山の中には、サソリに似た小さな虫「カニムシ」という生物がいます。
体長は5ミリ以下の小さな虫で、さらに小型の虫、ダニやトビムシなどを捕食します。
落ち葉の下など土壌で生活するタイプ、スギやヒノキなどの樹皮下で生活するタイプがいるそうです。
上記写真の本種は、ヒノキの樹皮で見つけたカニムシで、名前は分かりません。
「トゲヤドリカニムシ」かな~と思っているところです。
さて、2018年6月、国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所が「マダニを捕食するカニムシ」を発見したと報告されました。
マダニの新たな天敵とされるカニムシの名前は、「オオヤドカリカニムシ」。
このカニムシは、アカネズミと共生し、主にコナダニなどを食べているとのことです。
このオオヤドリカニムシに、マダニの幼虫を与えたところ、ハサミでガッと捕まえて食べたそうです。
さらに同じサイズのマダニの成虫も捕食するとのことです。
しかも、オオヤドリカニムシがマダニを捕食する、世界で初めて、天敵であることが示されたそうです
ちなみに、アカネズミはオオヤドリカニムシを食べないのか?
研究によると、カニムシが近寄ってきても、少しニオイをかぐだけで、カニムシが毛をつかんで、背中に乗っても、アカネズミは振り落とすようなことはしないそうです。
ネズミを吸血するマダニを食べてもらうためではないか・・・と推測しており、ネズミとカニムシは共生関係にあるかもしれないということです。
SFTSなどの感染症を媒介するマダニを食べてくれるカニムシ。
体長5ミリととても小さい虫ですが、マダニの天敵、頼もしいですね。
サソリに似た虫「カニムシ」。
山や森に行ったとき、一度、探してみてください。