10~12月に実をつける常緑針葉樹「イヌマキ」。
緑色の部分が種子で、有毒(イヌマキラクトン)なので、食べてしまうと嘔吐や下痢の症状を引き起こします。
赤色の部分は果床(かしょう)といい、熟すと紫色になり、甘くて、食べることが出来ます。
イヌマキは、庭木や垣根に使われるので、子供の頃は、垣根に出来た果床を食べながら、近所の家々の隙間を探検しましたね(^o^)。
有毒成分を含む緑色の実が、地面に落ちると発芽します。
こんな感じで、発芽します。
そして、こうなります。
イヌマキという名前の由来は、コウヤマキより劣るからイヌマキ。
コウヤマキのことをホンマキといい、ホンマキよりも葉の姿や形が劣るので、イヌマキ。
ちなみに、樹木の名前で「イヌ」がつくものは、本家と比較して、劣るという意味があります。
イヌマキは海岸に近い山地に生え、耐陰性の強い樹木(陰樹)です。
樹高は20mほどになりますが、幹は螺旋状に曲がるように成長するため、木材として乾燥させると割れやすいため、材木としては、あまり利用されません。
イヌマキは雌雄異株で、5~6月頃に開花します。
写真の花は雄花です。
これは通常のイヌマキの葉。
イヌマキの中には、小型で葉が短く密生するラカンマキという品種があります。
ラカンマキは異種ではなく、イヌマキの品種です。
12月くらいだと、ほとんどの実は落ちていますが、枝に付いている紫に熟した果床を見つけて、取って食べる。
実りが少ない冬という季節の中で、甘さを楽しめる貴重な樹木「イヌマキ」。
みなさんも、イヌマキの実を見つけたら、是非、ご賞味下さい。
ただし、緑色は有毒なので、絶対に食べないで下さいね!