写真はニホンザリガニですが、内容はアメリカザリガニです。
アメリカザリガニが侵入すると生態系が変わります。
アメリカザリガニは雑食で、水草や水生昆虫も食べますが、それだけでなく、落ち葉や泥のような有機物も食べます。
つまり、アメリカザリガニが棲む池に生き物がいなくても、落ち葉さえあれば、生きることができる・・・というわけです。
落ち葉を主食にすることができるので、共食いも起きません。
なので、アメリカザリガニは増え続ける・・・というわけです。
さらに、ヤゴなどを捕まえやすいように、食べもしない水草をスパスパと切って、エサを捕りやすい環境に変えるという行動もとるそうです。
溜め池の周りに木があって、毎年、池に落ち葉が落ちるという環境であれば、アメリカザリガニは生きることができます。
昔は、薪をとるために木が切られ、堆肥や緑肥に使うため、落ち葉が集められました。
しかし、現代は、木も使われず大きくなり、落ち葉も使われず深く積もります。
森林を利用しない/木材を利用しないということが、アメリカザリガニのみが生息できる環境を作り、水の中の生態系が崩れていくそうです。
仮にアメリカザリガニがいなくても、落ち葉という有機物まみれの池だと生息できない生き物もいます。
森林を利用しない/木材を利用しないということが、森の中にある小さなため池まで悪影響を与える可能性もあるということです。
もちろん、森林利用だけで、アメリカザリガニの問題は解決するわけではありませんが、森林整備や森林保全だけでなく、森林利用も改めて見直さないといけないと思います。