yabanjin-soulのTシャツ魂

ロック魂を手描きで表現するyabanjin-soulのたわごと・ひとりごと

泣いてしまった映画6

2015年11月20日 | 映画
この映画の見どころはガンマンの撃ちあいのシーン、ではなく、

愛情というものがどれだけ人の心に影響を与えるのか、ということに尽きる。

この映画に一切出てこない女性からの愛情が「動くものならすべて撃ち殺した悪党マニー」をどれだけ変えたのかを見せつける映画なのであって、

ボクの中では、西部劇の見どころの「撃ち合いシーン」なんかではないってところがミソだと思ってるんだよね。

もちろん、西部劇ファンなら喜ぶ勧善懲悪の要素も取り入れてはいるし、

一人で大勢に立ち向かうという西部劇ファンも喜ぶようなシチュエーションもあるから、エンターテイメントとしても何ら遜色ない出来栄えであることにも間違いじゃないしね。

ならず者マニーを演じるのがクリントイーストウッド。

敵役の保安官を演じるのがジーンハックマン。この人がまたホントにうまいんだよ。

愛嬌はあるし保安官の主張も実際は間違ってないし、それでいて悪役でもあるという難しい役どころはきっと彼以外には無理だったかもしれない。

「自分の町では一切人殺しはさせない。」と賞金目当てに集まってくる悪党どもを蹴散らして回るめっちゃ怖い保安官。

ね?立場が変わればこんなに心強い味方はいないよね。

ただ、売春婦とかに一切の同情心を持ち合わせていないから今回は悪役になってしまったというわけ。

その保安官たちとの果し合いが終わった後、息をひそめてひっそりと隠れている(?)町の人ったちに、「女を傷つけるな!人の命を軽く扱うな!さもないとお前たちを殺してやる!」と怒鳴って去っていく姿で終わるんだけどこれも本編だけでは涙が出ず、

最後のエンドロールで「マニー夫人の母親が墓参りに訪れたところ、マニー一家はすでにそこでは暮らしておらず、マニー夫人のお墓だけがあった。マニーの家族(子供が二人いた)が賞金を元手にロサンゼルスで商売して成功を収めたという噂がたった。」という内容を読んでウルウル来てしまった。

どういうことかというと

この映画の始まりでこの話のエピソードとして「マニー夫人が両親の反対を押し切って結婚したものの流行り病で亡くなってしまった。」と流れ、

本編で「昔、人殺しマニーとして生きてきた男がまるっきり銃の扱い方すらもおぼつかなくなってる普通の農夫」として登場し、その片りんを見せて活躍したあと、最後のエンドロールに続くもんだから、

いかに「マニー夫人の影響で変わったか」がそこで初めて理解できたというか、

マニーはきっと奥さんの忘れ形見の二人の子どものためだけに生きているんだろうなと察せられたし、

とにかく、どんな人だったのかはわからないけれどマニーの人格に相当な影響を与えたに違いないということが腹の底から感じることができた。



Unforgiven (1992) Official Trailer - Clint Eastwood, Morgan Freeman Movie H


はっきり言うと、この映画を観るまではボクの中ではクリントイーストウッドのことは大して評価もしていなかった。

マカロニウエスタンで人気が出て、「ダーティハリー」みたいにドンパチやってる役者さんぐらいなものだったんだけど

この映画以降、彼の作品を観るようになって、しかも彼の監督作品は大概において面白い。

泣くほどではないんだけど、深い感動を味あわせてくれるんだよね。

この映画も何度見ても感動するので

是非ともご覧になってみてくださいませ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする