秋から冬にかけて、シカをはじめ、色々な「糞」を見る機会が多くなります。
夏でも、全く見れないというわけではありませんが、センチコガネなどが「糞」を分解するので、見かける糞のほとんどが新鮮な糞かなと思います。
なので、シカの推定個体数を調査する糞粒法や糞塊法は、糞を分解する生き物の活動が停止する秋から冬にかけて行われます。
余談ですが、大阪府立環境農林水産総合研究所(幸田良介 氏)が糞塊除去法というシカの推定個体数を調査する新たな方法を開発しました。
今回は、シカの糞、カモシカの糞、ウサギの糞、それぞれの見分け方について。
シカの糞とカモシカの糞の形は「俵状」で、糞の大きさは個体の大きさによって異なります。
ウサギの糞の形は「球形」です。
写真を並べて比較します。
左の写真「俵状」の糞がシカ、カモシカで、右の写真「球形」の糞がウサギです。
では、同じ俵状の糞をする「シカとカモシカの違い」は?
シカは、食べながら、歩きながら、ポロポロと糞をします。
なので、シカの糞はパラパラと点在することが多いです。
一方、カモシカは、腰を落として糞をするため、一ヵ所に糞が集まる「ため糞」になります。
左の写真は「シカの糞」、右の写真は「カモシカ」の糞です。
俵状の糞が、パラパラとあちこち点在すると「シカの糞」、一ヵ所に集中したため糞になっていると「カモシカの糞」になります。
おさらいします。
球形の糞は「ウサギ」。
俵状の糞がパラパラと点在していたら「シカ」。
俵状の糞が一ヵ所に集中したため糞になっていたら「カモシカ」。
という覚え方で、一度、糞の同定を行ってみてください。
山に行って、動物の糞を探して、どんな動物がいるのか、想像するのも一興です。