おおっ!」という気がしますが、『大敦煌』の監督と言われると何だか不安になってきます……

今回は全30話中第1~6話までを鑑賞。

ここら辺は後に王昭君を娶ることになる呼韓邪単于と、その兄の郅支単于との戦いが描かれたり、漢の後宮での后妃たちの寵愛争いがクローズアップされたりと、後々の伏線を仕込んでいる段階です。支援を求めて漢の宮廷に転がり込んだ呼韓邪単于が元帝の寵姫李貴妃の舞に心を奪われて、「俺もいつかはこんな美人を嫁にしてやる」と決意するシーンも、後で生きてくることになるんでしょうね。(なお、呼韓邪単于が漢に支援を求めたのは実際には元帝の父親の宣帝の時代ということですが……)

で、後の王昭君こと嬙児はまだこの段階では現在の湖北省にあたる土地で村娘として暮らしています。彼女に思いを寄せるのは幼馴染みの猟師の少年王懐、その兄で対匈奴戦に従軍して若くして将軍となった王盾、そして地元秭帰県の県令張子先です。何だかチャングムというよりも瑛太が三人出て来る『篤姫』という感じですが(^^;)

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横店ドキュメンタリー/『黄真伊』

2008年04月09日 | 韓国歴史ドラマ
今月はNHK-BSで見たい番組が目白押しなんですが、なかなか鑑賞が追っつきません。

取り敢えず4/4 BS1で放映の『世界のドキュメンタリー 世界最大の映画村 誕生』と、4/5からBS2で放映が始まった韓国歴史ドラマ『黄真伊』(ファン・ジニ)を鑑賞。

『世界のドキュメンタリー』の方は、中国古装片のロケ地として知られる浙江省の横店を取材したもの。撮影現場であると同時に観光地でもある横店の舞台裏を追っており、何潤東(ピーター・ホー)主演のドラマ『精武飛鴻』の撮影風景なんかが取り上げられていました。

また創設者が人民解放軍と関わりがあり、その関係で近現代史や軍事に関わるアトラクションや展示もなされているというのが興味深いところ。このドキュメンタリー、欧米の制作かと思いましたが、公式サイトによると中国制作となってますね。海外向けの作品なんでしょうか。

『ファン・ジニ』の方は朝鮮王朝の時代の妓生が主人公のドラマで、貧困の生まれながら芸の才能に恵まれた主人公と恵まれた環境にあるライバルとの絡み合いあり、身分違いの恋愛ありと、設定を見てると妓生版チャングムというか、舞台を朝鮮王朝に置き換えたベタな少女漫画みたいな作品です(^^;)

しかし第1話を見る限りでは普通に面白いですね。同じ曜日にやっている『大敦煌』より出来は良さそうです。
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阪神×中日戦

2008年04月09日 | 旅行・オフ会・展覧会
今日は某新聞社のチケットで甲子園ナイター阪神×中日戦を見に行ってました。

甲子園は現在リニューアル中で、2009年に改装が完了ということですが、外壁のツタが取り払われてツタの写真パネルが一面に貼り付けてあったり、リニューアル途中感がありありと感じられる状態になってました(^^;)

試合の方は接戦で9回に危うく逆転されかけるという所まで行きましたが、何とか勝利に漕ぎ着けました。後は金本アニキの2000本安打を拝めなかったのが心残りと言えば心残り……
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『太王四神記』第18話

2008年04月08日 | 韓国歴史ドラマ
今回の冒頭でようやく倭国の話題が出て来ましたね。高句麗の使者の弁によると、倭国は新羅で散々略奪をはたらき、更に百済と結託して伽耶に拠点を置こうと企んでいるとのこと。これが倭国との戦いの伏線になるのか、それとも倭国絡みの話はスルーされるのか注目されるところです。しかし「倭国の軍が新羅の海岸線のどこに出没するのかわからない」というのは、後代の倭寇のイメージが投影されてしまっているようですね。

談徳(タムドク)は主武峙(チュムチ)を契丹の地に送り込み、遠征というか各地で虐殺を繰り広げる淵虎凱(ヨン・ホゲ)に「国内城に帰還しなけりゃ貴様は謀反人だ!」と最後通牒を通告させ、更に密かに捕らえられた巴巽(パソン)と達妃(タルビ)を捜させます。

一方、自分が朱雀の神器の守り主の一族だと知った秀芝妮(スジニ)は悽露(チョロ)とともに荷(キハ)のもとに乗り込み、火天会の手先である荷が自分の両親の殺害に関わったと決めつけて仇討ちをはかります。秀芝妮と戦っているうちに荷は火天会に攫われる以前の記憶を取り戻し……という非常にいいところで次回に続きます。
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