今回もキノコネタ、最高級「マツタケ」。
キノコは菌ですが、菌も何を栄養分にしているかは、当然種類によって異なります。
前回のツキヨタケやシイタケは枯れた木を栄養源にする「木材腐朽菌」。
これは枯れたり、倒れたりして、死んでしまった木に発生するキノコ。
また、幹に傷がついたり、枝が折れたりして、一部死んでしまった部分にも発生します。
なので、生きている木からキノコが出ていると、木の中に死んだ部分(腐った部分)が発生し、樹勢が弱っているというサイン・・・とも言えます。
他にも落ち葉を栄養源にする「落葉分解菌」、昆虫類やクモ類に寄生する「冬虫夏草」、動物の排泄物を栄養源にする「糞生菌」というのもあります。
マツタケは「菌根菌」になります。
「菌根菌」とは、生きた樹木の根に寄生して共生するキノコで、マツタケはマツ、ホンシメジはコナラの根に寄生し、共生しています。
寄生というと、何か悪いイメージを持ってしまいますが、菌根菌は樹木の根が吸収できない・吸収しにくいミネラル分を吸収し、それを樹木に提供する代わりに、樹木が生産した栄養分をいただいているので、お互いにメリットがあるので、「共生」していると言われています。
ただ、マツタケは、落ち葉が多い・腐葉土が発達したマツにはあまり生えません。
落ち葉のないマツの下でないと、他の木材腐朽菌や落葉分解菌に負けてしまうようです。
昔は、マツの葉は焚きつけの燃料として使われていたので、マツ林の下に落ち葉が少なく、マツタケがたくさん生えたそうです。
僕の祖父も、若い頃は両手に抱えきれないくらいのマツタケを採ったと言って、その時の写真を見せてもらったことがあります。
これマツタケ?って思うほど、大きいものもありました。
あと、マツ枯れが進んで、マツ林が減少し、マツタケが発生する環境が非常に少なくなった・・・なんてことも。
マツタケが発生しにくくなったという話は、「美味しんぼ」105巻を読んでください。
海原雄山がマツタケの先行きを憂いています(林業の将来も憂いています)。
あと、「こんなところでマツタケは採らん」とも怒ってます。
(どうでもいいことですが、マツタケの解説は、知り合いの樹木医です。長男の保育園の同級生のおじいさん。もっと、どうでもいいか)
昔(15年程前)、採ったマツタケ。
今、あの松林はどうなっているのか・・・、当時でもシダや落ち葉が多かったからな~・・・。
あと、マツタケアレルギーというものがあります。
触ると皮膚炎など、食べると頭痛などが起こったりするそうです。
マツタケを食べてアナフィラキシーショックを起こしたという事例もあるくらいです。
ちなみに、マツタケが腐るとヒスタミンが発生するそうです。
なので、腐ったマツタケを食べてしまうと嘔吐・腹痛を起こしてしまいます。
高級食材だからといって、絶対安心というわけではなさそうですね。
マツタケアレルギーを詳しく知りたい方は、こちら↓