はぐくみ幸房@山いこら♪

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冬芽

2020年12月18日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 冬になって、葉が落葉すると樹木の同定って、難しいですよね。

 冬でも樹木を同定したい!、冬でも樹木観察を楽しみたい!、と思ったら、冬芽(とうが)の観察がオススメです。

 

 冬芽とは、「休眠芽(きゅうみんが)」ともいい、冬の寒さに備え、次の春に開く葉や花の芽を寒さや乾燥から守るために作られます。

 春になって、無事に葉が開き、花の蕾がふくらむと、冬芽は脱落します。

 

 冬芽にも色々なタイプがあります。

 ①芽鱗(がりん)を持つタイプの「鱗芽(りんが)」。

 ②芽鱗をもたないタイプの「裸芽(らが)」。

 ③芽鱗の表面に蝋質や油肥を被うタイプ。

 ④冬芽の全部または一部を葉痕の中に隠すタイプの「陰芽(いんが)」。

 

 ①「鱗芽」

 樹種によって、覆われる芽鱗の枚数が違います。

 アラカシ、シラカシ、コナラなどの樹木は、多数の芽鱗に覆われています。

 

 アラカシの冬芽。

 パッと見た、海にある”亀の手”に似ていません?

 

  クスノキの冬芽。

 

  シラカシの冬芽。

 

  コナラの冬芽。

 

  ヒメシャラの冬芽。

 

 

 イロハモミジ、ホオノキ、ネジキなどは2枚、タラノキは3~4枚の芽鱗に覆われています。

 ネジキの冬芽。

 

 イロハモミジの冬芽。

 イロハモミジは、葉っぱが対になって生える「対生」なので、冬芽も対生になっています。

 寄り添い合う感じで、可愛らしい冬芽ですよね。

 

 ②裸芽

 このタイプは、アカメガシワ、ムラサキシキブ、オニグルミ、サンショウなどの樹種です。

 身包みをはがされた冬芽って感じで、寒そうだなと同情します(^_^;)。

 

 アカメガシワの冬芽。

 実際の冬芽をよーく観察すると、アカメガシワの葉っぱの特徴が窺えます。

 是非、ご自身の目で、ご確認下さい!

 

 オニグルミの冬芽。

 冬芽の下にあるのは葉痕(ようこん)といって、葉があった痕です。

 

 ③の蝋質や油肥に覆われる樹種はトチノキなどで、テカテカしています。

 トチノキの冬芽。

 触ると粘つきます。

 しかし、触るのは、木にとって、あまり良くありません。

 でも、粘つくので触りたくなります。

 触りたいと思ったら、やさしく触ってくださいネ。

 

 ⑤「陰芽」

 ネムノキやニセアカシアなどの冬芽がこのタイプです。

 

 

 冬芽観察の番外編。

 時々シャクトリムシなど冬を過ごしている虫たちにも出会えます(^o^)。

 

 冬芽の観察は、冬しか出来ません!

 ちょっと寒いけど、冬芽を観察するため、樹木を巡ってみては如何でしょうか。

※2016年1月の記事を改編