通常、スギの葉は緑色。
だけど、冬になると、スギの葉は赤褐色に変色します。
もちろん、全てのスギが、同じように赤褐色に変色するわけではありません。
スギの葉の変色は、系統・品種によって差があります。
同じスギでも、赤味に個体差があったり、中には変色しないスギ(呼称:ミドリスギ)というのもあります。
枯れてる?って、思うくらい真っ赤かなスギもあります。
あと、日当たりが良い場所に生えているスギは、より赤味が強く変色したり。
冬になると、葉の中の葉緑素が分解され、少なくなります。
そして、それまで隠れていたカロチノイドの一種「ロドキサンチン」という色素が現れて、スギの葉は赤褐色に変色します。
この「ロドキサンチン」は、低温下で光ストレスを受けると引き起こされます。
そして、「ロドキサンチン」は、光による阻害を防止する働きがあることが明らかにされています。
なので、冬期のスギは、休眠中に光によるダメージを和らげるため、赤褐色に変色していると思われます。
ちなみに変色しないスギ(呼称:ミドリスギ)は、より光による阻害を受けていると言われています。
なお、寒風害などで、枯れたスギも同じような色に変色するため、変色したスギが、生きているのか・枯れているのか、一目ではわかりませんが、生きていれば、春になると葉緑素が戻って、緑色になります。
時々、「うわー、枯れてないのよね?」と思うくらい、赤褐色に変色しているスギ林を見かけます。
そんなスギ林でも、春になると、再び緑色に戻るので、そのギャップに驚かされます。
※2016年1月の記事を再編